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COF(Chip On Film)はフリップチップを直接FPC(フレキシブルプリント配線板)に実装する方法である。またフリップチップとは半導体チップとパッケージキャリア(基板又はリードフレーム)を電気的に接続するための技術である。
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従来、COFの定義はFPC上にLCDドライバICを実装し、LCDパネルとPWBを接続する製品を対象としていた。最近はドライバICをCOG実装し、電源IC、抵抗、コンデンサなどを両面2層FPCに実装するケースが主流になってきている。そのため後者も含んでいる。
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本稿では3層TABメーカーが開発した製品を「2層TABテープ」とし、FPCメーカーが開発した製品をCOFに区別している。
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■COFのタイプ別構成比と使用材料(2003年世界需要) |
タイプ |
販売数量ウェイト(%) |
キャスティング法 |
76 |
メッキ・蒸着・スパッタ法 |
24 |
ラミネート法 |
△ |
合計 |
100 |
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COFの製造方法はキャスティング法、メッキ・蒸着・スパッタ法、ラミネート法の3方法に分類される。その中ではキャスティング法が広く使用されている。ラミネート法は各社検討段階である。
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キャスティング法はポリイミド基板に銅箔を貼り付けた後、銅箔をエッチングして溝を切る方法である。銅箔がはがれにくいため信頼性が高い。また、他の方法に比べて低コストである。
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■用途動向(2003年世界需要) |
用途名 |
販売数量ウェイト(%) |
LCD・中小型パネル |
100 |
LCD・大型パネル |
△ |
半導体(インターポーザ ) |
0 |
合計 |
100 |
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COFが適用されている用途は、携帯電話のLCDモジュール用ドライバIC実装部が多く、LCD・中小型パネルに採用されている。一部LCD・大型パネルに採用される場合がある。
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製品コンセプトがFPCであるため、例えばドライバICをCOG実装し、電源IC、抵抗、コンデンサなどを両面2層FPCに実装するケースなどもある。
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■COFの市場規模推移(2003〜2008年世界需要) |
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年次 |
2003年 |
2004年見込 |
2005年予測 |
2006年予測 |
2007年予測 |
2008年予測 |
国内販売数量 |
200 |
280 |
350 |
400 |
460 |
530 |
前年比 |
− |
140.0 |
125.0 |
114.3 |
115.0 |
115.2 |
海外販売数量 |
380 |
550 |
730 |
920 |
1,150 |
1,400 |
前年比 |
− |
144.7 |
132.7 |
126.0 |
125.0 |
121.7 |
合計 |
580 |
830 |
1,080 |
1,320 |
1,610 |
1,930 |
前年比 |
− |
143.1 |
130.1 |
122.2 |
122.0 |
119.9 |
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COFの世界市場において、2003年の販売数量は58万m²(前年比48.7%増)、金額では188億円である。同市場は2008年、469億円(2003年比2.49倍)に拡大すると予測している。
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大口のアプリケーションである携帯電話が好調でありCOF市場を牽引している。この傾向は今後も続いていくと考えられる。COFの市場規模構成比(国内対海外)は2003年では1対1.9の関係にあるが、2008年の販売数量比率は1対2.64となり、海外向け需要が多くなると予想している。
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■参入企業とメーカーシェア(2003年世界需要) |
メーカー名 |
販売数量ウェイト(%) |
住友スリーエム |
29 |
ソニーケミカル |
17 |
日本メクトロン |
7 |
日東電工 |
5 |
その他 |
42 |
合 計 |
100 |
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住友スリーエムがCOF市場のトップメーカーである。一部大型パネル向けも取り扱っている。
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2位はソニーケミカル(ソニーケミカルとソニー宮城が合併し、2006年7月1日にソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社となった。)である。その他には日本メクトロン、日東電工、丸和製作所などが続いている。
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■今後の動向 |
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2層TABテープの配線ピッチ幅は、40μm以下のファインピッチ化が可能なことである。一方COF方式のメリットはそれ以上のファイン化が可能な点である。
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COF方式の技術開発は、2004年において商用ベースでは45μmレベルであり、開発レベルは40μmである。2005年においては30μmレベルの本格的なファインピッチ製品の開発が予想される。
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参考文献:「2004エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」 (2004年5月21日:富士キメラ総研)
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