フレキシブルプリント配線板(片面・両面板)の市場動向

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フレキシブルプリント配線板(FPC)は主に片面板と両面板に分類される。片面板の材料構成は「ポリイミドフィルム+接着剤+銅箔」からできている。基材には銅張積層板が用いられ、ロールツーロールでエッチング加工することで大量生産に適したFPCが製造されている。

両面フレキシブルプリント配線板は、「銅箔+接着剤+ポリイミドフィルム+接着剤+銅箔」から構成される。両面FPCは部品間を短い距離で接続することができ、電子機器の小型化、高密度化、信号伝搬の高速化を実現できる配線板である。

■タイプ別構成比(2003年世界需要)

タイプ 販売数量ウェイト(%)
片面板 55
両面板 43
その他
合計 100
出所:富士キメラ総研
片面板FPCの販売数量は両面板を上回っており、民生機器、通信機器、医療機器などのマザーボードや操作盤スイッチの接続などに多用されている。

両面板は小型AV機器、カメラを中心に使用されている。配線回路を小型の電子機器に組み込むには両面板構造が適している。

■フレキシブルプリント配線板(片面・両面板)の市場規模推移
 (2003〜2008年世界需要)

市場規模推移及び予測 単位:千m²、%
年次 2003年 2004年見込 2005年予測 2006年予測 2007年予測 2008年予測
国内販売数量 7,000 6,500 6,000 5,900 5,800 5,600
前年比 92.9 92.3 98.3 98.3 96.6
海外販売数量 9,400 11,000 12,500 13,500 14,300 14,800
前年比 117.0 113.6 108.0 105.9 103.5
合計 16,400 17,500 18,500 19,400 20,100 20,400
前年比 108.0 105.6 104.8 103.6 101.5
出所:富士キメラ総研
国内のFPCメーカーは、民生機器の海外生産に伴って国内生産から海外現地生産にシフトした。今後もこの傾向は継続していくと予測される。

世界規模でフレキシブルプリント配線板及びポリイミドフィルムが逼迫しているなど市場環境は好調である。そのため海外工場ではフル生産が続いてきた。

2003年のFPC世界市場(片面・両面板)は、販売数量が1,640万m²、販売金額が2,020億円となった。2008年は2,350億円と予測している。

■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 技術開発の概要
住友電工プリントサーキット 両面プリント配線板の生産性向上技術を開発  両面プリント配線板は、両面に導電層を持ち絶縁層(ポリイミドなど)から構成されている両面導電積層板である。導電層を加工することにより導体回路の形成が可能である。
 さらに、絶縁層を貫通するビアホールの成形及びその側壁のめっき工程などにより、両面の回路間を電気的に接続(導通)して製造することができる。
 また、両面プリント配線板の製造工程では、バッキングフィルムを剥離した後で、両面プリント配線板に微粘着剤の一部が付着するので、その粘着剤を除去する必要があり、アルコール拭きなどの処理工程が必要とされていた。
 バッキングフィルムは、バッキングフィルム側の導電層のエッチングを防ぐなどの目的で使用され、両面導電積層板の片面に貼られている。
 そこで同社は、バッキングフィルムの剥離を容易にし、製造コストを削減するなど生産効率を向上させる技術を開発している。
 両面導電積層板は、絶縁層の両面上に導電層が形成されており、ポリイミドフィルムの両面に銅箔を有する「両面銅張積層板(CCL)」を採用している。
 両面フレキシブルプリント配線板の製造には、絶縁層に機械的強度及び耐熱性に優れた可撓性のポリイミド(PI)フィルムを使用している。PIフィルムの厚さは、通常10〜150μmである。厚さが10μm未満の場合は、充分な機械的強度が得られないことがある。又厚さが150μmを越える場合は、配線板の柔軟性が低下したり、配線板全体を厚くするので好ましくない。
 従って同社は、開発した製造技術を活用することにより、両面粘着フィルムの両面に貼り合わされた2枚の両面導電積層板において、ビアホールを形成する工程や、そのビアホール内をめっき処理して導電層間を接続する工程などを、同一工程で行うことができるため、生産性が大幅に向上している。
 また、ビアホール内のめっき作業が終了後は、両面導電積層板の「熱発泡フィルム」からの剥離が容易になり、剥離後に微粘着剤が両面導電積層板に付着しないため、粘着剤の除去作業が無くなるので、生産効率をさらに上げることができる。

■参入企業とメーカーシェア(2003年世界需要)

メーカー名 販売数量ウェイト(%)
NOK 24
フジクラ
日東電工
住友電工プリントサーキット
その他 56
合 計 100
出所:富士キメラ総研
NOKグループの日本メクトロンは片面、両面板のFPC事業は、需要地域である日本、中国、台湾、タイ、ドイツに生産拠点を設置している。

今後は中国、台湾、韓国の現地メーカーが、新規にFPC事業に参入するケースが増えてくることが予測される。

■今後の動向

3層FPCには接着剤が使用されており、同FPCはハロゲンフリーの接着剤に切り替える動きが顕著である。今後ハロゲンフリー接着剤の需要が主流になっていくことは必至である。

参考文献:「2004エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」
(2004年5月21日:富士キメラ総研)


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