機能性塗料・コーティング材料の市場動向(総論1)

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機能性塗料・コーティング材料はその商品特性を活かし、建築・土木材料、自動車、エレクトロニクス部材、電化製品、日用品など幅広い分野で使用されており、耐候性や耐熱性、防食性などの機械・化学機能を始め、光学機能、電気・電子機能、熱的機能などを被塗物に与えている。この機能性塗料を対象物の表面に塗布・コートすることにより被塗物の付加価値を高め、高品質化に貢献している。

近年では特に、環境適合性が重要なテーマとなっており、VOC対策を始め有害物質対策、リサイクルなどの環境・安全性向上に向けた取組みが注目される。

■機能性塗料・コーティング材料の市場規模推移(2004~2008年:販売金額 国内需要+輸出)
下記の数表は、機能性塗料・コーティング材料を機能性塗料、環境適合型塗料、汎用塗料の3分野に分類し、その販売金額と伸長率を一覧にしたものである。
種類別市場規模推移 (単位:億円、%)
種類 2004年 2005年見込 2006年
予測
2007年
予測
2008年
予測
A 機能性塗料 2,407 2,563 2,706 2,841 2,968
前年比 106.5 105.6 105.0 104.5
B 環境適合型塗料 1,473 1,517 1,561 1,608 1,653
前年比 103.0 102.9 103.0 102.8
C 汎用塗料 3,683 3,664 3,771 3,808 3,785
前年比 99.5 102.9 101.0 99.4
合計※G 7,563 7,744 8,038 8,257 8,406
前年比 102.4 103.8 102.7 101.8
出所:富士キメラ総研
※G:合計数値には、一部の区分(水溶性樹脂塗料、自動車用塗料など)において販売金額が重複している。 また、半導体コーティング材「液状封止材」、光ディスクコーティング材料、光ファイバーコーティング材料、導電性塗料(電磁波シールド塗料)、バッファコート膜、マグネシウム合金用塗料については世界市場(販売金額)の数値を使用した。

2004年の機能性塗料・コーティング材料市場は、販売金額は7,563億円(重複分を除いた場合は6,150億円規模と推定される)である。2005年以降は前年比1.8~3.8%増の伸長率で推移する見通しである。2008年は8,406億円(2004年比1.11倍)に拡大すると予測している。

また、当該市場を種類別に捉えた場合、「機能性塗料」市場の伸び率は2005年以降、前年比4.5~6.5%の伸長率で推移すると推定している。続いて「環境適合型塗料」は同3%前後の伸び率で推移し、「汎用塗料」は微減又は同1~3%増の市場予測が描かれている。


49塗料製品の塗料分野と内訳は以下の通りである。
分野 対象の機能性塗料・コーティング材料
A 機能性塗料
32品目
光学機能(6) 蓄光塗料、蛍光塗料(蛍光体)、UV硬化塗料(トップコート)、UV遮断塗料、光ディスクコーティング材料、光ファイバーコーティング材料
電気・電子機能(6) 帯電防止塗料(塗装材)、導電性塗料(電磁波シールド塗料)、電気絶縁塗料、半導体コーティング材料(液状封止材)、バッファコート膜、マグネシウム合金用塗料
熱的機能(5) 耐熱塗料、熱発泡性耐火塗料、太陽熱遮断塗料、遮熱性舗装用塗料、赤外線反射塗料
機械・化学機能(15) 弾性塗材(弾性吹付材)、超厚膜塗料(ウレタンエラストマー型)、結氷・着雪防止塗料(超はっ水性塗料含む)、水中硬化型塗料、フッ素樹脂塗料、アクリルシリコン塗料、その他高耐候性塗料、結露防止塗料、耐酸性雨塗料、非粘着塗料(フッ素樹脂コーティング)、船底防汚塗料、制振塗料、コンクリート剥落防止コーティング、落書き防止塗料、木部保護塗料
B 環境適合型塗料
10品目
エマルジョン塗料、水溶性樹脂塗料、粉体塗料、ゼロVOC水系塗料、光触媒塗料、光触媒コーティング材、PETボトルリサイクル塗料、自然塗料、生分解性塗料、天然素材配合塗料(木炭、漆喰ほか)
C 汎用塗料
7品目
自動車用塗料(新車用)、自動車用塗料(補修用)、プラスチック用塗料、PCM(プレコートメタル)用塗料、缶用塗料、重防食塗料、路面標示用塗料(トラフィックペイント)

■種類別販売金額と構成比の比較(単位:億円)

種類 2004年 構成比 2008年
予測
構成比 構成比の増減
2008-2004年
A 機能性塗料 2,407 31.8% 2,968 35.3% +3.5%
B 環境適合型塗料 1,473 19.5% 1,653 19.7% +0.2%
C 汎用塗料 3,683 48.7% 3,785 45.0% -3.7%
合計 7,563 100.0% 8,406 100.0%  
出所:富士キメラ総研

機能性塗料・コーティング材料市場において種類別に2004年の販売構成比を見ると、汎用塗料の構成比が48.7%と最も大きく、2008年は45.0%に縮小(増減比3.7%減)すると予測している。また2008年の販売構成比が最も拡大しているのは機能性塗料(同3.5%増)である。

<機能性塗料>
機能性塗料市場は機能別には4つの分野から構成される。2004年において機械・化学機能塗料の販売数量構成比が59%と最も大きく、次いで電気・電子機能が20%、光学機能が16%、熱的機能が5%を占める。

販売金額による構成比では、光学機能塗料が27%と大きく販売構成比を高めている。これは光ファイバーコーティング材料などの高付加価値製品が販売金額の構成比を押上げているためである。

<環境適合型塗料>
水溶性塗料、粉体塗料、自然塗料、ゼロVOC水系塗料、PETボトルリサイクル塗料など環境塗料の需要が年々拡大傾向にあり、顕在需要は小さいが今後の成長が注目されている。一方、エマルジョン塗料などの成長率は低くなっている。

<汎用塗料>
汎用塗料は既に成熟化している塗料であり、幅広い分野で使用され市場規模の大きい塗料である。市場規模の変動は、製品特性が起因するものよりも、景気の低迷やユーザーの海外移転など市場環境の変化による影響を強く受けており、2005年以降の汎用塗料市場は減少傾向で推移すると予測される。

参考文献:「2005年版 機能性塗料・コーティングの現状と将来展望」
(2005年1月31日:富士キメラ総研)


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