エマルジョン塗料の市場動向

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エマルジョン(一つの液体が別の液体の中で微粒子の状態で分散している性状)塗料は水系に属し、従来の溶剤型と比較すると環境適合性が高く、高固形分化やタレ、ハジキなどに対するレオロジー(変形と流動に関する科学)性などに優れている。しかし耐水性や塗膜性能が劣る。

塗料を形成する材料としてはアクリル、アクリル・スチレン、酢ビ、EVA、フッ素、ウレタン、エポキシなどの合成樹脂エマルジョンが採用されているが、需要の中心はアクリル系である。

■用途別ウェイト(2004年 国内需要(輸出含む))

用途名 具体的用途例 販売数量ウェイト(%)
建築用 建築物外装、内装(天井、床、壁)、鉄扉、他 62
その他 自動車部品、自動車塗装、鋼製家具、軽量型鋼、容器、金属二次製品、他 38
合計 100
出所:富士キメラ総研
需要先は建築用途が主体である。建築物外装用途ではオール水性化など環境配慮型塗料の販売量が増えている。室内などの内装用途ではシックハウス対策のために、VOC(揮発性有機化合物:トルエン、キシレン、パラジクロベンゼン、ホルムアルデヒド)含有量がより低いエマルジョン塗料が求められている。

■エマルジョン塗料の市場規模推移(2004〜2008年 国内需要(輸出含む))

市場規模推移及び予測 単位:t、%
  2004年 2005年見込 2006年予測 2007年予測 2008年予測
販売数量 224,100 223,500 223,600 224,000 223,600
前年比 99.7 100.0 100.2 99.8
出所:富士キメラ総研
2004年のエマルジョン塗料市場の販売数量は22万4,100t、販売金額は599億円(メーカー出荷ベース)である。2005年以降の販売数量は、ほぼ横ばいで推移する見通しであり、2008年は602億円と予測している。

近年ではVOC対策の見地から、日本塗料工業会が基準を定めたTVOC(組成中の全てのVOCの合計値)1%以下の低VOC/超低VOC、ゼロVOC塗料など、環境に配慮したエマルジョン塗料が各社から上市されている。

代表的な製品としては、大日本塗料のVOC含有量ゼロを実現した「ノボクリーンシリーズ(室内環境対応形水系塗料)」、関西ペイントは低VOC塗料「エコデラックスII」、日本ペイントでは超低VOCの「エコフラットシリーズ」、神東塗料ではフラットエマルジョンの9割がゼロVOC塗料であり、代表的な製品は「ホルムクリーン」「ページエコ」が挙げられる。

■参入企業とメーカーシェア(2004年 国内需要(輸出含む))

メーカー名 販売数量シェア(%)
関西ペイント 21
日本ペイント 20
エスケー化研 17
その他 42
合 計 100
出所:富士キメラ総研
関西ペイントと日本ペイントがそれぞれ2割ほどのシェアを獲得している。3位に建築用仕上材大手のエスケー化研が続いている。

建築分野の塗料販売数量が年々減少を続けている中で、関西ペイント、エスケー化研は2004年、前年を上回る実績となっている。

■今後の動向

VOC対策やVOC削減の観点から、溶剤系塗料はエマルジョン塗料に移行していくと考えられる。特に、建築用途では水性化の中でもシックスハウス対策を背景として、今後、VOC含有量の低いエマルジョン塗料が伸びていくと予想される。

参考文献:「2005年版 機能性塗料・コーティングの現状と将来展望」
(2005年1月31日:富士キメラ総研)


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