耐熱塗料の市場動向

マーケット情報TOP
耐熱塗料とは、一般樹脂系の塗料で使用できない温度領域(通常200℃以上) で塗装できる塗料である。

鉄やアルミニウム、ステンレス等に塗布することによって100〜600℃程度の耐熱性を保持する膜を形成し、熱環境の厳しい用途で基材を腐食などから保護する効果を持つ。

耐熱塗料の塗膜形成材料にはシリコーン樹脂、変成シリコーン、ポリイミド、フッ素樹脂などが使用されている。

■主な製品の物性と特徴

商品名 メーカー名 使用温度帯 膜厚 乾燥 色相
耐熱塗料スタンダードシルバー オキツモ 300〜600℃ 10μm 常乾 シルバー
パイロジン 一般耐熱用 大島工業 170〜600℃ 20μm×2回 常乾 シルバー
テツゾールシルバー 日本ペイント 200〜700℃ 10〜15μm×2回 常乾 シルバー
テルモ・シルバー 関西ペイント 100〜600℃ 15〜20μm 常乾 シルバー
汎用的な耐熱塗料の使用温度帯は100〜600℃が一般的である。これ以上の温度になると素材(鉄などの鋼材)が耐えられず、高温酸化によって強度が極端に弱くなる。しかし、その他の素材(例えばステンレスなど)であれば750℃まで耐えることが可能である。

具体的にはオートバイのマフラー用途では200〜300℃の温度で使用されている。

■用途別ウェイト(2004年 国内需要(輸出含む))

用途名 具体的用途例 販売数量ウェイト(%)
輸送機器 自動車エンジンカバー等のエンジン周辺部材、マフラー、他 48
家電・厨房機器 ファンヒーター、電子レンジ、ガステーブル、フライパン、他 25
プラント 化学プラント、発電プラント、焼却炉、タンク、他 17
その他 電子部品、他 10
合計   100
出所:富士キメラ総研
自動車や二輪関連の用途が5割弱のウェイトを占める。用途先は比較的一定しており変動は少ない。家電製品や厨房機器の用途では海外からの需要が多い。海外にも耐熱塗料メーカーは存在するが、品質にバラツキがあるなどの課題があるため、品質が安定した日本メーカーの耐熱塗料が採用されている。

■耐熱塗料の市場規模推移(2004〜2008年 国内需要(輸出含む))

市場規模推移及び予測 単位:t、%
  2004年 2005年見込 2006年予測 2007年予測 2008年予測
販売数量 7,900 8,000 8,100 8,200 8,300
前年比 101.3 101.3 101.2 101.2
出所:富士キメラ総研
2004年の耐熱塗料市場の販売数量は7,900t、販売金額は131億円(メーカー出荷ベース)である。2005年以降の販売数量は微増で推移する見通しであり、2008年は138億円と予測している。

輸送機器や家電製品の日系メーカーが生産拠点を海外に移転したり、海外の現地メーカーの生産量の増加により、海外における耐熱塗料の需要が拡大している。

■参入企業とメーカーシェア(2004年 国内需要(輸出含む))

メーカー名 販売数量シェア(%)
オキツモ 41
大島工業 39
その他 20
合 計 100
出所:富士キメラ総研
耐熱塗料市場の首位はオキツモ(本社:三重県名張市)で41%を占める。2位の大島工業は輸出需要を中心に販売実績を伸ばした。上位2社の実績を合計すると市場の8割に達する。近年、日本の耐熱塗料メーカーの技術力が高いため海外からの引き合いが強く、特に輸出需要が大幅に伸びている。

■今後の動向

国内における自動車・家電関連業界の需要回復は近年、難しい状況にある。しかし海外からの引き合いが強く、海外生産、技術提携、輸出対応により、今後も増加基調の成長が予測される。

参考文献:「2005年版 機能性塗料・コーティングの現状と将来展望」
(2005年1月31日:富士キメラ総研)


戻る