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住宅用の階段は、工事現場で大工が自ら造作するケースと工場で生産された階段ユニットに大別され、現状では新築戸建住宅の多くに階段ユニットが採用されている。主に新設住宅着工戸数の変動に影響を受け易い市場である。
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■住宅用階段ユニットにおける材料特性、利用特性 |
〈材料特性〉 |
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一般に住宅用階段の踏み板には木質の材料が使用されている。階段を構成する「踏み板」の表面に印刷模様を有する樹脂製化粧シートを貼付ける場合がある。同樹脂シートは、ポリ塩化ビニルやポリエステル樹脂をカレンダー成形法などで製造されている。
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〈利用特性〉 |
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最近、汚れなどを防止するため踏み板の表面を化粧シートで覆った踏み板が普及している。また、階段は多数の踏み板から構成されていることや、踏み板表面の化粧シートの色や模様が同様であるために踏み誤ることがある。(特に、視力が弱くなった高齢者は階段で踏み板を踏み外して怪我をする場合がある。)
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そこで、踏み外し事故を防止するため、踏み板の長手方法中央部に目印を設けた踏み板などが開発されている。
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■住宅用階段ユニットの用途動向(2003年 国内需要) |
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用途 |
戸建住宅 |
集合住宅 |
合計 |
国内販売数量 |
452,700 |
僅少 |
452,700 |
構成比 |
100.0% |
0% |
100.0% |
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2003年の住宅用階段ユニット市場における用途別需要構成比は、戸建住宅向けがほぼ100%を占めている。
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住宅用途における新築・既築別需要構成 |
単位:セット |
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用途 |
新築住宅 |
既築住宅 |
合計 |
国内販売数量 |
443,900 |
8,800 |
452,700 |
構成比 |
98.1% |
1.9% |
100.0% |
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住宅用階段ユニットの販売比率は新築住宅向けが98%となり、圧倒的に新築住宅で販売されている。
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■住宅用階段ユニットの市場規模推移(2003〜2005年)国内需要 |
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2003年 |
2004年見込 |
2005年予測 |
国内販売数量 |
452,700 |
448,900 |
439,000 |
前年比 |
− |
99.2 |
97.8 |
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新設住宅着工戸数の減少が続き縮小傾向にあった住宅用階段ユニット市場は2003年に入り、主力市場の持ち家、特に分譲戸建住宅が回復したため実績(2003年の国内市場は440億円、伸長率は前年比103.0%)を持ち直した。
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今後は住宅ローン減税の効果も薄れ、再び新設住宅着工戸数の減少とともに市場の縮小が予想される。2005年は415億円(同96.3%)と予測している。
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■参入企業とメーカーシェア(2003年 国内需要) |
メーカー名 |
販売数量ウェイト(%) |
ウッドワン |
20 |
永大産業 |
17 |
松下電工 |
12 |
大建工業 |
11 |
その他 |
40 |
合 計 |
100 |
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住宅用階段ユニットのパイオニアであるウッドワン(本社:広島県廿日市市)がトップを維持している。2位以下の大手企業は戸建住宅向けの販売が好調で2003年の実績/シェアを伸ばした。その他には、建材メーカー(朝日ウッドテック、ノダなど)が含まれている。
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■今後の動向 |
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住宅用階段ユニットは、新築の戸建住宅に組み込まれるケースが圧倒的に多い。参入各社はリフォーム階段や省施工型の新工法の開発・導入を進めてはいるものの、階段に対するリフォーム需要は極めて低いと推測される。
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参考文献:「2004年版 住設建材マーケティング便覧」 (2004年7月16日:富士経済)
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