自動車部品の材料動向(総論2)

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近年、自動車部品の製品開発において重要な要素は、トータルコストの低減、低燃費に向けた軽量化、リサイクル性(環境)に関心が高まっている。特に樹脂材料については軽量化が最も期待されており、その他には新素材開発やリサイクル性の向上が図られている。

■自動車部品における材料(スチール、非鉄金属、樹脂など)動向

区分 部品名 自動車部品の採用・需要動向
エンジンルーム系 燃料タンク ●エンジンにガソリンや軽油を供給する容器であり、燃料タンクの材料は亜鉛やアルミなどをメッキ処理したプレス鋼板が主流であるが、設計自由度の高い樹脂製タンクの需要が急増している。
電装 ラジエータタンク ●従来、コア材料には黄銅やアルミ合金が使用されていたが、冷却効果や軽量化が可能なアルミ製ラジエータが主流である。またタンクは成形加工の観点からPA樹脂製が増えている。
吸気 インテークマニホールド ●従来のアルミ製に替えて樹脂(PAなど)製のインテークマニホールドを採用して軽量化を図っている。
内外装 ウェザーストリップ(シール材) ●リサイクル性を重視した材料が選択されている。
●価格や耐久性の問題はほぼクリアしており、環境適合型樹脂・ゴムとして、クロロプレンゴム(CR)からオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)に急速なシフトが予想される。
外装 ボディ ●ボディに関しては、耐久性、衝突安全性、コスト面が重視されておりスチール製部材では特にハイテン材が採用されている。
●樹脂が採用されているのはフロントフェンダー、サイドシール/ガーニッシュ類に限定されるが今後増加傾向がうかがえる。
バンパー ●軽量化、加工性、環境特性の観点からPP樹脂に統一されていくと考えられるが、コスト削減要求もあり、PPについてはスペックなどの見直しが同時に行われている。
近年、鋼板やアルミ合金などの材料から樹脂材料に代替する理由としては、設計自由度の高さ、成形加工の良さ、軽量化、リサイクル性などの環境要因が挙げられる。

■自動車部品における主なエンプラ別材料特性

樹脂 材料特性 主な使用部位/部品
PC ●PCは透明性、耐衝撃性、寸法安定性、耐熱性、自己消火性(難燃性)がある。
●その優れた特徴(物性)から幅広い部位に使用されている。
電装部品/ヘッドランプ用レンズ
内装部品
外装部品/サンルーフや窓ガラス、ドアハンドルなど
PA ●自動車用途では、軽量性、耐熱性、耐油性、機械的強度などの特性を活かし、機構部品にPA(PA6、PA66)が採用されている。 エンジンルーム内の機構部品/インテークマニホールド、ラジエータタンク、キャニスターなど
内装部品
POM ●POMは強度、耐疲労性、バネ弾性、耐薬品性が優れている。
●また、成形性が良く短期長期にわたり優れた機械特性を示し、摩擦摩耗特性など物性バランスが良好である。
外装部品/アウタードアハンドル類、ワイパー部品など
シャーシ関連/アクセルペダルなど
機構部品
PBT ●PBTは耐熱性、寸法安定性、剛性、靭性、電気特性などの点が評価され採用されている。
●近年、各種ECUの増加や電気・電子部品の搭載量が増えており、PBTの使用量が増加している。
電装部品/イグニッションコイル、スイッチ、ライト部品など
外装部品/アウタードアハンドルなど
内装部品
PPS ●PPS(ポリフェニレンサルファイド)は耐熱性、耐ヒートショック性などに優れ、日本では車載電装化に伴いセンサー類で採用が増えている。 電装部品/イグニッションコイル、センサー類など
エンジンルーム関連部品
自動車部品が使用される部位(設置環境)や機能面、要求物性などにより、各種エンプラが選定され幅広い分野に使用されている。今後、自動車部品用途におけるエンプラの使用量は増加傾向にある。

参考文献:「2005年版 自動車部品マーケティング便覧」
(2005年5月31日:富士キメラ総研)


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