インテークマニホールドの市場動向

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インテークマニホールドは吸気をシリンダーヘッドの吸気ポートに供給するための多岐管である。マニホールドの長さによって吸気に対する動的特性が決定するので、慣性による過給効果を活用する上で、バルブタイミングとともに重要な部品である。

■インテークマニホールドにおける材料特性

これまで、鋳鉄やアルミ合金製の材料が使用されてきたが、鋳鉄に替わりアルミダイカスト法による製造が主流を占めてきた。その後、GF(グラスファイバー)入りポリアミド樹脂製インテークマニホールドの需要が急速に高まっている。

吸気部品のモジュール化の進展に伴い、近年は、軽量で低コストの樹脂製インテークマニホールドの採用が増えている。

■市場規模推移及び予測(2004~2007年、2010年 世界/国内需要)

  (単位:千個、%)
  2004年 2005年見込 2006年予測 2007年予測 2010年予測
世界販売数量 64,000 66,800 69,800 72,400 79,700
前年比 104.4 104.5 103.7
国内販売数量 10,700 11,000 11,300 11,400 11,700
前年比 102.8 102.7 100.9
国内販売比率 16.7 16.5 16.2 15.7 14.7
出所:富士キメラ総研
主に、ライン純正向けに生産されている製品であり、インテークマニホールドの需要動向は自動車の生産台数に連動している。

金属製の製品よりも低価格な樹脂製インテークマニホールドが急増しているため、金額ベースの国内市場は縮小傾向を辿っている。

2004年の世界市場の販売数量は6,400万個で、販売金額は2,548億円(メーカー出荷ベース)である。2010年は同2,949億円に成長すると予測している。

■技術開発・研究開発動向

企業名 技術開発 研究開発と技術の概要
宇部興産 インテークマニホールド向けに軽量で、制振性/断熱性に優れたPA樹脂コンパウンドを開発  近年、燃料価格の高騰や環境問題を背景として自動車部品の軽量化要請が高まっている。一方、最近の環境問題の1つとして自動車などの騒音規制、特にエンジンに近接した部品に対して制振性の改良が求められている。
 従来から制振性を改良する方法としては、PA樹脂にガラス繊維やカオリン、マイカ、炭酸カルシウムなどの無機充填材を配合する方法が提案されてきた。
 また、自動車のエンジンルーム内で使用されてきた金属部品は、金属代替材料としてポリアミド(PA6、PA66)樹脂が広く使用されてきた。
 但しPA樹脂は、騒音に関して最も影響を及ぼす1~2KHz付近の振動数(騒音)を低下させることが難しいと言われている。
 そこで同社は、PA樹脂にガラスバルーンを配合することにより、軽量で制振性/断熱性に優れたインテークマニホールド用のPA系樹脂コンパウンドの研究開発を行っている。
 同社が開発しているPA系樹脂コンパウンドは、インテークマニホールド以外にはエンジンカバー、シリンダーヘッドカバーなど自動車のエンジンルーム内の部品にも適している。

■参入企業とメーカーシェア(2004年 世界需要)

メーカー名 販売数量ウェイト(%)
デュポン 12
マンウントヘンメル 11
シーメンスVDO 11
マーレ 11
その他 55
合 計 100
出所:富士キメラ総研
上記のメーカーが世界市場における代表的なインテークマニホールドメーカーである。国内メーカーではアイシン精機(本社:愛知県刈谷市)、日産自動車、広島アルミニウム工業(同:広島市)などが大手企業である。

アイシン精機はトヨタ自動車「クラウン」向けにアルミ製薄肉インテークマニホールドを納入している。同社は、CAE解析に基づいた金型温度調節・鋳造方案を設定(最適化)し2mmでの湯廻り性を確保し、サイクルタイムを短縮することで樹脂並みの製造コストや軽量化を実現した。材料技術の開発や部品の製造はアイシン高丘(本社:愛知県豊田市、自動車用鋳造部品メーカー)が対応している。

■今後の動向

軽量化や製造コスト面などを考慮すると、今後、樹脂製インテークマニホールドの採用が増えていくものと予想される。排気系モジュールの需要増と同様に、今後、吸気系モジュールの増加が考えられる。

参考文献:「2005年版 自動車部品マーケティング便覧」
(2005年5月31日:富士キメラ総研)


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