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乗員の肩と腰を保持するベルトであり、事故発生時などに乗員を保護するための重要な装置である。前方衝突に対して乗員を固定し車外への放出を防止する。
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シートベルトは、2点式(ラップベルト)、3点式、フルハーネス式の3種類がある。国内では着脱が容易で腰、腹、胴を固定する3点式が一般的である。
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■シートベルトの材料特性 |
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一般に、シートベルト装置は乗員を拘束するウェビングと、ウェビングの一方の側からベルトを引き出し・巻き取るリトラクター、ウェビングに設けたタングプレート、タングプレートと接続するバックルなどで構成される。
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製品の形態は幅50mm、厚さ1.2~1.mmのひも状。素材はポリエステル(PET)、ポリアミド(PA)樹脂などの合成繊維が使用されている。
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■市場規模推移及び予測(2004~2007年、2010年 世界/国内需要) |
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2004年 |
2005年見込 |
2006年予測 |
2007年予測 |
2010年予測 |
世界販売数量 |
63,600 |
66,400 |
69,500 |
72,000 |
79,400 |
前年比 |
― |
104.4 |
104.7 |
103.6 |
― |
国内販売数量 |
10,600 |
10,900 |
11,000 |
11,200 |
11,400 |
前年比 |
― |
102.8 |
100.9 |
101.8 |
― |
国内販売比率 |
16.7 |
16.4 |
13.6 |
15.6 |
14.4 |
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シートベルト装置は新車の販売台数に連動した市場となっている。衝突時にシートベルトの拘束性を高め、胸部の移動を抑える機能を持つプリテンショナ付きシートベルトの採用が増えている。
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2004年の世界市場は販売数量が6,360万台で、販売金額は7,503億円(メーカー出荷ベース)である。2010年は同8,892億円(2004年比1.19倍)になると予測している。
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■参入企業とメーカーシェア(2004年 世界需要) |
メーカー名 |
販売数量ウェイト(%) |
オートリブ(スウェーデン) |
29 |
タカタ(日本) |
20 |
TRW(米国) |
20 |
東海理化 |
11 |
その他 |
20 |
合 計 |
100 |
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上位4社(オートリブ、タカタ、TRW、東海理化)で世界市場の8割を占めるなど、シートベルト市場は寡占化が進んでいる。
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国内市場ではタカタ、東海理化、オートリブジャパンなどが上位企業である。その他、国内ではTRW社の日本法人であるティーアールダブリュオートモーティブジャパン(本社 横浜市)が営業展開している。
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タカタ(同 東京都港区)は海外工場の生産体制を強化しており、2004年12月にブラジル新工場が完成した。
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東海理化(同 愛知県丹羽郡)は電動リトラクター式シートベルトの開発に注力している。
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■今後の動向 |
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シートベルトは安全要求度が高い装置である。そのため、安全性が検証された製品が自動車メーカーに選定されている。自社内で高いデータ収集・解析技術を有するシートベルトメーカーの製品は信頼性が高まることとなり、高い技術開発力を持つメーカーによる市場の寡占化傾向は今後も続いていく。
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参考文献:「2005年版 自動車部品マーケティング便覧」 (2005年5月31日:富士キメラ総研)
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