■ワールドワイドの用途別需要構成 2005年販売数量ベース |
用途 |
構成比(%) |
主な用途例 |
自動車 |
48 |
ランプ用リフレクター、コンビネーションスイッチカム、ターンランプアンバーキャップなど |
電気・電子機器 |
23 |
DVDなどのターンテーブル、LEDリフレクターなど |
機械部品 |
19 |
カメラ鏡筒、腕時計部品など |
その他 |
10 |
目薬容器、手術用メス滅菌ケース、耐熱圧ボトル、櫛など |
合計 |
100 |
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● |
PARの主な用途は自動車部品、機械部品、電気・電子部品など多岐にわたっている。特に、耐熱性、透明性を活かした用途で採用されている。
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■ポリアリレートの材料特性 |
● |
ユニチカが生産している「Uポリマー」はポリエステルの一種で、その特徴は、透明樹脂の中で高レベルの耐熱性(荷重たわみ温度が1.8MPaで175℃)があり、バネ回復性(クリープ特性)、耐候性、難燃性に優れた性能を有している。
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● |
ポリアリレート(Polyalylate)の特性を活かし、精密機器、自動車、機械、医療、食品、日用品といった多様な用途に採用されている。
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● |
また、PARはPAR/PC、PAR/PET、PAR/PAなどのアロイ製品の形態で利用されることが多い。例えば、ポリアリレートとポリカーボネートをアロイ化(混合)することにより、耐熱性、耐衝撃性、成形性を兼ね備えたアロイ製品が得られ、射出成形で加工する際には、成形品の表面外観が良好で生産性の向上を図ることができる。
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■市場規模推移及び予測(2005~2008年、2010年 世界/国内需要) |
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2005年 |
2006年見込 |
2007年予測 |
2008年予測 |
2010年予測 |
世界販売数量 |
1,800 |
1,860 |
1,920 |
1,980 |
2,120 |
前年比 |
― |
103.3 |
103.2 |
103.1 |
― |
国内販売数量 |
1,250 |
1,260 |
1,270 |
1,290 |
1,330 |
前年比 |
― |
100.8 |
100.8 |
101.6 |
― |
国内販売比率 |
69.4 |
67.7 |
66.1 |
65.2 |
62.7 |
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● |
ポリアリレート(PAR)樹脂はユニチカが独自に開発したスーパーエンジニアリングプラスチックスで、ユニチカのみが「Uポリマー」の商品名で事業展開している。
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● |
PARの地域別販売量は、2005年では日本が約7割を占め極めて多くなっている。その他、アメリカやアジア地域では自動車部品、電気・電子部品を中心に需要が伸びている。世界需要は前年比3%台の伸長率で成長している。
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● |
2005年のポリアリレート樹脂の世界販売数量は1,800tで販売金額は33億円である。2010年には38億円(2005年比1.15倍)に拡大すると予測している。
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■参入企業とメーカーシェア(2005年 世界需要) |
メーカー名 |
販売数量ウェイト(%) |
ユニチカ |
100 |
合 計 |
100 |
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● |
世界市場から見てもユニチカ1社がPAR樹脂を販売展開している。基本グレードにはU-100が上市されており、透明耐熱グレード(Pシリーズ)、透明耐薬品グレード(Uシリーズ)などがラインアップされている。
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■今後の動向 |
● |
これまでは、PAR樹脂をアロイ化することによって新製品が開発されてきたが、近年はPAR自体の光学特性、耐熱性などの特性を高めるための技術開発が行われている。
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● |
また、ユニチカは高機能ポリマーを開発するために試験プラントを新設している。
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参考文献:「2006年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略」 (2006年6月5日:富士経済) |
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