ポリアミドイミド(PAI)の市場動向

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■ワールドワイドの用途別需要構成 2005年販売数量ベース

用途 構成比(%) 主な用途例
産業機器 38 主に軍事航空宇宙関連の摺動部品(ジェットエンジン部品、スペースシャトルセラミックタイル取り付けファスナー)など
自動車 35 主に高級車・特殊車両の摺動部品、トランスミッション部品、スラストワッシャーなど
電気・電子機器 27 主に軍事航空宇宙関連の電気・電子部品、複写機部品など
合計 100  
出所:富士経済
PAIは高機能な材料特性が要求される軍事航空宇宙関連の各種摺動部品や電気・電子部品(コネクタなど)、自動車の摺動部品(高級車などのトランスミッション部品)用途で採用されている。

■ポリアミドイミドの材料特性
耐熱性(連続使用温度250℃)、耐衝撃性、耐疲労性、難燃性、耐摩擦摩耗性、電気特性などが優れている。

ポリアミドイミドの応用例として、例えば自動車エンジン用の軸受は、鋼板製の裏金上に銅系軸受合金やアルミニウム系軸受合金を接合したすべり軸受が使用されている。この種のすべり軸受は、軸受合金層の表面に、ポリアミドイミド、ポリイミド、エポキシなどの樹脂に固体潤滑剤などを含有した摺動層を被覆することによって、耐摩耗性、非焼付性、初期なじみ性の向上が図られている。

■市場規模推移及び予測(2005~2008年、2010年 世界/国内需要)

単位:t、%
  2005年 2006年見込 2007年予測 2008年予測 2010年予測
世界販売数量 181 184 187 190 196
前年比 101.7 101.6 101.6
国内販売数量 45 45 45 45 45
前年比 100.0 100.0 100.0
国内販売比率 24.9 24.5 24.1 23.7 23.0
出所:富士経済
上記の販売数量はPAIメーカーがニートレジン及びコンパウンド製品として販売した合算値である。

PAIはイミド系樹脂の1つであり、世界ではソルベイアドバンストポリマーズのみが「トーロン」ブランドで事業展開している。

PAIは軍事航空宇宙や自動車分野における摺動部品などの用途で、金属代替需要を取り込み徐々に市場規模を拡大してきた。

2005年のポリアミドイミド樹脂の世界販売数量は181tで販売金額は17億2,000万円である。2010年には18億7,000万円(2005年比1.09倍)になると予測している。

■参入企業とメーカーシェア(2005年 世界需要)

メーカー名 販売数量ウェイト(%)
ソルベイアドバンストポリマーズ 100
合 計 100
出所:富士経済
PAIは世界ではソルベイアドバンストポリマーズのみが商用化している樹脂であり、同社はグローバルに事業展開を行っている。

同社はPAI以外には様々なスーパーエンプラ(PES、PSF、LCP、PA6Tなど)を取り扱っているが、中でもPAIは上位グレードに位置している。

■今後の動向

PAIは材料特性や価格面で用途先が限定される側面がある。そのため、幅広い用途・分野で市場開拓を行い、PAIのコストパフォーマンスに見合った新規用途(特に民生向け)の掘り起こしが今後の課題である。

参考文献:「2006年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略」
(2006年6月5日:富士経済)


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