ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の市場動向

マーケット情報TOP
■ワールドワイドの用途別需要構成 2005年販売数量ベース

用途 構成比(%) 主な用途例
自動車 39 スラストワッシャー、オイルフィルター、スロットルボディのギア、ベアリング、シールなど
電気・電子機器/半導体 30 半導体・液晶製造装置用部品(主に治具類:シリコンウエハのキャリア、ICチップトレイ)、絶縁フィルム、アルミ電解コンデンサ本体ケースなど
産業機械 27 コンプレッサ部品(ポンプ、バルブ、シール)、航空機のキャビン内装、水圧駆動システムポンプ部品(水圧ポンプの軸受など)など
その他 食品・飲料製造設備部品、医療器具部品(滅菌器具、ガス・液体クロマトグラフ)など
合計 100  
出所:富士経済
PEEKの主な用途は、エレクトロニクス、自動車、産業機械の3分野に集約される。エレクトロニクス分野では、電気・電子機器/半導体関連機器や、半導体・液晶製造装置用部品などの用途で需要が発生している。

日本及び欧米地域では自動車向けにPEEK需要が拡大している。

■ポリエーテルエーテルケトンの材料動向
PEEKはオキシ-1,4-フェニレンオキシ-1,4-フェニレン-カルボニル-1,4-フェニレンを繰り返し単位とする直鎖状芳香族ポリマーで熱可塑性の結晶性樹脂である。

PEEKは、連続使用温度260℃と極めて高く、機械的強度(耐磨耗性、低摩擦性、耐クリープ)、化学的特性(耐薬品性)が優れている。

PEEKの応用製品として、例えば三菱樹脂の「ポリペンコPEEK」は、PEEK樹脂を押出成形した製品であり、連続使用温度は250℃である。耐薬品性、耐摩擦摩耗性、機械加工性が優れており、半導体・液晶製造装置部品、検査装置部品、絶縁材などの用途に使用されている。

■市場規模推移及び予測(2005~2008年、2010年 世界/国内需要)

単位:t、%
  2005年 2006年見込 2007年予測 2008年予測 2010年予測
世界販売数量 2,700 3,000 3,300 3,700 4,600
前年比 111.1 110.0 112.1
国内販売数量 250 270 290 310 350
前年比 108.0 107.4 106.9
国内販売比率 9.3 9.0 8.8 8.4 7.6
出所:富士経済
PEEKは優れた材料特性に加え、従来の成形機械で容易に成形加工(射出成型など)ができるため、高価格であるにも関わらず他のスーパーエンプラや金属からの代替が進んでいる。

2005年のポリエーテルエーテルケトン樹脂の世界販売数量は2,700tで販売金額は338億円である。2010年には575億円(2005年比1.70倍)になると予測している。

■参入企業とメーカーシェア(2005年 世界需要)

メーカー名 販売数量ウェイト(%)
ビクトレックス(英国) 100
合 計 100
出所:富士経済
世界市場でみると英国のビクトレックスのみがPEEK樹脂を生産している。

日本市場では、ビクトレックス・エムシー(2007年5月に社名をビクトレックス・ジャパン株式会社に変更。本社は東京都港区)が、日本及びアジア市場において、グローバルスタンダード品とカスタマーグレード品の販売を行っている。同社は英国Victrex pic社と三井化学との合弁会社として1997年に設立された。

■今後の動向

PEEK樹脂は金属代替やLCP、フッ素樹脂といった他のスーパーエンプラを代替することによって、PEEKの需要を伸ばしてきた。今後はエレクトロニクス業界、自動車、産業機械の分野で需要拡大が予想される。

参考文献:「2006年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略」
(2006年6月5日:富士経済)


戻る