液晶ポリマー(LCP)の市場動向

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■ワールドワイドの用途別需要構成 2005年販売数量ベース

用途 構成比(%) 主な用途例
コネクタ(SMT部品) 59 フレキシブルプリント基板(FPC)用コネクタ、ボードtoボードコネクタ、CPUソケット用コネクタ(メモリーカード用コネクタ等)など
その他の電気・電子部品(SMT部品) 29 LCDバックライト用ボビン、リレーケース、タクトスイッチ、センサーケースなど
AV・OA機器 10 光ピックアップ部品、マイクロモーター(HDD等)など
繊維/フィルム 魚網用ロープ、高周波対応FPC用ベースフィルムなど
合計 100  
出所:富士経済
LCPの用途は表面実装用コネクタが6割を占め、他の用途でもSMTタイプの電子部品が中心である。

コネクタ用途では、表面実装対応のコネクタが鉛フリーハンダに移行している。

光ピックアップ部品のレンズホルダー用途では、PPS樹脂と比較して耐熱性や寸法精度が要求される場合にはLCPが採用されている。

■液晶ポリマーの種類

種類 TDUL(熱変形温度) 備考
I型 280℃以上 一般的に「超高耐熱グレード」と呼ばれている。
1.5 型 260~280℃ I型とII型の中間グレードで、コネクタ向けが中心。
II型 220~260℃ 高剛性・高流動性が必要な用途で採用されている。
III型 220℃未満 「成形性」「流動性」が良好。
LCPは熱変形温度(TDUL)により「I型」「1.5型」「II型」「III型」に分類される。

■液晶ポリマーの材料特性
LCPは流動性(汎用エンプラの2倍以上)、耐熱性、低ガス性、寸法安定性、低ソリ性、低バリ性、誘電性(高周波特性)、ガスバリア性、制振性などに優れた樹脂である。

特に「小型化」「低背化」「高精度化」「薄肉化」「SMT化」「鉛フリーハンダ化(高耐熱化)」「狭ピッチ化」が要求されている表面実装型の電子部品用途で需要が拡大している。

■市場規模推移及び予測(2005~2008年、2010年 世界/国内需要)

単位:t、%
  2005年 2006年見込 2007年予測 2008年予測 2010年予測
世界販売数量 24,200 27,900 31,550 35,400 43,300
前年比 115.3 113.1 112.2
国内販売数量 6,800 7,100 7,350 7,600 8,100
前年比 104.4 103.5 103.4
国内販売比率 28.1 25.4 23.3 21.5 18.7
出所:富士経済
上記販売数量はニートレジン(=ナチュラルグレード)とコンパウンド品として販売した合計値である。(但し、ニートレジンの販売量は微量であり、通常はコンパウンド品として販売されている。)

2005年の液晶ポリマー樹脂の世界販売数量は24,200tで販売金額は339億円である。2010年には606億円(2005年比1.79倍)になると予測している。

■参入企業とメーカーシェア(2005年 世界需要)

メーカー名 販売数量ウェイト(%)
ポリプラスチックス 31
住友化学 26
ティコナ 12
デュポン
その他 22
合 計 100
出所:富士経済
ポリプラスチックス-ティコナグループは世界市場で43%のシェアを占めている。尚、ポリプラスチックスはアジア地域を主体に、ティコナは欧米地域主体に事業領域を分けて展開している。

ポリプラスチックスの「ベクトラ」は、耐熱性の低いグレ-ドから超耐熱グレ-ドまで幅広いグレードを有している。コネクタ、ボビン・リレー、AV・OA機器、繊維・フィルムと多用途展開を行っている。

その他には、新日本石油、東レ、上野製薬、ソルベイ、三菱エンジニアリングプラスチックス、ユニチカ、大日本インキ化学工業、大塚化学などが参入している。

■今後の動向

LCPは流動性と耐熱性が高い樹脂であるため、LCPが採用される部品は「小型」「薄肉」「複雑形状」が要求される用途で需要が増えている。今後は「流動性」「低ソリ性」の向上が求められている。

参考文献:「2006年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略」
(2006年6月5日:富士経済)


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