PCフィルム(光学用)の市場動向

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本稿では、ビスフェノールAを原料とした一般的な汎用PCフィルムの光学グレードと芳香族系PCをベース材料とした光学フィルムを対象とする。通常、光学用PCフィルムは主に液晶ディスプレイの位相差板の基材フィルムに採用されている。

■用途別需要構成 2005年国内販売量+輸出

用途 構成比(%) 具体的用途例
位相差フィルム 87 STN位相差板、半透過パネルなど
タッチパネル、他 13 タッチパネル関連部材、ブルーレイディスク(BD)用カバーレイヤーなど
合計 100  
出所:富士キメラ総研
光学用PCフィルムはLCDの位相差フィルム用途で圧倒的に使用されており、汎用タイプ、芳香族タイプともに採用されている。特にSTN-LCD向けの実績がメインである。

携帯電話などに使用されるカラーSTN位相差板を中心に、中小型TFT(TN モード)やTFT(VA モード)への展開が期待されている。

■PCフィルム(光学用)の材料、技術動向
PCフィルムはPC樹脂の透明性・光学特性、耐熱性、薄肉精度等を活かし、光学フィルムなどの分野で使用されている。

位相差フィルム用途ではPCフィルムが従来から使用されてきたが、現状では日本ゼオンのシクロオレフィンポリマー「ゼオノア」を用いた「ゼオノアフィルム」やJSRの耐熱透明樹脂「アートン」を使用した「アートンフィルム」(非晶性PO 系フィルム)、他にはWVフィルム、NHフィルムなどの競合フィルムが使用されており、LCDのサイズや方式にもよるが厳しい競合関係が形成されている。

■市場規模推移及び予測(2005~2009年 国内需要+輸出)

単位:t、百万円、%
  2005年 2006年見込 2007年予測 2008年予測 2009年予測
販売数量 400 445 510 575 640
前年比 111.3 114.6 112.7 111.3
販売金額 3,300 3,725 4,200 4,650 5,100
前年比 112.9 112.8 110.7 109.7
出所:富士キメラ総研
2005年の光学用PCフィルムの国内販売数量は400t、金額では33億円である。2009年には51億円(2005年比1.55倍)に拡大すると予測される。

光学用PCフィルムはSTN-LCD向け、中小型TFT-LCD(半透過型、透過型)向けの位相差フィルムを中心に採用されている。従ってLCDパネルの需要拡大とともに、当該フィルムも前年比2桁の成長が見込まれる。

■参入企業とメーカーシェア(2005年国内販売量+輸出)

メーカー名 販売数量ウェイト(%)
帝人化成 62
カネカ 30
その他
合 計 100
出所:富士キメラ総研
帝人化成は「ピュアエース」(Bis-A)と「ピュアエースWR」(芳香族系)を展開し首位を獲得している。主力製品であるSTN-LCD位相差フィルム向けの「ピュアエース」は、2005年に約200万㎡の販売実績となった。今後、大型液晶テレビ(VA モード)への展開やBD(ブルーレイディスク)製品のカバーレイヤー(カバーフィルム)向けに注力する意向である。

次いでカネカの光学用透明フィルム「エルメック」が続いている。

その他にはGEプラスチックスの「レキサン」を使用した「ILLUMINEX フィルム」や、バイエルも光学用PC フィルムを扱っている。

■今後の動向

主用途であるLCD位相差フィルム向けはSTN向けが中心であり、VAモード向けについては、他のフィルムとの競合があり、更なる需要拡大は難しい状況にある。

BDのカバー層向けは、2006年を機に大幅な需要拡大が期待されており、今後の展開が注目される。また、タッチパネル向けも、末端機器の需要拡大により成長が期待されている。

参考文献:「2006年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」
(2006年7月18日:富士キメラ総研)


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