PETフィルムの市場動向

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PETフィルムは機械的強度、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、光学特性などが優れた製品である。

2005年の国内PETフィルム市場は25万900トン、1,670億円の販売実績を形成している。主要なプラスチックフィルムの1つである。近年、工業用部材、包装材料、磁気記録テープ用の基材として多方面で利用されている。今後は、FPD向けなどの光学用途を中心に需要が拡大する見通しである。

一方、韓国、台湾で生産された海外製品が国内市場に輸入され、食品包装用途を中心に実績を伸ばしている。

■用途別需要構成 2005年 国内販売量

用途 構成比(%) 具体的用途例
工業用 71 FPDの構成部材、コンデンサ、レジストベースなど
包装用 26 食品包装、シールラミネートなど
磁気テープ用 ビデオテープ、情報記憶媒体など
合計 100  
出所:富士キメラ総研
FPD用の部材やコンデンサなど工業分野の需要が極めて高い。

工業用途の需要がボリュームゾーンになっているのは世界市場でも同様の傾向である。そのため、工業用グレードは品薄感が広がっており、フィルムメーカーは包装用の生産ラインを工業用に切替えて供給量不足をカバーしている。

■市場規模推移及び予測(2005~2009年 国内需要)

単位:t、百万円、%
  2005年 2006年見込 2007年予測 2008年予測 2009年予測
販売数量 250,900 263,300 269,200 278,500 285,000
前年比 104.9 102.2 103.5 102.3
販売金額 167,000 178,000 182,000 188,000 191,000
前年比 106.6 102.2 103.3 101.6
出所:富士キメラ総研
2005年のPETフィルムの国内販売数量は25万900t、金額では1,670億円である。2009年には1,910億円(2005年比1.14倍)に拡大すると予測される。

特に工業用途は新規需要開拓先として、各メーカーが注力している分野であり、FPDなどの最終アセンブル製品の需要が拡大していることから、工業用の需要は今後も高い伸びが見込まれる。

■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 技術概要
東レ 太陽電池裏面封止用フィルムの開発  太陽電池の構造は、高い光線透過率を有する基材(ガラス、フィルムなど)を表面に置き、シリコン系等の太陽電池モジュールに電気を取り出すリード線を付与し、EVA樹脂などの充填ポリマーで固定されている。
 太陽電池モジュールは屋外で長期間使用されるため、光起電力素子や被覆材には高度の耐候性、耐熱性が要求される。
 しかし屋外に10年以上設置した場合、被覆材の光劣化や熱劣化は避けることができない。封止材樹脂の黄変や各部材間で剥離し易くなる。また、封止材樹脂の黄変は入射光量の減少を招き、電気の出力が低下する。
 各部材間の剥離は、剥離部分への水分の侵入による光起電力素子に付帯する金属部材の腐食を招き、太陽電池性能の低下につながる。
 例えば、太陽電池パネルを屋根などに設置した場合、太陽電池裏面封止用フィルムに厚み方向に応力がかかり、複合化した各部材間が剥離し易くなる。
 そこで同社は、光電変換効率が有利で反射率が高く、層間剥離がない太陽電池封止用積層シートを用いた「太陽電池裏面の封止用フィルム」の研究開発を行い、太陽電池の耐久性を向上させる技術を開発している。
 ここで使用されている封止用フィルムは、基材層とスキン層から構成された複合フィルムであり、2層ともPETフィルムが採用されている。

■参入企業とメーカーシェア(2005年 国内需要)

メーカー名 販売数量ウェイト(%)
東レ 32
帝人デュポンフィルム 22
三菱化学ポリエステルフィルム 20
東洋紡績 18
その他
合 計 100
出所:富士キメラ総研
東レ、帝人・デュポンフィルム、三菱化学ポリエステルフィルムの3社は20%以上のシェアを有しており、市場をリードしている。

これらの3メーカーは日本以外にも欧米、アジアに生産拠点を置くPETフィルムの中核企業である。3社を合計した世界シェアは70%近くを占める。参入メーカーは世界的な需要拡大に対応し増産体制の整備を進めている。

■今後の動向

PETフィルムは工業用途(LCD、携帯電話など)の需要が拡大傾向にあるため、参入各社は生産能力の増強や光学用途を中心とした新規需要の開拓を積極的に推進している。また研究開発活動も活発化している。

参考文献:「2006年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」
(2006年7月18日:富士キメラ総研)


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