PEEKフィルムの市場動向

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PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)は熱可塑性樹脂フィルムの中では極めて高いレベルの耐熱性を持っている。また耐摩耗性、摺動性にも優れており機械的特性を活かした用途開拓が期待される。

■用途別需要構成 2005年 国内販売数量ベース

用途 構成比(%) 具体的用途例
絶縁材料 88 小型モータ用スラスト軸受け、TABスペーステープ、コンデンサ、トランスなど
プリント基板 12 高密度多層プリント基板用絶縁材料など
合計 100  
出所:富士キメラ総研
当該製品は耐摩耗性や摺動性が極めて良好であり、その特性を活かしてコンデンサ、トランスなどの絶縁材料として使用され需要は安定している。

■市場規模推移及び予測(2005~2009年 国内需要)

単位:t、百万円、%
  2005年 2006年見込 2007年予測 2008年予測 2009年予測
販売数量 8.5 8.5
前年比 100.0 106.3 100.0 105.9
販売金額 255 255 270 270 285
前年比 100.0 105.9 100.0 105.6
出所:富士キメラ総研
2005年のPEEKフィルムの国内販売数量は8t、金額では2.55億円である。2009年には2.85億円(2005年比1.12倍)になると予測される。

■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 技術概要
三菱樹脂

※すでにお取り扱いは終了しておりますので、お問い合わせはご遠慮ください。
成形性と高出力時の耐久性に優れた音響用振動板に適したフィルムを開発  ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂製のフィルムを使用したスピーカー振動板は以前から開発されてきた。PEEKフィルムの選定理由は弾性率が30t/cm2(約3,000MPa)と数値が高く高音再生が優れているためである。
 そこで同社は、成形性と高出力時の耐久性に優れた音響用振動板に適したフィルムの開発を開始した。
 同社が開発している音響用振動板のフィルム原料は、ポリフェニルサルホン(PPSU)樹脂と結晶性樹脂(PEEK樹脂)を主成分とした樹脂が開発された。
 PEEK樹脂はPPSU樹脂との混合性(相溶性)や成形加工温度域が近く、耐熱性や力学特性に優れていることから採用された。
 また、PEEK樹脂はフィルムの製膜加工性、振動板の加工性、耐熱性、音響特性、高出力時の耐久性なども良好である。
 同フィルムの製膜方法は、押出キャスト法、カレンダー法、流延法などが挙げられるが、フィルムの生産性などの面からTダイを用いた押出キャスト法が適している。
 同フィルムの厚さは40μm以下で、振動板の大きさは最大径が5~25mm程度が良好である。また引張弾性率は1,000MPa~2,500MPaである。
 引張弾性率が比較的低いため、特に小型の音響用振動板に用いた場合、低音域の再生が確保され音質が向上する。また、スピーカー振動板に使用した場合は、高出力時の耐久性を高めることができる。
 例えば携帯電話に応用した場合、汎用機種は0.3W程度に対して、高出力機種では0.6~1.0Wの高出力レベルに対応が可能である。
 同社が開発したフィルムは、携帯電話など小型電子機器のスピーカー振動板に適している。特に成形性と高出力時の耐久性が優れている。

■参入企業とメーカーシェア(2005年 国内需要)

メーカー名 販売数量ウェイト(%)
住友ベークライト 88
三菱樹脂※ 12
合 計 100
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出所:富士キメラ総研
「スミライトFSシリーズ」を扱っている住友ベークライトの販売実績が極めて多い。主に電子部品関連の絶縁材料として供給しているが用途の広がりがないことから、需要量の伸びは少ないと推測される。

三菱樹脂は高密度多層プリント基板用絶縁材料として展開している。同社のPEEKフィルムは次世代高性能一括多層プリント配線板用の絶縁材料に使用されている。

■今後の動向

PEEKフィルムは絶縁材料分野の用途拡大が遅れている面がある。今後は次世代基板材料として需要拡大が期待される。

参考文献:「2006年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」
(2006年7月18日:富士キメラ総研)


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