LCPフィルムの市場動向

マーケット情報TOP
LCPフィルムは電気特性やガスバリア性が優れている。またPIフィルムと比較すると吸収率が低く吸湿膨張係数が小さい。プリント基板用途では接着剤を使わずに2層構造の銅張積層板の製造が可能である。

■用途別需要構成 2005年 国内販売数量(重量)ベース

用途 構成比(%) 具体的用途例
FPC補強板 60 フレキシブルプリント配線板の補強材料
プリント基板用 36 高周波基板(FPC、リジット)など
その他 絶縁テープ、カバーフィルムなど
合計 100  
出所:富士キメラ総研
LCPフィルムの需要量が最も多いのはFPCの補強板用途である。

FPC補強板用途は175μm以上の厚さの需要が多いのに対して、プリント基板向けは25μm、50μmと薄いため、補強板の構成比が高くなっている。

プリント基板用途ではFPC向けが中心であるがリジット基板にも供給されている。どちらも高周波特性が求められる用途で採用されている。

■市場規模推移及び予測(2005~2009年 国内需要)

単位:t、百万円、%
  2005年 2006年見込 2007年予測 2008年予測 2009年予測
販売数量 50 65 82 103 130
前年比 130.0 126.2 125.6 126.2
販売金額 870 1,070 1,270 1,550 1,890
前年比 123.0 118.7 122.0 121.9
出所:富士キメラ総研
2005年のLCPフィルムの国内販売数量は50tで、金額では8億7,000万円である。2009年は18億9,000万円(2005年比2.17倍)と予測される。

LCPフィルムはFPC補強板やプリント基板などの用途で需要が拡大しており、販売数量では2006年以降、前年比25~30増の高い伸び率で成長が見込まれる。

近年は、高周波特性を必要とするアプリケーションにおいてLCPフィルムの需要が徐々に増えている。

ユビキタス社会が到来する機運が高まる中、高周波特性に応えられるフィルムのニーズが上昇し、今後はLCPフィルムの高成長が期待される。

■参入企業とメーカーシェア(2005年 国内需要)

メーカー名 販売数量ウェイト(%)
ジャパンゴアテックス 60
クラレ 40
合 計 100
出所:富士キメラ総研
LCPフィルムメーカーはジャパンゴアテックスとクラレが参入している。

販売数量(重量)ベースではジャパンゴアテックスが首位であるが、販売面積ではクラレのシェアの方が多くなり逆転している。主力グレードやフィルムの供給体制において両社の展開が異なっている。

ジャパンゴアテックスは厚物製品の販売が得意である。最大500μmまで製造が可能であり、2006年は175μm以上の厚物製品に特化し、FPC補強板向けを中心に事業を展開している。

■今後の動向

アプリケーション市場の需要拡大に伴い、LCPフィルムの諸特性を活かしながら着実に実績の拡大が期待できる製品である。

またLCPフィルムはPIフィルムの需要を代替しながら、プリント基板用途では高周波対応製品の増加などを背景に今後も市場の拡大が見込まれる。

参考文献:「2006年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」
(2006年7月18日:富士キメラ総研)


戻る