ポリカーボネート(PC)樹脂の市場動向

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■自動車分野におけるケミカル材料の特徴
ポリカーボネート(PC)樹脂は高い透明性を有し、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性、電気的特性、難燃性などが優れている。物性のバランスが良いため汎用エンプラとして幅広く利用されている。

特に自動車分野の需要は、自動車を更に軽量化するためにガラス製ヘッドランプをPCに代替することにより世界市場では1,000億円(2005年)の規模を超えている。将来的には、リアウィンドウなどの用途でガラス代替が注目される。

■用途別需要構成 2005年国内販売数量

用途 構成比(%) 具体的用途例
電装部品 63 ヘッドランプ用レンズなど
外装部品 17 ドアハンドルなど
内装部品、その他 20 メーターパネルなど
合計 100  
出所:富士キメラ総研
自動車用PC樹脂の最大の用途は、ヘッドランプ用のレンズに供給されているなど電装部品用途が63%を占める。

自動車本体のモデルチェンジに伴いランプのデザインが変化している。また国内ではランプのサイズが大型化している。そのためヘッドランプ向けの樹脂の使用量は増加傾向にある。また、ヘッドランプ用レンズには耐候性グレードのPCが採用されている。

■市場規模推移及び予測(2005~2009年世界需要)

(単位:t、%)
年次 2005 2006見込 2007予測 2008予測 2009予測
国内販売数量 29,500 30,300 31,000 31,500 32,000
前年比 102.7 102.3 101.6 101.6
海外販売数量 160,000 168,000 177,000 185,000 192,000
前年比 105.0 105.4 104.5 103.8
合計 189,500 189,300 208,000 216,500 224,000
前年比 104.6 104.9 104.1 103.5
出所:富士キメラ総研
PCの販売重量は自動車生産台数(乗用車を中心に推定)を基に、1台当たりの樹脂使用量を3㎏強と設定しPCの需要量を推定した。

2005年の自動車用ポリカーボネート樹脂の世界販売数量は18万9,500t、金額では1,090億円である。2009年には1,283億円(2005年比1.18倍)に拡大すると予測される。国内と海外との販売構成比(2005年)は16対84となり圧倒的に海外需要が上回っている。

■参入企業とメーカーシェア(2005年国内需要)

メーカー名 販売量ウェイト(%)
帝人化成 37
三菱エンジニアリングプラスチックス 32
日本ジーイープラスチックス 29
その他
合計 100
出所:富士キメラ総研
国内の自動車用途では、帝人化成、三菱エンプラ、日本GEプラの3社が9割以上を供給している。

■今後の動向
PCはこれまで車体重量軽量化の観点から、ヘッドランプを主体にガラス素材の代替に貢献してきた。今後、軽量化の余地が残されているのは窓ガラスやボディなどである。

窓ガラスを軽量化する材料としてPCが以前から注目されてきた。特に欧州が先行しており、日本では材料技術の向上に伴い、将来的には大型用途で樹脂化の確立が僅かながら現実味を帯びている。コスト低減が特に大きな障壁となっている。

参考文献:「2006 自動車用ケミカル材料の現状と将来展望」
(2006年3月27日:富士キメラ総研)


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