■プラズマテレビの製品概要 |
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プラズマテレビは、セル内部に特殊ガスを充填し、電圧をかけて蛍光体を発光させる原理が採用されている。色再現性や動画表示が優れている。本稿ではプラズマディスプレイパネルを使用したテレビを対象としモニターは対象外とする。
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液晶テレビとの価格差が縮まる中で、プラズマテレビは50インチ、60インチ製品の市場投入や100インチ製品が開発されるなど大型化が進んでいる。
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■プラズマテレビの市場規模推移(2006~2010年予測、世界生産数量) |
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年次 |
2006年 |
2007年見込 |
2008年予測 |
2009年予測 |
2010年予測 |
世界生産数量 |
9,500 |
14,000 |
20,000 |
25,000 |
30,000 |
前年比 |
― |
147.4 |
142.9 |
125.0 |
120.0 |
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2007年の国内市場においては、松下電器産業や日立製作所の設備投資は旺盛である。2006年の国内需要は60万台であり、生産数量は110万台である。(但し、国内工場で半完成品の状態で出荷した後に、海外の組立工場で完成品となる製品は対象外とする)
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■使用材料別需要構成 |
使用材料 |
構成比 |
需要傾向 |
金属 |
44% |
横ばい |
樹脂 |
14% |
横ばい |
その他 |
42% |
横ばい |
合計 |
100% |
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鉄、銅、アルミなどの金属材料の需要構成比は44%である。金属材料から樹脂への代替は見られない。
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樹脂材料としては、キャビネットに使用されているPC/ABS、m-PPEの需要が多い。
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● |
ガラス、プリント基板などその他の構成材料は42%を占める。
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■プラズマテレビ向けエンプラ・汎用樹脂の販売数量(2006年世界需要) |
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汎用樹脂 |
エンプラ |
合計 |
世界販売数量 |
4,300 |
25,900 |
30,200 |
構成比 |
14.2 |
85.8 |
100.0 |
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プラズマテレビ用途では圧倒的にエンプラの販売数量が多い。主にキャビネット向けに供給されている。
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■エンプラ・汎用樹脂の種類別販売構成比(2006年世界需要) |
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樹脂名 |
PS |
PE |
PP |
PVC |
ABS |
PMMA |
合計 |
販売量構成比 |
23 |
0 |
0 |
9 |
68 |
0 |
100 |
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汎用樹脂のうち、プラズマテレビに採用される樹脂はABS、 PS、PVCが挙げられるが、販売数量ではどの樹脂も少ない。
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プラズマテレビは耐熱要求が高く、キャビネットに採用される樹脂の中ではエンプラが多く使用されている。
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樹脂名 |
PC |
PA |
POM |
m-PPE |
PBT |
PPS |
LCP |
合計 |
販売量構成比 |
55 |
0 |
0 |
44 |
1 |
0 |
0 |
100 |
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キャビネットに採用されているPC/ABS(アロイ製品)やm-PPEの販売比率が高くなっている。
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コネクタ向けにはPBTが採用されている。プラズマテレビにおいては部品点数が少ないため、採用されているエンプラの種類は極めて少ない。
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■今後の動向 |
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プラズマテレビは、50インチの製品を中心に米国および欧州で需要が拡大している。従って、今後は欧米市場向けの製品に対するエンプラの供給が重視されてくる。
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参考文献:「2007年 エレクトロニクス製品樹脂材料の世界市場」 (2007年5月23日:富士経済)
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