■ノートパソコンの製品概要 |
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パソコンはデスクトップ型とノートブック型に分類されるが、本稿では液晶表示画面が組み込まれているノート(ブック型)パソコンを対象とする。
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ノートパソコンは持ち運び可能なタイプであり、ハード/ソフト面ともに高機能化が進んでいる。その他にはデザイン性やブランド力などの要素が重要になっている。
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■ノートパソコンの市場規模推移(2006~2010年予測、世界生産数量) |
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年次 |
2006年 |
2007年見込 |
2008年予測 |
2009年予測 |
2010年予測 |
世界生産数量 |
75,000 |
90,000 |
104,000 |
120,000 |
138,000 |
前年比 |
― |
120.0 |
115.6 |
115.4 |
115.0 |
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2006年におけるノートパソコンの世界生産数量は7,500万台である。同製品は世界的な需要拡大を背景に、2007年以降、数量ベースで前年比15~20%増の伸長率で市場拡大が予測される。
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日本国内の生産では富士通、松下電器産業、シャープが行っている。今後、国内の生産量は横ばいで推移すると予想される。現状では、日系メーカーや外資系企業による海外生産が圧倒的に多くなっている。
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■使用材料別需要構成 |
使用材料 |
構成比 |
需要傾向 |
金属 |
48% |
減少 |
樹脂 |
35% |
減少 |
その他 |
17% |
減少 |
合計 |
100% |
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樹脂材料が全体の35%を占めている。ノートパソコンは、薄型化、軽量化する方向で製品開発が進められている。いずれの材料も機能性を維持しながら更に軽量化が進んでいる。
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■ノートパソコン向けエンプラ・汎用樹脂の販売数量(2006年世界需要) |
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汎用樹脂 |
エンプラ |
合計 |
世界販売数量 |
7,900 |
31,500 |
39,400 |
構成比 |
20.1 |
79.9 |
100.0 |
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ノートパソコンの用途では汎用樹脂が2割を占め、圧倒的にエンプラの販売数量が多く、主にハウジング、液晶フレームなどに供給されている。
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■エンプラ・汎用樹脂の種類別販売構成比(2006年世界需要) |
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樹脂名 |
PS |
PE |
PP |
PVC |
ABS |
PMMA |
合計 |
販売量構成比 |
0 |
0 |
0 |
0 |
5 |
95 |
100 |
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汎用樹脂の中ではPMMAの構成比が極めて多くなっており、主に導光板や拡散板に採用されている。ノートパソコンにはPS、PE、PP、PVCという汎用樹脂の採用はみられない。
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樹脂名 |
PC |
PA |
POM |
m-PPE |
PBT |
PPS |
LCP |
合計 |
販売量構成比 |
71 |
1 |
7 |
12 |
5 |
1 |
3 |
100 |
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エンプラでは、PC樹脂の構成比が最も多く、ハウジング、液晶フレーム、導光板、拡散板などに採用されている。また、ディスクドライブシャーシ用途に使用されているm-PPEの割合が高くなっている。
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PPS、LCPといったスーパーエンプラの構成比は小さいが、耐熱性や寸法精度などが必要な光ピックアップアクチュエータ、バックライトボビン、コネクタなどに採用されている。
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■今後の動向 |
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日本、中国、台湾、韓国で生産されているノートパソコンの導光板・拡散板にはPMMAが採用されている。近年は特に中国での需要拡大が顕著である。また、ハウジングなどに採用されているPC樹脂は、中国で需要が多くなっている。この傾向は今後も続いていくと予想される。
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参考文献:「2007年 エレクトロニクス製品樹脂材料の世界市場」 (2007年5月23日:富士経済)
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