デジタルスチルカメラ向け樹脂材料の市場動向

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■デジタルスチルカメラの製品概要
デジタルスチルカメラ(DSC)は、データをデジタルで記録し、データの加工や伝達などが容易であるなど、パソコンの普及とともに急速に需要が拡大してきた製品である。またDPE店によるデジタルカメラ画像のプリントサービスの普及が、市場拡大の追い風になっている。

DSCはコンパクト型デジタルカメラとデジタル一眼レフカメラを対象とする。

■デジタルスチルカメラの市場規模推移(2006~2010年予測、世界生産数量)

単位:千台、%
年次 2006年 2007年見込 2008年予測 2009年予測 2010年予測
世界生産数量 87,000 96,000 106,000 113,000 121,000
前年比 110.3 110.4 106.6 107.1
出所:富士経済
2006年におけるデジタルスチルカメラの世界生産数量は8,700万台である。2010年には1億2,100万台に拡大すると予測される。

DSCの生産は日系メーカーではキヤノン、ソニー、ニコン、富士フイルムなどが行っており、その生産量は6.600万台(構成比は75.9%)である。一方、海外メーカーの生産量は2,100万台(同24.1%)であり、主な参入企業はコダックなどが挙げられる。

■使用材料別需要構成

使用材料 構成比 需要傾向
金属 34% 減少
樹脂 48% 減少
その他 18% 減少
合計 100%  
出所:富士経済

※需要構成ではコンパクト型デジタルカメラを対象とした。

コンパクト型デジタルカメラの代表的な製品重量は約300gであり、そのうち48%が樹脂材料である。

デジタル一眼レフカメラの場合は700~800gで、そのうち樹脂材料は57%と推定される。デジタル一眼レフカメラの方が軽量化に注力しているため樹脂の採用比率が高い。

デジタルスチルカメラの小型化、軽量化は常に行われており、採用される材料はいずれも数量的には減少傾向にある。

■デジタルスチルカメラ向けエンプラ・汎用樹脂の販売数量(2006年世界需要)

単位:t、%
  汎用樹脂 エンプラ 合計
世界販売数量 1,780 11,960 13,740
構成比 13.0 87.0 100.0
出所:富士経済
デジタルスチルカメラに使用されている汎用樹脂は1割強、エンプラは9割弱である。エンプラが圧倒的に多く利用されている。

■エンプラ・汎用樹脂の種類別販売構成比(2006年世界需要)

【汎用樹脂】 単位:%
樹脂名 PS PE PP PVC ABS PMMA 合計
販売量構成比 73 25 100
出所:富士経済
汎用樹脂は、低価格のデジタルスチルカメラの筺体に使用されている。採用されている樹脂はABSの比率が高い。

PS、PMMAは液晶表示用の導光板・拡散板、レンズカバーに採用されているが、部品サイズが小型であるため、需要量は小さい。

【エンプラ】 単位:%
樹脂名 PC PA POM m-PPE PBT PPS LCP 合計
販売量構成比 98 100
出所:同上
エンプラの使用部位は、筐体、鏡筒、液晶フレーム、導光板、拡散板などが挙げられる。デジタルスチルカメラ向けにはPC樹脂が圧倒的に使用されている。

■今後の動向
デジタルスチルカメラは、日本国内での生産比率が高く輸出量の多い製品である。近年、DSCの生産拠点は海外にシフトしている。その動きに連動してDSC向けの部品メーカーも海外生産に移行している。これら生産拠点の海外シフトに伴い、汎用樹脂やエンプラ需要は中国、ASEANでの拡大が予想される。

参考文献:「2007年 エレクトロニクス製品樹脂材料の世界市場」
(2007年5月23日:富士経済)


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