家庭用エアコン向け樹脂材料の市場動向

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■家庭用エアコンの製品概要
家庭用エアコンは壁掛型や窓型に分類される。その他、欧米や中国ではパッケージエアコン、ハウジングエアコン、コーナーエアコンが普及している。但し、本稿ではパッケージエアコン、ハウジングエアコンなどの業務用エアコンは対象外とする。

家庭用エアコンは室内機と室外機を組合わせたセパレート型(壁掛型)が一般的である。室内機には蒸発器が内蔵されており、室外機には圧縮機(コンプレッサー)や凝縮器が搭載されている。窓型は蒸発器、圧縮機、凝縮器を内蔵した室内機のみで構成される一体型である。

■家庭用エアコンの市場規模推移(2006~2010年予測、世界生産数量)

単位:千台、%
年次 2006年 2007年見込 2008年予測 2009年予測 2010年予測
世界生産数量 80,700 82,600 84,800 87,000 89,000
前年比 102.4 102.7 102.6 102.3
出所:富士経済
2006年における家庭用エアコンの世界生産数量は8,070万台(国内生産量が500万台、海外生産量が7,570 万台)である。2010年には8,900万台に拡大すると予測される。

家庭用エアコンの生産は、日系メーカーでは松下電器産業、ダイキン工業、富士通ゼネラル、三菱電機などが行っており、日系メーカーの生産量構成比は24%である。一方、海外メーカーの同構成比は76%であり、主な参入企業は韓国のLG El.、中国のグリー(Gree:格力)、メディア(Midea:美的)、ハイアール(Haier:海爾)などが挙げられる。

■使用材料別需要構成

使用材料 構成比 需要傾向
金属 75% 増加
樹脂 18% 増加
その他 7% 増加
合計 100%  
出所:富士経済

※需要構成では主に8畳~10畳用の機種を対象とする。

ハウジングなどに用いられている樹脂材料はPSやABSの使用量が増加している。

配線被覆用のPVCは、環境規制に対応するため使用量が減少している。

省エネ性能を向上するため熱交換器が大型化しており、アルミニウムや銅(熱交換器や冷媒の配管などに採用)の使用量が増加傾向にある。

■家庭用エアコン向けエンプラ・汎用樹脂の販売数量(2006年世界需要)

単位:t、%
  汎用樹脂 エンプラ 合計
世界販売数量 667,480 10,400 677,880
構成比 98.5 1.5 100.0
出所:富士経済
家庭用エアコンに使用されている樹脂材料のほとんどが汎用樹脂である。エンプラの販売数量は極めて少ない。

■エンプラ・汎用樹脂の種類別販売構成比(2006年世界需要)

【汎用樹脂】 単位:%
樹脂名 PS PE PP PVC ABS PMMA その他 合計
販売量構成比 39 17 14 僅少 20 100
出所:富士経済
海外市場において、中国のMidea やHaier などのローカルメーカーは、主に、低価格エアコンを市場投入している。そのためエアコン価格が下落傾向にある。従って、ハウジングや筐体部品などには比較的安価な汎用樹脂が多く用いられている。

また使用樹脂の多くは汎用グレード品であり、高機能グレードの需要量は少ない。

【エンプラ】 単位:%
樹脂名 PC PA POM m-PPE PBT PPS LCP その他 合計
販売量構成比 10 23 54 100
出所:同上
ギアやカムをはじめとする摺動部品にはPOMが多く使用されている。

m-PPEは比較的大型の構造部品などに使用されており、エンプラの中では使用量が最も多い。

コネクタ、スイッチ、リレーなどにはPA、PBT、PPSが使用され、耐熱性、成形性、生産コストの観点から使い分けられている。

■今後の動向
日本、米国では家庭用エアコンの普及率が高く成熟市場に近づいている。一方、欧州は日本や米国と比較してエアコンの普及率が低く、今後、需要拡大が見込まれるエリアである。また中国も建設ラッシュを背景にエアコンの需要拡大が見込まれる。

エアコン生産台数の増加(微増)を背景に、各生産地域(中国やASEANなど)における汎用樹脂の需要は微増推移が予測される。

参考文献:「2007年 エレクトロニクス製品樹脂材料の世界市場」
(2007年5月23日:富士経済)


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