■食器洗い乾燥機の製品概要 |
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家庭用の食器洗い乾燥機(及び食器洗浄機)には「ビルトイン型」と「据え置き型」がある。
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食器洗い乾燥機のうち、ビルトイン型はシステムキッチンの流し台の下に最初から設置されているタイプであり、欧米では主流である。また据え置き型は後から設置するタイプであり、スリム型や出窓に設置したり、流し台の上に設置できる。
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■食器洗い乾燥機の市場規模推移(2006~2010年予測、世界生産数量) |
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年次 |
2006年 |
2007年見込 |
2008年予測 |
2009年予測 |
2010年予測 |
世界生産数量 |
17,500 |
18,700 |
20,000 |
21,500 |
23,000 |
前年比 |
― |
106.9 |
107.0 |
107.5 |
107.0 |
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2006年における食器洗い乾燥機の世界生産数量は1,750万台(国内生産量が81万台、海外生産量が1,669万台)である。2010年には2,300万台に拡大すると予測される。
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食器洗い乾燥機の生産は、日系メーカーでは松下電器産業、東芝、日立製作所、三洋電機などが行っており、日系メーカーの生産量構成比は5%である。一方、海外メーカーの同構成比は95%であり、主な参入企業は米国のWHIRLPOOL(ワールプール)、スウェーデンに本社を置くELECTROLUX(エレクトロラックス)、GENERAL ELECTRIC(米国)などが挙げられる。
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■使用材料別需要構成 |
使用材料 |
構成比 |
需要傾向 |
金属 |
32% |
減少 |
樹脂 |
52% |
増加 |
その他 |
16% |
横ばい |
合計 |
100% |
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需要構成では樹脂材料の使用量が最も多い。汎用樹脂ではPP、PS、PVC、ABS、エンプラではPA、POM、PBTが使用されている。
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金属材料ではスチールや合金鉄(ステンレスを含む)を対象とし、銅、銅合金、アルミニウムは対象外とする。
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その他にはガラスなどが含まれている。
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■食器洗い乾燥機向けエンプラ・汎用樹脂の販売数量(2006年世界需要) |
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汎用樹脂 |
エンプラ |
合計 |
世界販売数量 |
196,900 |
1,180 |
198,080 |
構成比 |
99.4 |
0.6 |
100.0 |
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食器洗い乾燥機に使用されている樹脂材料のほとんどは汎用樹脂である。エンプラの販売数量は極めて少ない。
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■エンプラ・汎用樹脂の種類別販売構成比(2006年世界需要) |
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樹脂名 |
PS |
PE |
PP |
PVC |
ABS |
PMMA |
合計 |
販売量構成比 |
16 |
0 |
78 |
4 |
2 |
0 |
100 |
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汎用樹脂では、PPやPSはハウジングに使用され、PSは据え置き型のフタやハウジングに一部使用されている。
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欧米ではビルトイン型が増加傾向にあり、日本ではビルトイン型のほか据え置き型も増加傾向にある中で、内装部品などにPPやPS樹脂が使用され、今後、需要増加が予想される。
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樹脂名 |
PC |
PA |
POM |
m-PPE |
PBT |
PPS |
LCP |
合計 |
販売量構成比 |
0 |
23 |
46 |
0 |
31 |
0 |
0 |
100 |
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エンプラではPOM、PBT、PAの販売比率が高い。PAは電源用のスイッチやコネクタに使用され、PBTはモーターインシュレータ(振動や音を低減する遮音材)などに使用されている。
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■今後の動向 |
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ワールドワイドで捉えた場合、欧州と北米が食器洗い乾燥機の最大の需要地域である。
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中国や東欧ではビルトイン型を中心に、生産数量が増加する中で、今後はPPやPS、PVCなどの汎用樹脂の需要拡大が予測される。また、東欧諸国では生活水準の向上が続いており、食器洗い乾燥機の高機能化/高付加価値化に対応し、一部の部品においては機能性が要求され、PA、POM、PBTなどエンプラの需要増が予想される。
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参考文献:「2007年 エレクトロニクス製品樹脂材料の世界市場」 (2007年5月23日:富士経済)
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