換気設備の市場動向

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機械換気設備は構造的に分類すると熱交換型と非熱交換型がある。熱交換型は給気/排気ともに機械ファンを使用する。熱交換機を使うため、外気導入時の熱ロスを防止し湿度調整が可能である。

非熱交換型は、排気のみを機械換気で行う局所換気や個別換気に適した設備である。熱交換は行わない。

また、換気設備は、天井裏などに換気システムを配置して各居室にダクトを這わせるダクトタイプ、給気用/排気用のパイプファンを各居室やトイレ等に設置するダクトレスタイプ、部位ごとに換気を行う個別換気タイプなどの種類がある。

■換気設備における材料特性
一般的な換気扇は、パイプの室内側の開口位置に、開口部にそって環状に配設されたフレームを備えている。このフレームは非難燃性樹脂(ABS、PP、PS)などで一体成形されている。

換気扇の構成部品は、例えば、回転することで通風路内の空気を流通させる羽根や、羽根を駆動する電動機、通風路を開閉するシャッター装置、同シャッター装置を駆動するソレノイドなどから組立てられている。

ソレノイドは非常に高温になるので、従来から換気扇のベースとなるフレームやソレノイドのケースは、難燃性樹脂(PBT)等が使用されている。

■換気設備の市場規模推移(2007~2009、2011年 国内需要)
【販売数量】
市場規模推移及び予測 単位:千台、%
タイプ\年次 2007年 2008年見込 2009年予測 2011年予測
非熱交換型 7,400 7,700 7,700 7,700
前年比 104.1 100.0
熱交換型 350 360 360 350
前年比 102.9 100.0
合計 7,750 8,060 8,060 8,050
前年比 104.0 100.0
出所:富士経済
2008年の換気設備(非熱交換型+熱交換型)の国内販売数量は806万台(前年比104.0%)、販売金額は1,246億円(同103.8%)と見込まれる。

2011年には数量で805万台(2007年比103.9%)と拡大し、金額では1,234億円(同102.8%)と予測される。

換気設備市場は、新築需要が中心であるため、基本的には新設住宅着工戸数に連動する。

非熱交換型換気設備は、トイレや浴室など局所的に採用されることが多く、一戸あたりの採用数も多くなりやすい。

一方の熱交換型は、外気を室温に近づけて給気するため、換気しても室温はほぼ一定で冷暖房コストの節約にも繋がるメリットがあるが、イニシャルコストの高さがネックとなり伸び悩みが続いている。

■技術開発動向
換気設備の商品開発トレンドとしては、省エネ化、換気風量の向上、コンパクト化、インテリア性、清掃性の向上などが挙げられる。

近年は新設住宅着工戸数が減少する中で、基本的には高付加価値商品の開発が活発化している。特に居室や洗面所、トイレなどの換気に使用するパイプ用ファンが主力商品として強化されている。

企業名 商品開発概要
三菱電機 ●同社は、世界最小サイズのモータ「MINIMO(ミニモ)」を搭載し、居室や洗面所、トイレの換気に使用する「MINIMO搭載パイプファン」開発した。
●従来のパイプファンでは、モータが換気風路をふさぐ部分の割合は、風路断面積の約56%を占めていたのに対し、MINIMO搭載製品はその割合を約28%に縮小した。
●従って、同社の標準用パイプファンでは、同モータの開発により空気抵抗を受けない風路面積が1.6倍に拡大した。そのため、換気風量は約25%増加し約22%の省エネを実現している。

■参入企業とメーカーシェア(2007年 国内需要)
【非熱交換型】
メーカー名 販売数量シェア(%)
三菱電機 38
松下エコシステムズ 34
東芝キヤリア 14
その他 14
合計 100
出所:富士経済
非熱交換型市場において、近年のシェア構造は大きな変化はなく、三菱電機、松下エコシステムズ、東芝キヤリアの3社が高いシェアを維持している。

三菱電機は、市場が伸び悩む中で高付加価値商品の販売実績を伸ばし、平均単価を上げることを基本戦略としている。2006~2007年は世界最小のコンデンサモータ「MINIMO(ミニモ)」を搭載したパイプファンの新製品で販売攻勢をかけている。

■今後の動向
近年は、住宅内の広さだけを見て「必要な換気量さえ確保できれば良い」とし、価格のみを重視した安易な設置が増えている。充分な換気を実現するには住宅ごとに最適な換気システムを提案する必要がある。

今後は提案型販売体制の構築や熱交換型など高付加価値製品の販売拡大策が必要となっている。

参考文献:「2008年版 住設建材マーケティング便覧」
(2008年1月25日:富士経済)


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