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ルームエアコンは、壁掛け型、ハウジング型(埋込型)、マルチ型に分類される。
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壁掛け型は後付け工事が比較的容易な製品である。ハウジング型は内装デザインの要求が高い場合に採用され、マルチ型(1台の室外機で2台以上の室内機を接続可能)は室外機設置スペースが小さい物件でメリットを発揮する。
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■ルームエアコンおける材料特性 |
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エアコン室内機/室外機のハウジングには、主にPS、ABS樹脂などが採用されている。
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エンプラについては、ギアやカムなどの摺動部品にPOM樹脂が多く使用され、比較的大型の構造部品にはm-PPE樹脂、コネクタ、スイッチなどにはPA、PBT、PPS樹脂が使用されている。
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■ルームエアコンの市場規模推移(2007~2009、2011年 国内需要) |
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タイプ\年次 |
2007年 |
2008年見込 |
2009年予測 |
2011年予測 |
壁掛け型 |
7,300 |
7,300 |
7,100 |
7,100 |
前年比 |
― |
100.0 |
97.3 |
― |
ハウジング型、マルチ型 |
200 |
210 |
210 |
210 |
前年比 |
― |
105.0 |
100.0 |
― |
合計 |
7,500 |
7,510 |
7,410 |
7,310 |
前年比 |
― |
100.1 |
98.7 |
― |
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2008年のルームエアコン(壁掛け型+ハウジング型、マルチ型)の国内販売数量は751万台(前年比100.1%)、販売金額は6,798億円(同100.3%)と見込まれる。
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2011年には数量で731万台(2007年比97.5%)と減少し、金額では6,568億円(同96.9%)と予測される。
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タイプ別には壁掛け型が圧倒的に多く、2007年(数量ベース)では97.3%を占めている。
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ハウジング型は、室内機を天井や壁に埋め込むため、大規模な工事が必要となるため新築戸建住宅向けの需要が中心である。
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■技術開発動向 |
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壁掛け型エアコンは、価格と機能性が重視される傾向が強い。2006~2007年の商品開発トレンドは、「省エネ性」「清掃性」「気流制御」が主なキーワードである。
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省エネ性に関しては、松下電器産業の「Xシリーズ」は運転のたびに部屋の環境や使用状況を記憶する「快適・省エネエンジン」を搭載している。三菱電機は「人感ムーブアイ」を搭載し、利用者が不在の時には消費電力を抑えた「不在省エネ運転」に自動で切り替えるなどの機能が付加されている。
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■参入企業とメーカーシェア(2007年 国内需要) |
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メーカー名 |
販売数量シェア(%) |
松下電器産業 |
23 |
ダイキン工業 |
21 |
三菱電機 |
14 |
東芝キヤリア |
12 |
その他 |
30 |
合計 |
100 |
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壁掛け型ルームエアコン市場では、松下電器産業とダイキン工業が激しいトップ争いが続いている。
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松下電器産業(2008年10月よりパナソニックに社名変更)は、2005~2006年にかけて「お掃除ロボット機能付き」の機種がヒットし2007年は首位となった。
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一方、ダイキン工業は広告戦略や量販店の開拓に成功し急激にシェアを伸ばした。2007年は、静音性を重視したフィルター自動清掃機能付きの機種などを投入している。
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■今後の動向 |
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壁掛け型は買い替え、買い増し需要が中心であるため、新設住宅着工戸数の影響を受けにくい。当面は安定した需要が見込まれる。近年は住宅内のリビングスペースが広くなる傾向があり、能力の大きいタイプや省エネ機能付きの機種の売上が伸びていくと予想される。
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参考文献:「2008年版 住設建材マーケティング便覧」 (2008年1月25日:富士経済)
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