太陽熱遮断塗料の市場動向

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太陽熱遮断塗料(太陽熱高反射率塗料)は、太陽からの熱を効率的に反射させる塗料である。特殊セラミック微粒子や中空セラミックバルーンなどを混合することで反射機能を高めている。

この特徴を応用し、建物の屋根や外壁に塗布することで建物内部の温度上昇を抑制し、夏場は冷房負荷の削減、冬場は暖房の保温効果を上げている。

また新築/改築でも遮熱効果が得られ、建築分野では有効な省エネルギー対策製品(環境対応型機能性塗料)として注目されている。

東京都では「クールルーフ事業」を平成18年度から開始し、太陽熱遮断塗料を使用した施工に関しては補助金を助成するなど、市場の拡大要因の1つとなっている。

■太陽熱遮断塗料における材料特性
太陽熱遮断塗料は、塗料中に特殊セラミックス粒子、セラミック中空バルーン、赤外線反射特殊顔料などを添加することによって日射反射率や長波放射率を高め、熱伝導率を下げる機能を備えている。

太陽熱遮断塗料のバインダーには、アクリルエマルジョン、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂などが使用されている。

■用途動向(2007年見込 国内需要)

用途別販売量構成比と主な用途 単位:%
用途 販売量構成比 用途例
建築構造物 90 工場、倉庫、冷凍庫、物流センター、化学プラント、店舗、ホテル、学校校舎、体育館、住宅等の屋根、外壁など
その他 10 乗用車、保冷車、バス、鉄道、船舶、飛行機、自動販売機、コンテナ、ボイラー、タービン、熱パイプなど
合計 100  
出所:富士キメラ総研
主な用途は工場、倉庫などの屋根や外壁に対する塗装工事で採用され、遮熱効果を必要とする部位に使用されている。特に工場の屋根向けは塗布面積が広いため、部位別販売量比率は最も大きい。

屋根に塗布するメリットは、夏場は太陽熱を遮断し、冬場は暖房の保温効果が得られることである。広域的に冷暖房を必要とする工場、倉庫などでは省エネルギー材料として評価されている。

■太陽熱遮断塗料の市場規模推移 (2006~2009年、2011年予測:国内需要)

市場規模推移及び予測 単位:t、%
年次 2006 2007見込 2008予測 2009予測 2011予測
販売数量 2,500 3,000 3,600 4,300 6,200
前年比 120.0 120.0 119.4
出所:富士キメラ総研
2007年の太陽熱遮断塗料市場は前年比120.0%の3,000t、金額では同108.3%の39億円と見込まれ、2011年には2006年比191.7%の69億円と予測される。

太陽熱遮断塗料は、国内では1993年に市場投入され1996年頃に市場が立ち上がった。投入当初の伸長率は低調であったが、認知度の高まりとともに使用実績が増加した。

■メーカーの参入動向(2007年見込 国内需要)
「クールサーム」を展開している大高商会(本社:大阪市)が国内では先発メーカーである。

クールサームには4種類の特殊セラミックスが使用されている。これらのセラミックスは塗膜の中で熱放散を行い優れた遮熱効果を発揮している。

現状では、20社以上の企業が参入しており太陽熱遮断塗料は急速に市場拡大している。認定代理店制度の導入が市場の拡大につながっている。

大高商会以外の参入企業は、長島特殊塗料「ミラクール」、日本ペイント「ATTSU-9」、関西ペイント「アレス屋根遮熱システム」、大日本塗料「エコクールシリーズ」、日本特殊塗料「パラサーモ」、トウペ「トアスカイコートシャネツ」、日塗化学「エスクールシステム」(本社:東京都大田区)、NTT アドバンステクテクノロジ「サーフクール」(同:東京都新宿区)などが挙げられる。

■今後の動向
高い熱反射特性があり室内冷暖房の大幅なコストセーブが注目され、太陽熱遮断塗料への引き合いは急速に拡大している。

将来的には遮熱性舗装分野への応用展開を含め、巨大な潜在需要を背景に市場の活性化が期待される。

参考文献:「2007年版 機能性塗料・コーティングの現状と将来展望」
(2007年10月22日:富士キメラ総研)


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