フッ素樹脂塗料の市場動向

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フッ素樹脂塗料は高い耐久性を備えた高耐候性塗料の1つである。優れた耐候性により、同製品は塗り替え回数を減らし、被塗物のライフサイクルコストを低減することが可能である。

製品のタイプは、使用する樹脂の種類により「2フッ化フッ素樹脂を使用した高温焼付タイプ」と「3フッ化フッ素樹脂や4フッ化フッ素樹脂を使用した製品(常温乾燥タイプと中低温焼付タイプの塗料)」に大別される。

フッ素樹脂塗料の用途先は、プレコートメタル(PCM)用途やカーテンウォールなどの工場焼付タイプの需要量が多いが、本稿ではPCM用途は対象外とする。

■フッ素樹脂塗料における材料特性
フッ素樹脂塗料の塗膜形成材料の中で、一般にはフッ素樹脂の使用量が半数を占め、次いで溶剤が続いている。その他の添加剤には、顔料、造膜剤、分散剤、凍結防止剤などが挙げられる。

VOC対策の観点からは、水性タイプ、弱溶剤タイプのグレードが増えており、伸長率では有機溶剤タイプを上回る伸びを示している。

常温乾燥タイプの販売量が増えているなど、常温乾燥に対応した3フッ化フッ素樹脂塗料や4フッ化フッ素樹脂塗料の販売構成比が高まると推測される。

■用途動向(2007年見込 国内需要)

用途別販売量構成比と主な用途 単位:%
用途 販売量構成比 用途例
非住宅、建築構造物 46 商業施設用アルミカーテンウォール、オフィスビル、体育館、病院施設、役所・公共施設、空港施設など
住宅 35 高層マンション、集合住宅、戸建住宅など
土木構造物、その他 19 橋梁、海洋構造物などの重防食工事、タンク、鉄塔など
合計 100  
出所:富士キメラ総研
フッ素樹脂塗料は耐久性の良さが評価され、メンテナンス周期の延長が大幅に可能であり、外装塗料として商業施設やオフィスビルなど非住宅分野の販売量構成比が高い。

住宅用途の中でも、メンテナンスフリーの観点から高層マンションでの採用が先行している。

■フッ素樹脂塗料の市場規模推移 (2006~2009年、2011年予測:国内需要)

市場規模推移及び予測 単位:t、%
年次 2006 2007見込 2008予測 2009予測 2011予測
販売数量 7,100 7,400 7,700 8,000 8,600
前年比 104.2 104.1 103.9
出所:富士キメラ総研
本稿ではプレコートメタル(PCM)用のフッ素樹脂塗料は対象外とする。

2007年のフッ素樹脂塗料市場は前年比104.2%の7,400t、金額では同106.5%の213億円と見込まれ、2011年には2006年比117.4%の250億円と予測される。

アクリルシリコン樹脂塗料が高耐候性塗料として主に使用されているが、より高い耐候性を求めるニーズに対してはフッ素樹脂塗料の採用が増加している。

近年、参入各社が注力している分野は戸建住宅の塗り替え用途である。

また、土木分野の重防食工事用途では「鋼道路橋塗装・防食便覧」の改正が後押しとなり、需要拡大の1つの要因となっている。

■メーカーシェア(2007年見込 国内需要)

メーカー名 販売量シェア(%)
AGCコーテック 33
日本ペイント 19
関西ペイント 18
大日本塗料 15
その他 15
合計 100
出所:富士キメラ総研
フッ素樹脂塗料専業メーカーであるAGCコーテック(旭硝子コートアンドレジンから2007年に社名変更)がトップメーカーである。近年は、戸建住宅市場を開拓し意匠面での差別化に取り組んでいる。

同社は建築用塗料から重防食工事用途までラインアップが豊富である。戸建住宅の改修が増加傾向にあるため臭気対応や安全性対策の観点から、弱溶剤タイプの需要が高まり、2007年に弱溶剤型フッ素樹脂塗料を投入した。

日本ペイントは、住宅用では外壁塗替え塗料「シリコン伝説」ブランドに続いて「4F神話シリーズ」でフッ素樹脂塗料の拡販を進め、2005年に発売した「Duflonファイン4Fセラミック」が好調であるなどシェアを伸ばしている。

■今後の動向
建築物を企画/設計/建設し、その後は維持管理を行い、最終的に解体/廃棄するまでに支出する費用の総額が、建築物のライフサイクルコスト(LCC)である。

フッ素樹脂塗料は優れた高耐候性塗料として評価され、高耐候性ニーズの高まりや建築物のLCCを低減する材料として浸透している。

従来は大型案件を中心に採用されてきたが、近年は戸建住宅で拡がりを見せている。今後も市場拡大が予測される。

参考文献:「2007年版 機能性塗料・コーティングの現状と将来展望」
(2007年10月22日:富士キメラ総研)


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