プレコートメタル(PCM)塗料の市場動向

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鋼板類を塗装する方法には「ポストコート法」と「プレコート法」に分類できる。

ポストコート法による塗装工程は、成型加工後にセット機器メーカーの工場内などで塗装する方法である。

プレコート法の塗装工程は、プレコート工程(化成処理→下塗りコーター→焼付炉→→水冷却装置→上塗りコーター焼付炉→水冷却装置)を経て、切断後にPCM製品(プレコート鋼板など)が出荷されている。

プレコート鋼板の場合は、あらかじめ塗装が施されている鋼板である。PCM塗料は、その鋼板を使用するユーザー(メーカー)の塗装工程を省略する目的で使用される。

■PCM塗料における材料特性
PCM塗料の塗膜形成材料の中で、バインダー樹脂(ポリエステル、エポキシ、アクリル、フッ素樹脂など)の使用量が6割を占め、次いで溶剤(有機溶剤、水)の使用量が多い。

使用環境が厳しい屋外では、バインダーに耐久性のあるフッ素樹脂が採用される傾向が高い。

添加剤には、着色顔料、無機焼成顔料、アルミ顔料、パール顔料、硬化剤などが使用されている。

■用途動向(2007年見込 国内需要)

用途別販売量構成比と主な用途 単位:%
用途 販売量構成比 用途例
建材 76 屋根材(耐久性に優れたファインスチール)、サイディング材、雨戸・シャッターなど
電気機器 24 家電製品(エアコン室外機、冷蔵庫、洗濯乾燥機、炊飯器、電子レンジ、オーディオ)など
合計 100  
出所:富士キメラ総研
屋根材、サイディング材など建材分野の販売量構成比が3/4を越えている。

PCM塗料を使用した建材用途では、軽量で施工性が良好であることから、特に住宅リフォーム用途での採用が伸びている。

家電製品ではプレコート鋼板の採用比率が多い中、音響機器でもプレコート塗料を使用した鋼板の採用率が高まっている。

■PCM塗料の市場規模推移 (2006~2009年、2011年予測:世界需要)

市場規模推移及び予測 単位:t、%
年次 2006 2007見込 2008予測 2009予測 2011予測
国内販売数量 43,000 43,500 43,800 43,500 42,700
前年比 101.2 100.7 99.3
海外販売数量 920,000 940,000 965,000 985,000 1,030,000
前年比 102.2 102.7 102.1
合計 963,000 983,500 1,008,800 1,028,500 1,072,700
前年比 102.1 102.6 102.0
出所:富士キメラ総研
国内のPCM塗料市場(2007年見込)は、前年比101.2%の43,500t、金額では同101.5%の333億円と見込まれ、2011年には2006年比96.1%の320億円と予測される。

海外のPCM塗料市場(同)は、前年比102.2%の94万t、金額では同101.9%の7,130億円と見込まれ、2011年には2006年比107.3%の7,650億円と予測される。

国内需要は、建材や家電製品向けが中心である。建材用途では一部リフォーム需要の拡大が期待されるが、主要な家電製品ではプレコート化されている製品が多い。

■メーカーシェア(2007年見込 国内需要)

メーカー名 販売量シェア(%)
日本ファインコーティングス 61
関西ペイント 15
その他 24
合計 100
出所:富士キメラ総研
トップの日本ファインコーティングスは、2002年3月に日本ペイントと大日本インキ化学工業(2008年4月、DICに社名変更)の金属板用塗料部門が独立して発足した企業である。日本ペイントが60%、DICが40%の出資構成で設立された。(生産拠点は千葉工場、吹田工場)

3位以下は、BASFコーティングスジャパン(本社:横浜市)、川上塗料(兵庫県尼崎市)、ナトコ(愛知県西加茂郡)、中国塗料(広島本社:大竹市)、スズカファイン(四日市市)などが参入している。

■今後の動向
国内市場は、建築着工件数が減少していることや家電用途においても成長要因が乏しく、大幅な需要拡大は見込みにくい。

中国・東南アジアといった発展途上の地域で販売実績が拡大しており、今後は海外市場の開拓が期待される。

参考文献:「2007年版 機能性塗料・コーティングの現状と将来展望」
(2007年10月22日:富士キメラ総研)


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