重防食塗料の市場動向

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金属の防食技術には、塗装、溶射、めっき、電気防食、ライニングなどがある。中でも塗装による防食方法が最も多く採用されている。

塗装は様々な形状の対象物に適用でき、着色が可能であり、塗替えによる構造物の保護、美観の維持・向上を図れることが主な要因である。

重防食塗料についても環境対応に取組む動きが進んでおり、各メーカーは重金属フリーやVOCの低減、弱溶剤型製品などをラインアップし環境対策に注力している。

■重防食塗料における材料特性
重防食塗料の塗膜形成材料に使用される樹脂は、エポキシウレタン、シリコーン、フッ素樹脂などが挙げられ、重防食塗料に占める樹脂の販売量構成比は5割強(国内需要)である。他には顔料・添加剤が3割、溶剤が1割強である。

環境対応のトレンドとしては年々、水系化が進んでいるため有機溶剤の使用比率は減少傾向にある。

2005年12月に改訂された「鋼道路橋塗装・防食便覧」ではフッ素系塗料が採用され、上塗りの仕様では従来のウレタン系からフッ素系に替わりつつあり、フッ素系樹脂の採用比率が高っている。環境対応型の弱溶剤タイプではフッ素樹脂が主流である。

■用途動向(2007年見込 国内需要)

用途別販売量構成比と主な用途 単位:%
用途 販売量構成比 用途例
プラント、タンク施設 68 化学プラント、石油タンク、工場施設、大型構造物など
橋梁 32 道路・鉄道橋、鉄塔、高速道路(橋脚部分)など
合計 100  
出所:富士キメラ総研
石油化学系のプラントやタンク施設が7割弱を占め、道路・鉄道にかかる橋梁用途などが3割強である。

国内では建設需要は成熟化しているなど新規需要の見込みは低い。ただ、注目用途としては羽田空港の拡張工事に伴いD滑走路への採用が予定されている。今後の需要は、塗替え需要がメインになると予想される。

美観性を重視した鋼道路橋の塗替え需要は、採用する樹脂の種類によって多少異なるが、概ね15~20年間隔で発生している。

■重防食塗料の市場規模推移 (2006~2009年、2011年予測:国内需要)

市場規模推移及び予測 単位:t、%
年次 2006 2007見込 2008予測 2009予測 2011予測
国内販売数量 85,000 91,000 92,000 92,500 92,000
前年比 107.1 101.1 100.5
出所:富士キメラ総研
2005年の「鋼道路橋塗装便覧」の改定に伴い、重防食塗装系のc系の塗料では高価なフッ素系樹脂塗料のみの規定となったため、2006年の市場(国内販売金額)は1,000億円(前年比14.9%増)と大幅に伸長した。

国内の重防食塗料市場(2007年見込)は、前年比107.1%の91,000t、金額では同110.0%の1,100億円と見込まれ、2011年には2006年比110.0%の1,100億円と予測される。

橋梁用途では、平成22(2010年)年度までは第二東名、圏央道の新規高速道路の建設需要分が市場拡大要因に挙げられるが、それ以降、大規模な国家プロジェクトの予定は不透明な状況である。

海外市場では、経済発展途上のBRICsをはじめ、ベトナム、タイといった東南アジア諸国では、インフラ整備(プラント、発電所、港湾等)関連で大幅な需要増加が見込まれる。

■メーカーシェア(2007年見込 国内需要)

メーカー名 販売量シェア(%)
大日本塗料 25
日本ペイント 20
関西ペイント 20
トウペ
新東塗料
その他 25
合計 100
出所:富士キメラ総研
国内市場では、大日本塗料、日本ペイント、関西ペイントの3社で市場の6割強を占めている。

国内トップの大日本塗料は国内の塗料需要が成熟化しているため、海外事業の拡充を目標に掲げ、中国、東南アジア、インドといった地域で市場開拓に注力している。

■今後の動向
今後はアフターメンテナンス対応や補強を目的とした塗替え需要が中心になってくると予測される。ただ、これも数年前に比較すると需要量は落ち込んでいる。

日系メーカーは、需要が旺盛な中国・東南アジア地域を中心としたグローバル体制を構築し、新規需要を開拓している。国内展開では、重防食塗装の材料を含めた省工程システムの開発に取組むなど、ユーザーからのコスト低減要請に応えていくことが今後の課題である。

参考文献:「2007年版 機能性塗料・コーティングの現状と将来展望」
(2007年10月22日:富士キメラ総研)


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