自動車塗料(新車用)の市場動向

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自動車を塗装する主な目的は下地の保護と美観を付与することである。自動車は世界各地で長期間にわたり使用され、様々な環境や条件の中で、顧客ニーズに対応するため高い塗膜品質が必要である。

自動車車体の塗装は一般に、下塗り塗料として電着塗料を塗装した後に中塗り塗料を塗装し、さらに上塗り塗料が塗装(ベースコート、トップコート)されている。

■自動車塗料(新車用)における材料特性
自動車用塗料(新車用)の材料別販売量構成比は、合成樹脂が40~45%、顔料・添加剤等が5~10%、溶剤が約50%を占めている。

水系塗料に用いられる自動車用樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。

国内の車種では、シルバー、ホワイト/ホワイトパール、ブラックが中心で、他にはグレーやブルーが続いている。高級車ではホワイト/ホワイトパール、中型車はシルバー、小型車/スポーツカーはシルバーの人気が高い。

■用途動向(2007年見込 国内需要+輸出)

用途別販売量構成比と主な用途 単位:%
用途 販売量構成比 用途例
自動車 100 自動車ボディの外板材(ドア、フェンダー、フード、ルーフパネル、トランクリッドなど)、バンパー、スポイラー、ドアノブ等の自動車部品など
合計 100  
出所:富士キメラ総研

■自動車塗料(新車用)の市場規模推移 (2006~2009年、2011年予測:国内需要+輸出)

市場規模推移及び予測 単位:t、%
年次 2006 2007見込 2008予測 2009予測 2011予測
販売数量 277,000 283,000 289,000 295,000 307,000
前年比 102.2 102.1 102.1
出所:富士キメラ総研
2007年は、自動車の輸出台数の増加に伴い、国内では四輪車の生産台数が拡大した。そのため、自動車用塗料(新車用)の実績も伸びている。

2007年の自動車塗料(新車用)市場は前年比102.2%の283,000t、金額では同103.8%の1,350億円と見込まれ、2011年には2006年比111.5%の1,450億円と予測される。

自動車用途料において最も関心の高い課題の1つは環境対応が挙げられる。特に、VOCの排出抑制を目指し、上塗り、中塗り、下塗りともに水性化が進展している。

■メーカーシェア(2007年見込 国内需要+輸出)

メーカー名 販売量シェア(%)
関西ペイント 50
日本ペイント 35
その他 15
合計 100
出所:富士キメラ総研
関西ペイントは、中国では5カ所(瀋陽、天津、重慶、長沙、広州)で自動車用塗料を生産している。その中で天津の生産拠点「天津永富関西塗料化工有限公司」は2005年から生産を開始(月産750t)した。2006年10月に生産能力を月産1,300tに増強し、更に増産を進め2008年にはフル操業に移行する計画である。

その他の企業には、BASFコーティングスジャパン、大日本塗料などが参入している。

ドイツのBASFは、日本油脂BASFコーティングスの全株式を2005年に取得し、BASFコーティングスジャパン(本社:横浜市戸塚区)を設立(社名変更)した。日本では外資系塗料メーカーとして展開している。

■今後の動向
新車用自動車塗料の国内市場は停滞しているが、自動車の需要は世界的に拡大を続けている。特に海外需要を中心に当該塗料の販売量は拡大傾向を示している。

VOC対策などの環境対応に関しては、先行する欧米企業に続いて日本でも積極的な対策が行われている。特に水性化については塗膜性能や塗装工程において課題点が多く、今後の技術課題になっている。

参考文献:「2007年版 機能性塗料・コーティングの現状と将来展望」
(2007年10月22日:富士キメラ総研)


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