プラスチックコンパウンドのアジア市場(総論1)

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中国・東南アジア市場における2007年のコンパウンド生産は、日系樹脂メーカーやコンパウンドメーカーに関しては、極めて好調な稼働状況を維持している。

樹脂メーカーでは、海外市場において生産量・販売量の拡大を目指し、直接自動車メーカーや家電メーカーとコンパウンド提供を交渉/取引する動きを強めている。

また日系樹脂メーカーは、現地コンパウンドメーカーとの販売競争に対抗するため、高機能製品の生産に軸足を移している。

コンパウンド専業メーカーの場合、特に大手企業では独自の拠点網を整備し、樹脂メーカーと提携するなど生産体制を強化している。

【主な参入企業】
日系樹脂メーカー 旭化成ケミカルズ、ダイセルポリマー、帝人化成、テクノポリマー、デュポン、東レ、日本GEプラスチックス(現 SABIC IPジャパン)、ポリプラスチックス、三菱エンジニアリングプラスチックスなど
コンパウンド専業メーカー アプコ、大塚化学、川崎三興化成、住化カラー、大日精化工業、DIC(旧 大日本インキ化学工業)、東京インキ、東洋インキ製造、東洋プラスチック精工、日本ピグメント、プラス・テク、リケンテクノスなど

■プラスチックコンパウンドのアジア市場規模推移 2006~2009、2011年予測
【使用樹脂区分別コンパウンドの販売数量】
市場規模推移 単位:万t、%
樹脂区分\年次 2006年 2007年
見込
2008年
予測
2009年
予測
2011年
予測
汎用樹脂(5品目) 520.7 546.8 572.9 598.8 640.0
前年比 105.0 104.8 104.5
エンプラ(7品目) 128.7 139.4 151.1 163.9 193.4
前年比 108.4 108.4 108.4
スーパーエンプラ(4品目) 9.5 10.8 12.3 13.8 17.6
前年比 114.0 113.4 112.9
16品目合計 658.9 697.0 736.2 776.5 850.9
前年比 105.8 105.6 105.5
出所:富士経済

上記の数表は、汎用樹脂、エンプラ、スーパーエンプラを使用したプラスチックコンパウンドのアジア市場(販売数量)と伸長率である。

2007年のアジアコンパウンド市場(16品目合計)は、販売数量で前年比105.8%の697万t、金額では1兆9,102臆円と見込まれる。2011年には2006年比158.1%の2兆7,244億円に拡大すると予測される。

樹脂区分別に市場の伸長率を捉えると、汎用樹脂の前年比が4.5~5.0%増であるのに対して、エンプラは2007年以降、同8.4%増と高い伸び率を描き、更にスーパーエンプラは同10.8~13.8%増と二桁成長を示している。

【2006年のアジアコンパウンドの樹脂区分別販売量と構成比】
単位:万t、%
樹脂区分 販売数量 構成比
汎用樹脂(5品目) 520.7 79.1
エンプラ(7品目) 128.7 19.5
スーパーエンプラ(4品目) 9.5 1.4
16品目合計 658.9 100.0

2006年のアジア市場(16品目合計)は658.9万tであるが、汎用樹脂を使用したコンパウンドが8割近くを占め極めて多い。他にはエンプラが19.5%、スーパーエンプラは1.4%という販売量比率である。

2011年には汎用樹脂が75.2%(2006年比3.9ポイント減)と縮小し、エンプラは22.7%(同3.2ポイント増)、スーパーエンプラは2.1%(同0.7ポイント増)と予測される。

【汎用樹脂】
PPコンパウンドは今後、日本を除くアジア市場においては自動車生産台数の増加に伴い、需要拡大が見込まれる。またPVCの場合は、日本を除くアジアでは増加基調にあるが日本市場は縮小傾向にある。

【エンプラ】
アジアコンパウンド市場において、日本市場の販売比率が高いコンパウンド用の樹脂はPA6やPBTである。主に、自動車用途で使用されることが多く、今後も堅調な増加が予想される。

【スーパーエンプラ】
スーパーエンプラの中でもPPSは、コンパウンドの販売比率は日本市場が極めて高い。近年は日本を除くアジアでもPPSの需要が急速に拡大している。PPS以外のスーパーエンプラ(PA6T、PA9T、LCP)は、日本を除くアジアでの販売比率が高い。

【コンパウンドの地域別販売数量】
市場規模推移 単位:万t、%
地域\年次 2006年 2007年見込 2011年予測
日本 153.8 154.8 159.4
前年比 100.7
日本を除くアジア 505.1 542.2 691.6
前年比 107.4
アジア合計 658.9 697.0 850.9
前年比 105.8
出所:富士経済

上記の数表は、アジア市場における地域別プラスチックコンパウンド(汎用樹脂/エンプラ/スーパーエンプラ)の販売数量である。

2007年の日本市場におけるプラスチックコンパウンドの販売量は154.8万tで、前年比100.7%とほぼ横ばいであるのに対して、日本を除くアジアでは同107.4%の542.2万tと堅調に伸びている。

日本と日本を除くアジアの販売量構成比は、2006年では23対77であるのに対して、2011年は19対81となり、日本を除くアジアの販売量比率は拡大傾向を示している。中国をはじめ東南アジアにおける需要の増加が拡大要因である。

調査対象のコンパウンドに使用される樹脂は以下の16品目である。
区分(品目数) コンパウンド向けの樹脂
汎用樹脂(5品目) ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)
エンプラ(7品目) ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA6、PA66)、ポリアセタール(POM)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、GF-PET樹脂
スーパーエンプラ(4品目) ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T)、液晶ポリマー(LCP)
合計(16品目)  

参考文献:「2007 コンパウンド市場の展望と中国・アジア戦略」
(2007年6月14日:富士経済)


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