ポリカーボネート(PC)コンパウンドのアジア市場

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■市場別用途動向(2006年アジア市場)

コンパウンドの販売量構成比 単位:%
用途/市場 日本を除くアジア市場 日本市場
電子機器 87 78
自動車・産業機器 11
雑貨、その他 11 11
合計 100 100
出所:富士経済
PCコンパウンドの日本を除くアジア市場は2006年に37万tであるのに対して、日本市場は11万tを形成しており、ともに電子機器の需要が圧倒的に多い。

日本を除くアジア市場では、主に中国・華南地域においてパソコンや液晶TVの生産拠点が集中していることなどから、電子機器の用途が8割強に達している。

一方、日本市場は、家電やOA機器メーカーが、海外に生産拠点をシフトしているため、国内需要の伸長率は鈍化傾向を示している。日本では自動車・産業機器向けのコンパウンド販売比率が高い。

■PCコンパウンドの用途・使用部位(2006年アジア市場)

区分 用途 用途・使用部位など
電子機器 OA機器 パソコンやレーザー/インクジェットプリンタの筐体など
液晶ディスプレイ 液晶テレビ/液晶モニタ(筐体等)など
携帯電話 ボタン、液晶レンズカバーなど
その他 リチウムイオン電池パックケースなど
自動車・産業機器 自動車(外装) ドアハンドル、フェンダ、バンパーなど
自動車(内装) コンソールボックス、インパネなど
産業機器 電動工具の機構部品など
雑貨・その他 消火器ケース、高級文房具など
出所:富士経済
プリンタ(レーザー/インクジェット)や携帯電話、液晶ディスプレイ用途では、PC/ABSアロイやGF強化グレードの採用が中心である。

自動車・産業機器用途では、PC/ABS、PC/PBT、PC/PETアロイなどのグレードが主に使用されている。

■PCコンパウンドの市場規模推移(2006~2009年、2011年予測:アジア市場)

市場規模推移及び予測 単位:t、%
区分\年次 2006 2007見込 2008予測 2009予測 2011予測
日本を除くアジア 370,000 418,500 473,000 534,000 680,000
前年比 113.1 113.0 112.9
日本 110,000 115,500 121,000 126,800 138,700
前年比 105.0 104.8 104.8
アジア全体 480,000 534,000 594,000 660,800 818,700
前年比 111.3 111.2 111.2
出所:富士経済
本稿では、ニートPC樹脂と他の材料との複合化製品(アロイグレード、GF強化グレードなど)をPCコンパウンド(着色とGF強化等は含む)と捉え、着色のみのコンパウンドは対象外とした。

2007年のPCコンパウンドのアジア市場は前年比111.3%の53.4万t、金額では同111.7%の1,825億円と見込まれ、2011年には2006年比172.8%の2,824億円と予測される。

【日本を除くアジア市場】
中国では近年、エレクトロニクス製品向けのコンパウンド生産が拡大している。特にOA機器の外装部品用PC/ABSアロイの需要が増えており、市場拡大の牽引役になっている。

【日本市場】
最終需要家である日本の電子機器メーカーは海外生産を行っているため、家電・OA機器向けの需要は頭打ち傾向がみられる。しかし薄型TV等の生産拠点は国内に残っているため、PC/ABSアロイの需要を支えている。

■参入企業とメーカーシェア(2006年アジア市場)

【コンパウンドベース】
メーカー名 販売量シェア(%)
三菱グループ 26
帝人化成 25
バイエル 15
GEプラスチックスグループ 11
出光興産グループ 11
その他 12
合計 100
出所:富士経済
三菱エンジニアリングプラスチックスをはじめとした三菱グループがトップであり、僅差で2位に帝人化成が続いている。

需要の中心グレードはPC/ABSアロイである。PCアロイが得意なGEプラスチックスグループ(現SABICグループ)やバイエル、帝人化成の実績は上昇傾向を示している。

その他にはダウグループ、奇美実業グループが挙げられる。

■今後の動向
家電やOA機器メーカーでは、難燃性コンパウンドに対する物性要求が高い。そのためPCコンパウンドは難燃PSや難燃ABSからの代替需要が今後、期待されている。特にノンハロ・ノンリン系難燃グレードのニーズが高まっている。

日本市場では環境対応型コンパウンドの需要が伸びており、PC/PLA(ポリ乳酸)やPC/ケナフなど環境負荷低減材料を使用したグレードが注目されている。

参考文献:「2007 コンパウンド市場の展望と中国・アジア戦略」
(2007年6月14日:富士経済)


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