ポリアミド(PA6)コンパウンドのアジア市場

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■市場別用途動向(2006年アジア市場)

コンパウンドの販売量構成比 単位:%
用途\市場 日本を除くアジア市場 日本市場
自動車 28 63
産業機器 16 14
電子機器 16
その他 40 14
合計 100 100
出所:富士経済
PA6コンパウンドについては、日本を除くアジア市場と日本市場は共に4.3万t(2006年)で拮抗している。

日本を除くアジア市場では中国を中心に需要が増加している。特に、自動車部品向けの需要が牽引し市場規模が拡大している。

日本市場では、PA6の耐熱性、表面平滑性、耐薬品性が評価され、インテークマニホールド、エンジンカバーなどの用途で樹脂化が進んでいる。そのため自動車用途の販売量比率が多くなっている。

■PA6コンパウンドの用途・使用部位(2006年アジア市場)

区分 用途・使用部位など


エンジン回り インテークマニホールド、エアークリーナ(インレートパイプ)、エンジンカバー、シリンダーヘッドカバーなど
外装 ドアミラーステイ、ドアミラーブラケット、ホイールキャップ、フェンダ、フロントエンドモジュールなど
その他 ブレーキ系統部品、カップホルダー、リレーなど
産業機器 電動工具、農機具(草刈機のエンジンカバー等)など
電子機器 コネクタ、スイッチ、コイルボビンなど
その他 オフィス家具(事務用椅子の脚)、結束バンドなど
出所:富士経済
PA6コンパウンドは軽量で強度があり成形加工がし易いなどの特徴を活かし、自動車部品のインテークマニホールドに多く採用されている。

インテークマニホールドは周辺部品を樹脂化し、一体構造に加工することにより、製造コストの低減や車両の軽量化を実現している。

エンジンカバーには、ガラス繊維や無機フィラーで強化されたPA6コンパウンドなどが用いられている。

また自動車用エンジンカバーは意匠性を重視する傾向があるため、エンジンを完全に覆う設計になっている。そのため、大型エンジンの場合は大きなカバーが必要になるが、エンジンカバーに反りが生じ寸法精度が得られないなどの問題点が指摘されている。今後は剛性や寸法安定性などをさらに高めることが課題である。

■PA6コンパウンドの市場規模推移(2006~2009年、2011年予測:アジア市場)

市場規模推移及び予測 単位:t、%
区分\年次 2006 2007見込 2008予測 2009予測 2011予測
日本を除くアジア 43,000 45,800 51,000 55,000 65,000
前年比 108.8 109.0 107.8
日本 43,000 44,800 46,500 48,500 52,500
前年比 104.2 103.8 104.3
アジア全体 86,000 91,600 97,500 103,500 117,500
前年比 106.5 106.4 106.2
出所:富士経済
本稿では、ニートPA6樹脂と他の材料との複合化製品(アロイグレード、GF強化グレードなど)をPA6コンパウンド(着色とGF強化等は含む)と捉え、着色のみのコンパウンドは対象外とした。

2007年のPA6コンパウンドのアジア市場は、前年比106.5%の9万1,600t、金額では同107.2%の448億円と見込まれ、2011年には2006年比139.7%の584億円と予測される。

日本を除くアジア市場は2008年以降、アジア地域の経済成長を背景にコンパウンド市場の拡大が予測される。

■参入企業とメーカーシェア(2006年アジア市場)

【コンパウンドベース】
メーカー名 販売量シェア(%)
BASF(BASFジャパンの実績を含む) 33
宇部興産 23
三菱エンジニアリングプラスチックス 16
東レ 12
その他 16
合計 100
出所:富士経済
BASF(BASFジャパンを含む)や宇部興産はインテークマニホールド向けのコンパウンド供給に強みを持っており、アジア市場ではシェアが高い。

三菱エンジニアリングプラスチックスはコンパウンド生産の内製化を進めており、中国・華南地域の佛山にコンパウンド拠点(PBT、PA)の拡大を図っている。

■今後の動向
自動車メーカーのグローバル展開に伴い、樹脂メーカーでは海外におけるコンパウンド拠点や重合拠点の新増設が、今後も活発化すると予想される。

また、インテークマニホールドなどのように自動車部品をモジュール化する動きが積極的であり、更にPA6コンパウンドの需要増が見込まれる。

参考文献:「2007 コンパウンド市場の展望と中国・アジア戦略」
(2007年6月14日:富士経済)


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