■市場別用途動向(2006年アジア市場) |
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用途\市場 |
日本を除くアジア市場 |
日本市場 |
電子機器 |
81 |
35 |
自動車 |
16 |
55 |
その他 |
3 |
10 |
合計 |
100 |
100 |
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● |
2006年のPPSコンパウンド市場は、日本を除くアジア市場が1万2,300t、日本市場は3万1,000tとなり、28対72という需要構造がみられる。日本市場が日本を除くアジア市場を大きく上回っている。
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● |
日本を除くアジア市場の需要分野は電子機器用途が圧倒的に強い。主な用途はSMTコネクタや光ピックアップなどの電子部品向けである。
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● |
日本市場では、自動車向けが中心用途である。ランプリフレクタ、インテリジェントパワーモジュールなどの需要が増加している。
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■PPSコンパウンドの用途・使用部位(2006年アジア市場) |
区分 |
用途・使用部位など |
電子機器 |
コネクタ、マイクロスイッチ、コンデンサ、CDドライブ光ピックアップベース、液晶プロジェクションTVランプハウジングなど |
自動車 |
点火コイルケーシング、ヘッドランプリフレクタ、燃料ポンプインペラ、ABSシステムの油圧ピストン、圧力センサー、サーモスタット部品など |
繊維・フィルム |
焼却炉のバグフィルター、フィルムコンデンサなど |
その他 |
給湯機器ポンプケーシングなど |
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● |
2006年は電子機器向けの需要が東南アジアで回復し中国市場も好調に推移した。但し、光ピックアップの生産がやや頭打ちとなり、単価の下落、LCPや芳香族ナイロンへの代替が加速しているなど懸念材料もみられる。
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● |
将来的には、ハイブリッドカー(HEV)や燃料電池車(FEV)などでは車体重量を軽くするため、自動車1台当たりの樹脂採用比率の上昇が予測され、PPSの需要拡大も確実視されている。
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■PPSコンパウンドの市場規模推移(2006~2009年、2011年予測:アジア市場) |
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区分\年次 |
2006 |
2007見込 |
2008予測 |
2009予測 |
2011予測 |
日本を除くアジア |
12,300 |
13,800 |
15,500 |
17,000 |
20,000 |
前年比 |
― |
112.2 |
112.3 |
109.7 |
― |
日本 |
31,000 |
34,000 |
37,000 |
40,000 |
46,000 |
前年比 |
― |
109.7 |
108.8 |
108.1 |
― |
アジア全体 |
43,300 |
47,800 |
52,500 |
57,000 |
66,000 |
前年比 |
― |
110.4 |
109.8 |
108.6 |
― |
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● |
PPS樹脂は繊維・フィルム用途以外はコンパウンドグレードである。
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● |
日本を除くアジア市場は、電子部品向けの需要を中心に2008年は前年比2桁成長が予測される。主力用途の光ピックアップなどの生産規模が一巡しており、2009年の成長率はやや低下し同1桁成長が予想される。
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● |
2007年のPPSコンパウンドのアジア市場は、前年比110.4%の4万7,800t、金額では同113.1%の424億円と見込まれ、2011年には2006年比162.7%の610億円と予測される。
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● |
PPSコンパウンドの日本市場(2006年)は自動車用途が牽引役となり、2008年以降、前年比8~9%増の伸長率で市場拡大が予測される。
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■参入企業とメーカーシェア(2006年アジア市場) |
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メーカー名 |
販売量シェア(%) |
大日本インキ化学工業 |
34 |
ポリプラスチックス |
27 |
東レ |
20 |
東ソー |
10 |
その他 |
9 |
合計 |
100 |
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● |
大日本インキ化学工業(現 DIC)は、コンパウンドやポリマーアロイの技術力/商品力が優れておりアジア市場ではトップシェアをとっている。日本国内での販売が中心である。
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● |
ポリプラスチックスは日本とマレーシアでPPSコンパウンドを生産している。同社は自動車向けに拡販しており多様なコンパウンドを取り扱っている。
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■今後の動向 |
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光ピックアップ部品向けの放熱グレードは、フィラーが高価格であるなど製造コストの低減が課題である。
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● |
ナノ分散化技術を活用したナノアロイ製品の新製品開発や、高放熱性グレード、レーザー溶着可能グレードなど、用途別にPPSコンパウンドのグレード開発が活発である。
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参考文献:「2007 コンパウンド市場の展望と中国・アジア戦略」 (2007年6月14日:富士経済)
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