反射防止(AR/LR)フィルムの市場動向

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反射防止(AR/LR)フィルムは、液晶ディスプレイ(LCD)の偏光板やCRT(CPT、CDT)、PDP光学フィルタに貼り付け、表示画面の表面反射や映り込みを防止する製品である。

AR(Anti Reflective)とLR(Low Reflection)の定義はメーカーによって異なる。視感度平均反射率1%未満をAR、1%以上をLRとした。

本稿では、ARフィルム、LRフィルム、スパッタリング技術/蒸着技術で成形したドライコート品を対象とする。反射層が4層程度のドライコートフィルムは反射率0.1~0.3%のARフィルムに相当する。但し防眩機能を付与したLCD用AG(アンチグレア)フィルムは対象外とする。

■エレクトロニクス分野における高分子材料・部品の特徴
反射防止フィルムの基材にはTACフィルムやPETフィルムが使用されている。この基材フィルムにフッ素系材料やシリカなどの無機材料をコーティングし成形加工されている。ロールtoロールによるウエットコーティングが主流である。

■用途動向(2007年見込 世界需要)

用途別販売量構成比と主な用途 単位:%
用途 販売量構成比 具体的用途例
LCD 70 液晶テレビ、ノートブックPC、PCモニタ
PDP 30 PDPテレビ、PDPモニタ
合計 100  
出所:富士キメラ総研
LCD用途では、液晶テレビ、ノートブックPCなどの中・大型液晶パネルに使用され、PDP用途ではPDPテレビ、PDPモニタには不可欠な光学フィルタに採用されている。

■反射防止(AR/LR)フィルムの市場規模推移(2006~2009年、2011年予測:世界需要)

市場規模推移及び予測 単位:千m2、%
年次 2006 2007見込 2008予測 2009予測 2011予測
販売数量 26,000 31,500 38,600 48,000 60,000
前年比 121.2 122.5 124.4
出所:富士キメラ総研
反射防止(AR/LR)フィルムの世界市場(2007年見込)は、前年比121.2%の3,150万m2、販売金額は同104.4%の470億円と見込まれ、2011年には2007年比178.7%の840億円と予測される。

2007年はLCD用途ではAG+LRタイプの採用が減少している。反射防止(AR/LR)フィルムはCHC(クリアハードコート)+LRタイプに需要がシフトしている。

■採用素材動向(2007年見込 世界需要)

用途別販売量構成比と主な用途 単位:%
構成部材 使用部品・材料 販売量構成比(%)
基材 TACフィルム 70
PETフィルム 30
コート剤 フッ素樹脂、シリカ粒子、UV硬化アクリル樹脂など
合計 100  
△:僅少 出所:富士キメラ総研
販売量構成比は面積ベースの基材フィルム販売量を重量換算して算出
クリアハードコート層には帯電防止材として金属酸化物導電粒子が配合されている。

■参入企業とメーカーシェア(2007年見込 世界需要)

メーカー名 販売量シェア(%)
日東電工 29
日油 23
その他 48
合計 100
出所:富士キメラ総研
偏光板市場でトップメーカーの日東電工は、自社のLCD偏光板向けに反射防止フィルムを供給している。

反射防止フィルム市場で2位の日油は、PDP向け反射防止フィルム市場ではトップメーカーである。

■今後の動向
製造コスト低減の観点から、参入メーカーは単層反射層で視感度平均反射率の低下を目指している。また技術開発面からは製品の防汚性、帯電防止性、耐薬品性、耐磨耗性の改善が進められている。

参考文献:「2008年版 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」
(2007年12月7日:富士キメラ総研)


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