バッファーコート膜の市場動向

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バッファーコート膜は、シリコンウェハ上に形成された半導体回路を外部環境から隔離・保護し、表面を安定化させるための材料である。半導体製造工程の最終プロセスで使用される。

ポリイミド(PI)樹脂を使用したPI系製品が主流であり、非感光性タイプと感光性タイプに分類される。PI以外にはポリベンゾオキサゾール(PBO)やシリコーンなどを使用した製品が上市されている。PBOとPIは材料特性が類似しており、本稿ではPIとPBO系製品を対象とする。

■エレクトロニクス分野における高分子材料・部品の特徴
バッファーコート膜の主流は従来、非感光性タイプの製品であった。近年は、使用材料に感光基を取り込みレジスト機能を有する感光性タイプは、生産工程を短縮化することができ、トータルコストの低減に繋がることから利用量が増えている。

また環境対策面では無溶剤化が進んでいる。現像液に有機溶剤を使用した製品からアルカリ水溶液を使用した製品に需要がシフトしている。

■用途動向(2007年見込 世界需要)

用途別販売量構成比と主な用途 単位:%
用途 販売量構成比 具体的用途例
半導体保護膜 96 半導体回路の表面保護、劣化防止用途など
その他 液晶配向膜、層間絶縁膜用途など
合計 100  
出所:富士キメラ総研
半導体を湿気や封止材の圧力などから保護し、素子表面を安定化する目的で使用されている。ほとんどが半導体保護膜用途である。

他には、バッファーコート膜の特性を活かし、液晶配向膜、ワイヤボンディング保護用途、各種センサ用保護膜などに応用されている。

■バッファーコート膜の市場規模推移(2006~2009年、2011年予測:世界需要)

市場規模推移及び予測 単位:t、%
年次 2006 2007見込 2008予測 2009予測 2011予測
販売数量 435 450 470 485 520
前年比 103.4 104.4 103.2
出所:富士キメラ総研
バッファーコート膜の世界市場(2007年見込)は、前年比103.4%の450t、販売金額は同103.2%の377.6億円と見込まれ、2011年には2007年比115.5%の436.3億円と予測される。

半導体需要の伸びが順調であることから、バッファーコート膜は今後も需要増が見込まれる。

バッファーコート膜の種類別販売重量構成比は、感光性タイプが6割強を占めている。近年は生産プロセスの簡略化が可能で、トータルコスト削減に繋がる感光性タイプの需要が増えている。

■採用素材動向(2007年見込 世界需要)

構成部材 使用部品・材料 販売量構成比(%)
樹脂成分 PI樹脂 19
PBO系樹脂
溶剤 74
合計   100
出所:富士キメラ総研
販売重量ベースでは樹脂成分が2~3割、溶剤が大半を占めている。使用される樹脂はポリイミドが多く一部、PBO系材料も使用されている。シリコーン系は極めて少ない。

■参入企業とメーカーシェア(2007年見込 世界需要)

メーカー名 販売量シェア(%)
日立化成 デュポンマイクロシステムズ 38
東レ 20
旭化成エレクトロニクス 19
住友ベークライト 16
その他
合計 100
出所:富士キメラ総研
感光性タイプと非感光性タイプの販売実績が高い日立化成デュポンマイクロシステムズがトップメーカーである。

東レと旭化成エレクトロニクスの販売量はほぼ同等であり、東レはポジ型感光性タイプ、旭化成エレクトロニクスはネガ型感光性タイプを得意としている。

■今後の動向
バッファーコート膜は、半導体製品の性能、品質などの信頼性を確保する上で不可欠な材料であり、半導体生産の成長に牽引され、市場規模は今後も拡大していくとみられる。

しかし、原油価格が高騰し原料コストが上昇しており、参入メーカーの採算性は厳しい状況にある。

参考文献:「2008年版 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」
(2007年12月7日:富士キメラ総研)


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