変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)の市場動向

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■市場規模推移及び予測(2006~2013年 数量ベース)

1)ワールドワイド
年次 2006年(実績) 2007年(実績) 2008年(見込) 2009年(予測) 2010年(予測) 2011年(予測) 2012年(予測) 2013年(予測)
数量(千t) 376 382 382 383 383 384 384 385
対前年比(%) 101.6 100.0 100.3 100.0 100.3 100.0 100.3
富士経済調べ
m-PPEは、フラットテレビのハウジング、プロジェクタ内部部品、DVD ドライブメカニズム部品などで新しい需要が生まれ、バランスの良い汎用エンプラとして着実に拡大してきた。

しかし、自動車分野や電気・電子分野などでメーカーのスペックダウンによるコストダウンニーズから、汎用樹脂へ代替している。

今後は、日米欧では他の樹脂への代替が進み市場拡大は期待できないが、成長市場であるアジア地域の需要増が牽引となり、横這いもしくは微増傾向で推移していくとみられる。

■ワールドワイド用途別需要構成 2007年ワールドワイド)

用途分野 用途部位例
家電・OA コピー、プリンタ、ファクシミリ等のシャーシとハウジング等
電気・電子部品 CRTフライバックトランス、バッテリーチャージャー、電源アダプタ、コイルボビン、スイッチ、難燃トレイ、ICトレイ等
自動車部品 ホイールキャップ、エアスポイラー、フェンダー、ドアハンドル、サイドシール、インストルメントパネル、ラジエーターグリル、コネクタブロック、リレーブロック等
その他 ポンプ水回り部品等

自動車部品ではエアスポイラー、フェンダー、ドアハンドル、ハッチバックのドアパネルなどである。ホンダ、日産はオイルカバーに、また、ハイブリッド車のバッテリー向けにも採用されている。

電気・電子機器部品向けで難燃性、成形性、強度などの機能が評価され、デジタルカメラやゲーム機の電源アダプタ、チャージャー、プラズマテレビのハウジング、プロジェクタ内部部品、DVD等のドライブメカニズム部品などに採用されている。しかし、ハウジングは光で変色するため、耐光性の優れるPSに代替している。

OA機器分野では、シャーシなどの内部部品用途に加水分解、寸法安定性、ノンハロ対応などが評価され採用されている。複写機、プリンターなどのハウジング用途には耐光性の優れるPC/ABSアロイへの代替が進んでいる。

■参入企業とメーカーシェア(2007年 世界需要)

メーカー名 シェア(%)
SABICイノベーティブプラスチックス 73.8
旭化成ケミカルズ 18.3
三菱エンジニアリングプラスチックス 5.5
住友化学 0.8
その他 1.6
富士経済調べ

SABICイノベーティブプラスチックスはアメリカ、ヨーロッパでおよそ90%、世界では75%のシェアを占めている。アジアでのコンパウンド拠点は中国、タイ、韓国、オーストラリアである。塩ビ代替を目的として電線被覆材、ワイヤー向けグレード「フレキシブルノリル」を開発、製品化している。自動車やFPD、携帯電話の電線被覆向けに多くの採用実績があり、トヨタのピックアップトラックに採用されている。

旭化成ケミカルズは、能力アップと欧米、中国、タイで営業・技術・コンパウンド拠点を設けてグローバル展開を強化し、世界では20%弱を占めている。現在、アロイ開発に注力しており、ナイロンやオレフィン、PPSとのアロイ製品の拡充し、自動車用、家電用などに新規展開を図っている。

三菱エンジニアリングプラスチックスは、ユーザーの細かな要望に応えるためにもコンパウンド品(アロイ)に注力しており、電気電子、その他用途でのニッチ市場における差別化を図っている。

住友化学は、電気・電子部品用途ではICトレイ・難燃シート等に、自動車部品用途ではリレーブロック、オイルキャップ、ドアハンドル、エアスポイラー等に注力している。

■技術開発動向(2007年)
旭化成ケミカルズは、PPA/PPEアロイグレードを開発し、鉛フリーはんだ使用による高耐熱グレード開発要求に対応している。さらに、このグレードは非ハロゲン化を実現しており、携帯電話・パソコンメーカーなどが進めようとしているコネクタなどのノンハロ難燃化にも対応できている。また、エラストマー/PPEアロイは従来のm-PPEでは実現できなかった制振性、制音性が付与されたグレードでDVDドライブ、モーター、ファン、スピーカー部品などに採用されている。

■今後の方向性
カーエレクトロニクス化が進みワイヤーハーネスコネクタ、電気系統リレー等は年々増加しているため、m-PPEの自動車部品需要は伸張していくとみられていた。しかし、成形加工性に難があり高価格のため、近年では汎用樹脂に代替されている。

参考文献:「2008年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略」
(2008年5月23日:富士キメラ総研)


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