ポリアミド6T(PA6T)の市場動向

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■市場規模推移及び予測(2006~2013年 ワールドワイド数量ベース)

年次 2006年(実績) 2007年(実績) 2008年(見込) 2009年(予測) 2010年(予測) 2011年(予測) 2012年(予測) 2013年(予測)
数量(千t) 42.4 47.0 51.8 56.8 62.0 67.0 72.0 77.0
対前年比(%) 110.8 110.2 109.7 109.2 108.1 107.5 106.9
富士経済調べ
上記に示した数量はコンパウンドベースの販売推移である。

PA6Tの世界市場規模は、日米欧での自動車用途やアジアの電気電子用途が拡大しているため、年率10%前後の伸長率で拡大している。

PA6Tは汎用PA よりも高融点・低吸水・寸法安定性・耐薬品などに優れ、高強度・高摺動なエンプラで、特に自動車用ではエンジン回り部品の耐熱要求、電装化、SMTコネクタの鉛フリー対応化、燃料系部品に対する耐薬品性向上などに応える性能が評価されている。

中国やインドを中心とするアジア地域の電子部品・自動車部品の生産規模が拡大している。このため、2008年以降も自動車用途や電気電子用途が牽引して年率9~10%(WWベース)の伸張率が予想される。

■用途別需要先

用途分野 用途部位例
自動車 エンジンルーム内ワイヤハーネスコネクタ、モーター部品、ランプソケット、センサー等
※自動車の中でもエンジン回りの電装部品向けのコネクタ向けが主。
冷却系部品(サーモスタットカバー、ラジエータタンクケース、ウォーターアウトレット、ウォーターポンプケース等)吸気系部品(インタークーラ、リゾネーター、スロットルボディ等)燃料系部品(燃料デリバリーパイプ、ガソリンタンクケース等)駆動系部品(ブレーキピストン等)
電気電子 鉛フリーハンダに対応したSMT部品(SMTコネクタ、SMTスイッチ、SMTリレー、SMTボビン)LEDリフレクター(携帯電話向けのバックライト部)等
※SMT=Surface Mount Technology(表面実装技術)
その他 産業機器:ロボット化部品等
住設関連:建材家庭用ボイラー部品、水回り部品、湯沸かし器部品等
その他:医療機器部品他
※エンプラ以外では、PA12のエラストマータイプで消音ギアが代表的な用途となっている。但し、近年は機構部品の減少により需要が伸び悩んでいる。

■参入企業とメーカーシェア(2007年 ワールドワイド数量ベース)

メーカー名 シェア(%)
Solvay Advanced Polymers 30.9
Dupont 30.9
三井化学 26.6
EMS 11.6
合計 100
富士経済調べ

世界全体では、Solvayがトップを維持しており、三井化学とDupontが拮抗している。日本では三井化学が過半数のシェアを占めている。

Solvay、Dupont、EMSの米欧メーカー3社は米欧の自動車用途中心に市場開拓を図ってきた経緯があり自動車用途の実績が高い。三井化学はSMT部品や自動車電装部品に強いという特色がある。

■技術開発動向
1)ノンハロ難燃化
環境保護団体の圧力を受けたアメリカの大手パソコンメーカーは、コネクター類の部材にノンハロ難燃対応を要請している。但し、PAのノンハロ化は成形機の腐食問題など技術的に課題が多く現実的ではないとされている。

2)LCPとの競合
PA6TはLCPよりも安価で耐熱性と機械的強度にも優れるが、薄肉厚部品へ充填するための成形性には劣る。今後は流動性の改善などが進み、LCPの代替が図られる見込みである。

3)PA9T との競合
PA6TはPA9Tよりも流動性や靭性に優れているが、耐熱性や低吸水性には劣る。価格や物性は拮抗しているため、用途により競合が激しくなっている。

■今後の方向性
LEDリフレクター用途の需要が拡大。現在は携帯電話のサイドビュー用LEDリフレクター向けがメインだが、今後は車載メーターや照明用トップビューLEDリフレクターで需要増加が期待できる。但し、携帯電話用LEDリフレクターではPA9Tへの代替が進んでいるため、PA6Tメーカーは高機能な自動車用に注力すると見られている。

参考文献:「2008年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略」
(2008年5月23日:富士キメラ総研)


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