ポリアミドMXD6(MXD6)の市場動向

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■市場規模推移及び予測(2006~2013年 ワールドワイド数量ベース)

年次 2006年(実績) 2007年(実績) 2008年(見込) 2009年(予測) 2010年(予測) 2011年(予測) 2012年(予測) 2013年(予測)
数量(千t) 14,000 14,800 15,500 16,300 17,100 18,000 19,000 20,000
対前年比(%) 105.7 104.7 105.2 104.9 105.3 105.6 105.3
富士経済調べ
上記に示した数量はニートレジンベースの販売推移である。

2007年の世界市場規模は、数量ベースで14,800トン、金額ベースでは124億円となっている。

主要用途のエンプラ向けやPETボトル向けが堅調に推移していることもあり、全体的に年率5%前後の増加傾向となっている。

地域別に見ると、日本や欧米地域においては堅調に需要が推移しており、更に中国・アジア市場の立ち上がりが始まっている。

各地域における需要の堅調さから、今後とも世界のMXD6需要は増加傾向を辿る可能性が高い。但し、金額ベースでは原油高騰の影響で値上げが続いており、市場拡大のマイナス要因となっている。

■用途別需要先

用途分野 用途部位例
エンプラ 自動車:ドアミラーステイ、ドアミラーブラケット、インナーミラーステイ等
電気電子:自動点滅器部品、携帯電話部品等
産業機器:燃料ポンプセパレーター、スーパーチャージャー用ダクト、バタフライバルブ等
食品包装フィルム 延伸フィルム:菓子の個包装、インスタントラーメン、スタンディングパウチ、食肉加工品(ハム、ソーセージ、ビーフジャーキー)等の食品包装フィルムPETボトル:ジュースやお茶等の飲料PETボトル向けの食品包装フィルム
用途構成では、エンプラ向けやPETボトル向けが堅調に推移し、需要比率を高めている。

エンプラ向けでは、自動車や産業機器用部品に採用され、高剛性かつ耐候性と寸法精度に優れている点が評価されている。

PETボトル向けはガスバリア機能の需要が拡大しており、多層またはブレンド用途で高い伸びを示している。特に欧米地域での採用が拡大している。

延伸フィルムはEVOHと競合している。MXD6は「ガスバリア性+強度・剛性」、EVOHは「ガスバリア性+柔軟性」に優れている。食品包装フィルム向けにはその用途と適正に応じて使い分けされている。

尚、食品包装フィルム向けは三菱ガス化学のみフィルムメーカーに外販しており、ユーザーはユニチカ、東洋紡、興人、三菱樹脂、出光ユニテック、グンゼ等の特定大口ユーザーに限定されている。食品包装フィルムはフィルムの成形に高度な加工技術やノウハウが必要で、フィルム成形機も自社独自仕様にカスタマイズしている。しかも、フィルム成形機への投資コストも高額である為、ユーザーも特定企業に絞られている。

■参入企業とメーカーシェア(2007年 ワールドワイド数量ベース)

メーカー名 シェア(%)
三菱ガス化学 94.6
その他 5.4
合計 100.0
富士経済調べ

三菱ガス化学がMXD6市場を寡ほぼ独占しており、日米欧市場にてエンプラ、PETボトル、PETボトル用包装フィルムなど各用途で幅広く展開している。三菱エンジニアリングプラスチックスが「レニー」の製品名でコンパウンド並びにユーザー(モルダー、部品メーカー)へ販売対応している。

その他メーカーは、Solvay Advanced Polymers、東洋紡等である。ともに自社でコンパウンド・販売まで行っている。

Solvay Advanced Polymersは欧米市場でのエンプラ向けに注力している。東洋紡はMXD6の開発メーカーであり、自社の食品包装フィルム向けで自消している模様。またエンプラ向けに外販している。

■技術開発動向(2007年)
電気電子部品の小型・薄肉化に対応するため、流動性を改善することで成形性の向上が図られている。

食品包装フィルム向けのガスバリアフィルムには、ガスを遮断するだけではなく吸収する機能も求められており、パッシブバリアーからアクティブバリアーへと技術開発が進められている。

■今後の方向性
今後、BRICs市場で食品包装用のフィルム需要が拡大すると見込まれる。当該地域におけるフィルムのガスバリア性ニーズも高まりMXD6の市場が本格化する可能性がある。

参考文献:「2008年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略」
(2008年5月23日:富士キメラ総研)


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