エレクトロニクス、自動車分野向け粘着テープ・フィルム市場(注目市場)

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■注目市場
1.エレクトロニクス分野
1)光学用プロテクトフィルム 単位:億円
2009年 2010年見込 2014年予測 14年/09年比
680 700 880 129.4%
光学用プロテクトフィルムは、偏光板や位相差フィルム、導光板などLCDパネル用途を始め各種光学部材の表面保護を目的としたフィルムで、部材の搬送時や加工時に使用される。エレクトロニクス分野の粘着テープ・フィルムでは、国内外ともに最も需要の多い製品である。

需要先の大半がLCDパネル用途の光学部材のため、市場はLCDパネルの生産動向にほぼ連動して推移している。

2008年10月以降にLCDパネルの生産が大幅に減少したが、中国の内需拡大政策などを背景として2009年4月頃から韓国メーカーを中心にLCDパネルの生産が回復した。このため、2009年の光学用プロテクトフィルム市場は前年比2.9%減と小幅なマイナスに留まった。

2010年は、LCDパネルがやや生産過剰となっているものの、中国を始めとした新興国の需要増加に加え、バックライトに発光ダイオード(LED)を採用したLCDテレビ(LEDテレビ)のヒットなども牽引し、光学用プロテクトフィルム市場も2008年水準に回復すると見込まれる。

LCDパネル用偏光板や位相差フィルムの生産拠点が日本、台湾、韓国にあり、光学用プロテクトフィルムの需要も同地域で世界全体の9割近く(数量ベース)を占めている。また、中国でも導光板をはじめ偏光板や位相差フィルムなどの生産が増えており、光学用保護フィルムの需要も増加している。

今後、LCDパネルの生産増加に連動して光学用プロテクトフィルムも年率5%以上の成長が予測される。一方、コスト削減のために光学フィルムの機能を統合し使用枚数を削減する動きも見られ、需要の減少が懸念される。

2)研磨パッド固定用両面テープ
2009年 2010年見込 2014年予測 14年/09年比
105 113 165 157.1%
研磨パッド固定用両面テープは、LCD用ガラス基板や半導体のシリコンウェハ、ハードディスクドライブ(HDD)用基板などの研磨工程において、研磨パッドを固定する両面テープである。

研磨パッド固定用両面テープは消耗するまで使用されることから、需要先の動きからやや遅れて影響が現れる。2008年秋以降にLCDパネルや半導体/HDDが減産し、研磨パッド固定用両面テープ市場も2009年に入ってからその影響を受けたが、4月頃から回復してきており、通年では前年比2.8%減に留まった。

2010年はLCDやHDDに加え半導体の生産も回復しており、研磨パッド固定用両面テープ市場も2008年を超える実績が見込まれ、以降も年率10%前後の高い伸張が予測される。一方、研磨パッドの長寿命化が図られており、固定用両面テープの取り換え回数が減少する傾向にもある。

3)タッチパネル用OCAテープ
2009年 2010年見込 2014年予測 14年/09年比
52 76 149 286.5%
タッチパネル用OCAテープは、タッチパネルの貼り合わせに使用される基材レス透明両面粘着テープ、透明粘着フィルムである。タッチパネルの方式(抵抗膜式、静電容量式)により、使用部位や厚さが異なる。

スマートフォンやタブレットPCなどタッチパネル搭載機器の急増に伴い、OCAテープ市場も急拡大している。2009年は前年比52.9%増、2010年は同46.2%増が見込まれる。中でもApple社の「iPhone」「iPad」「iPod touch」に採用されたことで、他社のタッチパネル搭載機器でも採用が急増している静電容量式向けの需要が多い。

タッチパネルの生産は中国、台湾が中心であり、OCAテープの需要先もこれに連動している。その他、韓国、日本でも需要があり、2010年の段階では中国、台湾、韓国、日本で世界の需要先の全てを占めていると見られる。

2014年には2009年の3倍近い市場規模が予測されるが、価格競争の激化による単価下落によって成長が鈍化していくほか、OCAテープ不使用のタッチパネルや液状OCA(UV硬化系樹脂)との競合も懸念される。

2.自動車分野
1)塗装マスキング用粘着テープ(補修用) 単位:億円
2009年 2010年見込 2014年予測 14年/09年比
390 410 462 118.5%
塗装マスキング用粘着テープ(補修用)は、製造工程内や補修修理時に塗装面以外を汚さないよう使用されるマスキングテープで、自動車塗装に不可欠な製品である。作業面への馴染みの良さや強度、剥がしたときに糊残りしないことが求められる。

景気後退の影響を受け補修需要が落ち込み、2009年の塗装マスキング用粘着テープ市場は前年比10.1%減となった。2010年には補修需要も回復することから市場も好転し、以降は年率3%前後の成長が予測される。

塗装マスキング用粘着テープは高級車での需要が多く、軽自動車などは少ない。日本市場は近年、高級車よりも軽自動車が販売を伸ばしていることや補修自体の需要減少により、今後縮小していくと予測される。海外市場は、欧米を中心に中国、アジアなど世界各地で使用されており、今後も拡大が予測される。特に自動車の普及が進む中国で需要が増えると考えられる。

2)ワイヤハーネス用粘着テープ 単位:億円
2009年 2010年見込 2014年予測 14年/09年比
196 216 256 130.6%
自動車内の各電子機器を接続するワイヤハーネスを結束し被覆保護するための粘着テープである。

自動車産業の落ち込みにより、2009年のワイヤハーネス用粘着テープ市場は前年比14.0%減となった。2010年には反転し、以降は年率4%前後の成長が予測される。しかし、日本市場は自動車生産の減少やワイヤハーネス生産の減少で2008年の市場規模には届かず、2011年以降は横ばいと予測される。一方、海外市場は、日系メーカーの自動車生産の拡大や、中国やインドなど新興国の自動車生産台数の増加、ワイヤハーネス生産の増加によって、年率5%台で市場が拡大していくと予測される。

また、自動車の電装化の進展や、HV(ハイブリッド自動車)、EV(電気自動車)の増加も市場拡大の追い風になると考えられる。

参考文献:「粘着テープ・フィルム市場の用途別展望 2010」
(2010年10月27日:富士経済)


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