世界の自動車部品市場(主要部品市場の概況1)

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2009年の部品市場は実績が前年を大きく下回る結果となったが、新興国の市場拡大、EV/HEVの本格市場投入等により、業界マップに変化の兆しが出てきている。

メーカーシェアランクに大きな変動は見られないが、新たな電装部品/ユニット/システムの台頭と、軽量化、安全性の向上等に対する製品群の本格搭載の兆しが見られる。

■A.エンジンルーム

部品名 材料動向
エンジンバルブ ・近年では軽量化のため、チタンを用いるバルブが登場してきているが、普及のためにはコスト低減が課題となっている。
・クロムやニッケルなどを加えた耐熱鋼を使用したエンジンバルブが、V6、V8など馬力が大きいエンジン向けに開発されている。
スタータ

オルタネータ
・コスト低減策としては、設計により金属の使用量を減らすという方法などに限られている。
・システムに組み込まれるモータジェネレータが駆動や発電の役割を果たすため、搭載する必要性が低い。
・寒冷地でのサポートや緊急補助的な役割として小型タイプが搭載される可能性がある。
燃料ポンプ ・NTNは、直噴エンジンの燃料ポンプ用に、トルクの小さいローラとリフタ・ユニットを開発。回転トルクを最大30%低減した。また、最高回転速度は軸受ピッチ円直径が10mmの製品で3万6000rpmと、総ころ仕様の2倍とした。
・三菱電機はスライド鉄心を燃料ポンプのDCモータに採用しアマチュア(シャフト、整流子、鉄心)の製造工程を確立した。新規開発したDCモータによって、体積・質量ともに40%減、消費電流35%減の新型燃料ポンプを実現。
電子制御スロットルボディ ・愛三工業では樹脂製スロットルボディを開。樹脂を採用することで部品点数を削減。アルミ製の約3/4に軽量化を実現した。
・Boschは筐体とバルブに熱可塑性樹脂を採用したガソリンエンジン用のGFRP製スロットルボディ「DV-E8」を投入した。金属製に比べ製造コストを低減でき、質量を25%削減した。異なるエンジンやへの展開も容易で、衝突時は細かく砕けるため、エンジンルームの衝撃吸収部分を拡大できる利点もある。
・ダイハツ工業はコンセプトモデル「e-S(イース)」に樹脂製電子スロットルボディを採用した。他に「i-EGRシステム」、「ecoIDLE」を組み合わせることで30km/Lの低燃費を実現した。

■B.駆動・足回り

部品名 材料動向
CVT ・構造上重要な部品はベルト(チェーン含む)とプーリーである。摩擦による連続的な減速比の変化に対応できる対磨耗性が求められている。
・ベルトとの摺動と発熱に対する長期的耐久性が必要であり、クロム鋼やクロムモリブデン鋼を用いることが多い。
・ベルトの主流はスチール製であり高張力スチールリングの周りに300~400枚程度の高剛性スチールエレメントと呼ばれるコマを挟みこまれている。
AMT/DCT ・クラッチ部にはMTと同様の素材が利用され、摩擦による熱の発生を考慮し、熱伝導性の高い材質を使っている。熱伝導率の高い材質としては銅が挙げられるが、耐久性を考慮した場合に完全に銅とすることは困難であり、銅を混ぜて熱伝導率を上げるなどの対策が採られている。

■C.吸・排気

部品名 材料動向
過給気システム ・高効率化、高レスポンス化、振動や騒音の低減、軽量化などを狙い、構成部品の素材に様々な提案がなされている。
・特にチタンアルミニウム合金、耐熱鋼板、マグネシウム合金などの素材の使用が検討、及び実用化されている。
触媒 ・ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)などの貴金属の使用量を抑えながら、高い還元能力を保つことが従来からの課題となっている。

■D.室内

部品名 材料動向
エアコン ・現行の冷媒「R-134a」は地球温暖化係数(GWP)値が高く、GWPが150を下回る冷媒の開発が求められる。
・米国DuPontとHoneywellが共同開発した「HFO-1234yf」は、2011年以降のR-134a の代替品として採用されることが期待されている。
・CO2などの「自然冷媒」は低粘性、高熱容量などのメリットあるが、動作圧力が高くなることがデメリットとしてあげられる。
エアバッグ ・従来、バッグ部に使用される素材はクロロプレーンゴム系コート布が主体から、軽量化を図るためシリコーン系コート布やノンコート布の採用が増えている。
・エアバッグの機密性向上を図るため極性繊維基布の採用が見られるが、耐熱性が要求されることから、素材には主にPA66及びPA6が使用されている。

参考文献:「2010 新自動車部品マーケティング便覧」
(2010年05月24日:富士キメラ総研)


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