白物家電・小物家電の世界市場(市場動向)

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■世界市場の動向
2010年の世界の家電市場(数量ベース)は、前年比約7%増の31億5千万台となった。世界的な景気後退の影響で2009年は需要が減少したものの、2010年はBRICsを中心に新興国・地域の需要が市場を牽引し前年を上回った。2011年は前年比7%増の33億8千万台が見込まれ、2,015年には2010年比61パーセント増の50億9千万台に達すると予測される。

2010年の国・地域別内訳では、生産の85%を中国が占めており、“世界の工場”として他国・地域を圧倒している。同時に販売でも中国が23%と北米や西欧を僅かに上回って世界一であり、急速な経済発展を背景に巨大な消費マーケットとしても台頭している。
注:FCV=燃料電池自動車(Fuel Cell Vehicle)の略

一方、人民元切り上げや人件費高騰などを要因に、中国で生産するメリットも徐々に薄れつつある。また、政治的・外交的リスクも顕在化してきており、各メーカーは中国に依存しない生産体制を模索し始めている。“ポスト中国”としてインドや東南アジアなどへ生産拠点を移管する動きが見られる。これらの国・地域も経済発展が著しく、需要が拡大していることから、中国と同様に生産、販売両面の成長拡大が予想される。

特に中国に匹敵する人口規模を擁するインド市場の拡大が期待されており、日系も含め各メーカーとも現地生産の動きが活発化している。また今後、オリンピックやサッカーワールドカップの開催が予定されているブラジルやロシアは、周辺国・地域も含めてビッグイベントに伴う需要喚起が期待される。

しかし、圧倒的市場規模を誇る中国が今後も“世界の工場”であることに変わりはなく、輸出のみならず中国国内で生産し販売される量も拡大していくことから、2015年には世界生産量の88%、同販売量の27%を占めると予測される。

■カテゴリー別市場動向

衣住関連 洗濯機/洗濯乾燥機、衣類乾燥機、アイロン、掃除機、浄水器、アルカリイオン整水器、ディスポーザー、温水洗浄便座、テレビドアホン、LED電球、電動工具、etc
中国への生産集約が続いていたものの、地域特性のある品目も多いことから、日本や北米、西欧でも一定数の生産がある。今後は、中国が巨大な消費マーケットとして台頭していることや、生活習慣の変化などで今まであまり需要の無かった製品も生産、販売されると考えられ、中国の存在感が増すと予想される。

調理関連 冷蔵庫、ガスレンジ、電子レンジ/オーブンレンジ、IHクッキングヒーター、食器洗浄乾燥機、トースター、ジューサー・ミキサー、コーヒーメーカー、フードプロセッサー、電気ケトル、炊飯器、ホームベーカリー
高い技術力を必要とせず、また、グローバル化している製品が多いことから量産に向いており、中国が90%の生産シェアを占めている(2010年、以下同)。特に電気ケトルの生産量が多く調理関連の63%を占めている。今後、新興国・地域に加え、日本など今まで電気ケトルの馴染みの薄かった国・地域の需要を取り込んでいくと予測される。

空調・給湯関連 ルームエアコン、電気給湯器、換気扇、扇風機、空気清浄機、除湿機、加湿器
空調・給湯関連製品では中国が生産の80%、販売の39%を占め、特に、扇風機とルームエアコンの合計生産量は73%を占める。扇風機は、省エネ志向や新興国・地域の所得向上により拡大基調で推移している。世界的な猛暑の影響で2010年に大きく伸ばしたルームエアコンは、今後も新興国・地域の需要拡大が予測される。

パーソナルケア関連 メンズシェーバー、レディースシェーバー/脱毛器、ヘアドライヤー、ヘアアイロン、電動歯ブラシ、血圧計、体重計/体組成計、体温計、歩数計/活動量計、心拍計、低周波治療器、マッサージチェア、ハンディ・マッサージャー
中国が生産の93%を占めている。販売では北米、西欧、中国の三地域合計で70%を占める。先進国は成熟市場であるが、中国などの新興国・地域の市場が拡大している。特に、健康志向の高まりに合わせた主要メーカーの事業展開を背景に、血圧計が伸ばしている。

■注目製品市場
1.電気ケトル【調理関連】
2010年 2011年見込 2015年予測 15年/10年比
9億8,790万台 10億5,800万台 14億1,210万台 142.9%

電気ケトルは、日本を始めアジアの一部でジャーポットから電気ケトルへ需要がシフトしている。比較的水質の悪い新興国・地域で簡便に沸騰消毒してお湯を沸かせることから、市場の拡大が続いている。構造が単純なことから量産しやすく、中国が生産の99%を占めている。販売シェアは西欧と北米で52%を占めている。

市場は世界的に拡大していく見通しで、全ての国・地域の販売でプラス成長が予測される。特に中国、その他アジア・オセアニア、中南米、中東・アフリカ他の販売シェアが上昇すると予測される。

2.ルームエアコン【空調・給湯関連】
2010年 2011年見込 2015年予測 15年/10年比
1億3,042万台 1億3,570万台 1億5,283万台 117.2%

2009年は景気後退の影響を受け前年割れとなったが、2010年は景気回復の兆しが見えてきたことに加え、世界的な猛暑も影響し、市場は前年比15%増と大きく拡大した。全ての国・地域で前年比10%以上の増加と好調な販売であった。日本ではエコポイント制度も追い風となった。

中国が生産の81%を占め、その他アジア・オセアニアが14%、日本が4%と続く。販売は中国が59%を占めている。今後、販売が拡大するのは中東・アフリカ他で、2010年の4%から2015年には12%へ拡大が予測される。

3.浄水器【衣住関連】
2010年 2011年見込 2015年予測 15年/10年比
3,735万台 4,060万台 6,230万台 166.8%

日本や北米、西欧では、小売店舗販売の買い替えと新築住宅への需要が中心で、成熟市場となっている。このため、大手メーカーは新興国・地域への展開を積極化している。

生産は中国とその他アジア・オセアニアで55%を占めている。販売は西欧と北米で48%を占めている。新興国・地域では所得向上と飲用水の質に対する意識向上によって需要が急速に高まっており、中国、その他アジア・オセアニアなどで販売シェアの上昇が予測される。

4.血圧計【パーソナルケア関連】
2010年 2011年見込 2015年予測 15年/10年比
3,445万台 3,765万台 5,430万台 157.6%

日本や北米、西欧は成熟市場で成長が鈍化している一方、健康ブームの続いている中国では好調な販売が続いており、今後も市場拡大が予測される。世界シェアトップのオムロンヘルスケアは、中国をはじめインド、ロシア、メキシコなど新興国・地域に注力している。また、中国に生産拠点を持つ台湾系メーカーのシェアが拡大しているほか、新たな中国系メーカーも現れている。

生産は中国とその他アジア・オセアニアで99%を占めており、残り僅かが日本で生産されている。販売シェアは北米と西欧で50%を占め、今後、中国、他アジア・オセアニア、中東欧・ロシアなどで市場拡大が予測される。

参考文献:「グローバル家電市場総調査 2011」
(2010年12月17日:富士経済)


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