主要プラスチック高機能化材料と応用部材市場 市場動向

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今回はプラスチック高機能材料として、汎用添加剤、特殊添加剤、フィラー・繊維、応用部材を取り上げた。市場成長率等は、全体でも8%程度の市場成長が期待でき、特に機能性を軸に成長するフィラー・繊維系の伸び率が高く、平均で10%の成長率となっている。応用部材は注目度の高い品目をピックアップしたため、市場成長性は高くなった。

調査結果としては、世界のプラスチック産業(電気電子・自動車)の成長を背景に今後も継続した拡大が見込まれる。一方で、日本国内の成長性は、期待が難しいとみられる。

<高機能化材料及び応用部材市場推移>
分野\年 2010年(実績)
(億円)
2015年(予測)
(億円)
平均成長率
(10-15年)
注目有望商品
汎用添加剤 9,632 12,846 5.9% 難燃剤、帯電防止剤(高分子)、抗菌剤
特殊添加剤 5,077 6,636 5.5% PLA添加剤、粘着性付与剤、α-オレフィンコポリマー
フィラー・繊維 7,846 12,665 10.1% メソポーラスシリカ、CNT、炭素繊維、セラミックファイバー
応用材料・部材 1,449 3,404 18.6% 放熱コンパウンド(LED)、低燃費タイヤ、LiB材料
※市場規模:当該レポートにおける市場合計値(国内市場/世界市場混在)

環境対応、省エネ化を背景に、自動車分野における金属代替の進展、LEDやリチウムイオン二次電池市場の拡大などにより、プラスチック製品の高機能化ニーズが従来以上に高まりつつある。これに応じて添加剤、フィラー・繊維などの需要が拡大している。

本調査の対象とした製品群の市場市場規模は、2010年に2兆4004億円の市場となった。2008年までの右肩上がりの景気は2009年に世界的不況となり、当該市場は前年比78.9%と大きく減少した。2009年後半から持ち直し2010年に前年比129.3%と回復、2015年に向けて年平均8.2%成長し、3兆5500億円に拡大すると予測する。

特に新興国での拡大が期待され、国内はそれほど成長を期待出来ない。今後、自動車や電子・電気などの消費財とともに拡大し、新興国を含む地域で見られる環境意識の高まりも成長要因のひとつとなる。

2011年以降2015年に向けて、汎用及び特殊添加剤市場は、年率5%~6%の成長が期待される。またフィラー・繊維関連は年平均10%の成長が予測される。自動車および電子・電気産業に利用される比率が高く、これらの市場動向に合わせて拡大していく。フィラー・繊維は、強度・導電・放熱など各種機能に応じて、大きく拡大していくと予測する。

分野別では汎用添加剤が最も多く約1兆円の市場を形成している。難燃剤および抗菌剤が世界的に伸びている。2015年までの年平均成長率は5.9%であるが、元々市場が大きく約1.3兆円まで拡大すると予測する。次いでフィラー・繊維が7,800億円の市場規模となる。2011年以降年率10%程度の成長率を見込み、2015年には1.3兆円近くまで拡大すると予測する。特にCNTや炭素繊維、導電性を追及するプラスチック製品が伸び率に影響を与える。特殊添加剤は5,000億円の市場を形成した。バンパーやインパネに採用されるα-オレフィンコポリマーの市場が大きく、特に自動車向けで拡大していく。また軽量化の目的から自動車の生産台数以上の伸び率を示す可能性もある。

応用材料・部材では、放熱コンパウンド、長繊維コンパウンド、ナノコンポジット、自動車部材(外装・低燃費タイヤ)、リチウムイオン電池用材料など、高い伸び率が期待される応用材料を対象としており、年率18.6%で成長していくと予測する。LEDの放熱樹脂化や自動車の軽量化、エコ化などから市場が大きく拡大していく。

■成長率の高い添加剤
今後高成長が見込まれるのは、炭素繊維(PAN系)、銀粉、CNT、難燃剤(リン系)、セラミックファイバー、そしてパラ系アラミド繊維などである。国内市場では導電性酸化亜鉛の需要拡大も予測される。既に市場が立ち上がっているがまだ発展途上の品目も多く、潜在的な需要は大きい。特に、炭素繊維、CNTは自動車分野など今後の拡大が期待される。

■品目別の用途展開分野
自動車分野は、対象部材の中で現在使用されている品種が最も多く、今後活用が見込まれる品種も多い分野である。具体的な用途はバンパー、ピラー、座席シートなどの内・外装材、ドライブシャフト、エンジンカバー、ブレーキパッド、エアーフィルタ、ヘッドランプ、タイヤなどである。

太陽電池、2次電池などの電極材料用には銀粉、銅粉、導電性酸化亜鉛、導電性高分子などの研究開発が進んでおり採用が見込まれる。銀粉は既に導電パーストとしてPDPや太陽電池に採用されており、銅粉も同じく導電ペーストとしてチップ型積層セラミックコンデンサ(MLCC)外部電極材に採用されている。また導電性酸化亜鉛もタッチパネルの透明電導性フィルム用に使用されている。

参考文献:「2011年 プラスチック高機能化材料の現状と将来展望」
(2011年01月17日:富士キメラ総研)


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