機能性高分子フィルム市場 市場動向1

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前回までは光学フィルム、そしてプラスチック高機能材料としての汎用添加剤、特殊添加剤、フィラー・繊維、応用部材を取り上げた。今回は光学機能、ハイバリア機能、電気的機能、耐熱性、離型性、意匠性などの特性を付加した機能性高分子フィルムの市場動向についてレポートする。

ここでは、高分子フィルムの応用領域をFPD関連、半導体・実装関連、電池関連、電気・自動車・建材、バリア包材、包材・他の6分野に分類し、その市場規模や用途展開、材料構成、海外動向等の視点から捉えた。機能性高分子フィルムは、ベース材となるプラスチックフィルムにコーティングや蒸着等の表面処理やラミネート等の二次加工、またはベースフィルム原料自体の高機能化やハイブリッド化などを付与したフィルムとして、エレクトロニクス、自動車、エネルギー、包装等、非常に多岐な分野で応用されている。中国を中心とした新興国の旺盛な需要を背景に拡大するディスプレイ分野や急成長している電池関連市場など、多くの産業分野で機能性高分子フィルムの果たす役割はこれまで以上に重要となっている。

機能性高分子フィルム主要分野世界市場 単位:億円
分野 2010年(実績) 2014年(予測) ‘10~’14年年平均成長率
FPD関連 17,540 21,820 5.6%
半導体・実装関連 1,910 2,180 3.3%
電池関連 3,290 6,930 20.5%
電気・自動車・建材 1,100 1,250 3.2%
バリア包材 660 7,550 3.4%
包材、その他 1,440 1,588 2.5%
※電池関連のうち燃料電池用電解質膜は国内市場のみ

<各分野の対象製品群>
分野 対象製品群
FPD関連 モスアイフィルム、反射防止フィルム、偏光フィルム、偏光膜保護フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルム、拡散フィルム、反射フィルム、透明導電性フィルム、耐指紋性フィルム、光学用円偏光フィルム、光学用離型フィルム、プロテクトフィルム、OCAテープ(タッチパネル用)、プラスチックフィルム基板、フレキシブルガラス基板
半導体・実装関連 バックグラインドテープ、ダイシングテープ、ダイボンディングフィルム、ドライフィルムレジスト、カバーレイフィルム、FPC用離型フィルム、放熱シート
電池関連 太陽電池用封止フィルム、太陽電池用バックシート、太陽電池用プラスチック基板、太陽電池用カバーフィルム、リチウムイオン電池用セパレータ、燃料電池用電解質膜
電気・自動車・建材 加飾フィルム、転写フィルム、メッキ代替フィルム、ウインドウフィルム、熱線遮蔽フィルム、調光フィルム、遮光フィルム、セルフクリーニングフィルム(光触媒フィルム)、防錆フィルム
バリア包材 PVDCコートフィルム、アルミ蒸着フィルム、透明蒸着フィルム、ONY系共押出フィルム、EVOH系共押出OPPフィルム、PVAコートOPPフィルム、ハイブリッドバリアフィルム、ナノコンポジットコートフィルム、脱酸素フィルム/酸素吸収フィルム
包材、他 吸湿フィルルム、通気性フィルム、イージーピールフィルム、方向性フィルム、防曇フィルム、バイオ・生分解性フィルム、シュリンクフィルム、グラファイトシート、衝撃吸収シート、LED照明用光拡散・導光フィルム

■FPD関連
基本的にLCD(面積ベース)に連動した市場となっている。バックライトユニット関連では、高価格なLEDの個数を減らしコストダウンするために輝度向上フィルムの需要が増加している。3Dテレビ向けでは、偏光フィルタなどでの需要増も見受けられるが、メガネ用偏光フィルムの需要も増加している。タッチパネル関連では、透明導電性フィルムとOCAテープ、耐指紋性フィルムなどの需要が拡大している。今後はプラスチックフィルム基板などの次世代フィルムの拡大が見込まれる。

■半導体・実装関連
半導体、プリント基板、コンデンサ等、エレクトロニクス分野に於いて使用される機能性高分子フィルムが対象となっている。基本的に半導体の生産に左右され、2009年は、経済不況により各製品ともに金額ベースで前年割れとなった。2010年は、年初の予想よりも早く半導体需要が回復しため、各品目とも前年からは大幅に増加した。特にバックグラインドテープ、ダイシングテープ、ダイボンディングフィルム、放熱シートは、数量ベースで2007年出荷を上回る水準である。

■電池関連
2010年の市場は、3,290億円となった。太陽電池モジュールが世界的な経済不況下でも二桁成長を示したことから、バックシート、封止フィルム、カバーフィルムの太陽電池関連品目は大きく成長した。次世代型太陽電池向けの構成部材では、色素増感型太陽電池、有機薄膜系太陽電池向けプラスチック基板や、薄膜Si、CIGS向け表面保護材用カバーフィルムの需要拡大が期待されている。

■他の分野
電気(家電)、自動車分野では、機器自体の高機能化、多機能化に加え、外観やデザインの向上を目的に、多色彩化、金属調、立体的表現などを可能とする加飾フィルム、転写フィルムの需要が拡大している。自動車、建材分野では、熱線遮蔽機能を付与したフィルムを窓ガラスに貼り付けることで、遮熱対策、及びエアコンの効率運転による省エネ化を図る機運が増している。

バリア機能フィルムは、メイン用途が食品向けであり、国内の食品市場は成熟しているため急激な伸びは期待しにくいものの、今後も堅調な推移が予測される。透明蒸着フィルム、ONY系共押出フィルム、ハイブリッドバリアフィルムは、輸出が増加している。他のフィルムはほぼ国内での展開のため、横這いか微増に留まっている。

その他包材は、主に食品向けが主力となっている。曇り防止や食品の品質保持が可能、ディスプレイ効果を有する等の点や、高齢化の進展による個食化やバリアフリー、簡便化、レンジ対応、易カット等へのニーズがあり、安定した需要を獲得している。中でも医療分野向けの介護食や流動食向け需要の拡大が見込まれる。また、近年は、バイオ・生分解性フィルムといったバイオマス由来や生分解が可能な製品が注目されている。

参考文献:「2011年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望」
(2011年03月02日:富士キメラ総研)


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