機能性高分子フィルム市場 市場動向4

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機能性向分子フィルム市場の動向の第4回目は、樹脂素材別の用途動向を6つの需要分野に分けて捉えた。また、二次加工による機能付与からみた用途動向等についても触れてみた。

■素材別需要用途の概要(2010年重要ベース)

樹脂名 需要量
(単位:t)
分野別需要構成比(%) 需要先製品群例
F
P
D





















TAC 122,460 100.0 - - - - - 偏光膜保護フィルム、偏光フィルム、反射防止フィルム、位相差フィルム、他
EVA 114,200 23.4 - 76.6 - - - 太陽電池用封止フィルム、プロテクトフィルム
PE 112,590 23.5 18.7 3.2 2.6 0.6 51.5 通気性フィルム、プロテクトフィルム、ドライフィルムレジスト、シュリンクフィルム、イージーピールフィルム、他
PP 98,035 12.3 - 0.8 0.3 26.3 60.3 防曇フィルム、アルミ蒸着フィルム、シュリンクフィルム、プロテクトフィルム、PVDCコートフィルム、他
PS 24,800 - - - - - 100.0 シュリンクフィルム
PMMA 9,518 92.1 0.4 - 7.5 - - プロテクトフィルム、拡散フィルム、加飾フィルム、OCAテープ、ウインドウフィルム、反射フィルム、他
PVC・PVDC 8,434 71.1 11.1 - - 14.2 3.6 偏光フィルム、PVDCコートフィルム、ダイシングテープ、シュリンクフィルム
EVOH 1,695 - - - - 100.0 - ONY系共押出フィルム、EVOH系共押出OPPフィルム、脱酸素フィルム/酸素吸収フィルム




PET 225,893 63.5 14.7 5.3 2.7 10.9 2.9 拡散フィルム、ドライフィルムレジスト、光学用離型フィルム、輝度向上フィルム、反射フィルム、他
PA 15,790 - - - - 94.1 5.9 ONY系共押出フィルム、PVDCコートフィルム、透明蒸着フィルム、方向性フィルム、他
フッ素系 9,772 - 2.6 96.3 1.1 - - 太陽電池用バックシート、燃料電池用電解質膜、太陽電池用カバーフィルム、他
αPO 4,480 100.0 - - - - - 偏光フィルム、位相差フィルム、光学用円偏光フィルム
PC 1,433 97.6 - - 2.4 - - 位相差フィルム、光学用円偏光フィルム、透明導電性フィルム、加飾フィルム、他
その他 91,752 7.2 31.0 13.8 0.7 0.5 46.7 通気性フィルム、ドライフィルムレジスト、太陽電池用封止フィルム、シュリンクフィルム、他
全体 840,853 42.6 10.0 15.0 1.3 8.2 22.9  
最も多くの分野で採用され、量も多いのがPETである。PETは寸法安定性、耐薬品性、光学特性、加工適性などの物性バランスが良く、コストパフォーマンスに優れることから、幅広い用途で採用されている。PEやPPもPET同様、幅広い用途で採用されており、安価な樹脂であるため多様な加工技術の素材として適することから、幅広い用途の使用を可能にしている。
FPD分野ではPETとTACが2大採用素材である。TACは透明性、表面外観、電気絶縁性などに優れることから、採用されている。

半導体・実装分野はドライフィルムレジスト向けの需要規模が大きいため、同製品の市場動向に比例する。他の分野に比べ、粘着層を付加している製品が多いことから、その他材料の需要ウエイトも高い。

電池分野は太陽電池封止フィルムに使用されているEVAが需要量として最大となっている。

電気・車・建材分野ではPETが成形加工性、透明性などの物性を評価されて多く採用されている。

バリア包材はフィルム包装の表基材であるPET、OPP・CPP、ONYが3大採用素材である。PAは吸湿性が大きいことから工業素材用の使用は難しく、包装用での採用となっている。

■二次加工による機能付与動向

二次加工方法 機能付与及び用途の動向
コート/塗布 ウェットコート等で多用されている。有機材料、有機・無機ハイブリッド材料等を塗布。
多層化/粘着層 ラミネートや共押出等の技術改良が進み、多層化・積層化、粘着層・接着層による高機能化の方向にある。
フィラー・ハイブリッド 樹脂+無機フィラー等、材料の複合化により高機能化を発現。
材料自体の特性 使用材料の特性自体が高機能であり、特にその特性を主体に応用している。
スパッタ/蒸着 ドライコートが主力となっている。蒸着・スパッタリング技術で無機物をコートし、高機能化が進んでいる。
延伸他 原反フィルムの延伸など物理的加工処理で強度機能付与。
微孔形成 微細な孔を形成することで、分離機能等を付与。
最も多く適用されているのがコート/塗布技術である。ベースフィルム上に目的・用途に応じたコート材を塗布し、機能を発現している。ウェットコートはRoll to Rollで効率良く生産できることから多用されている。

FPD分野ではベースフィルムにPETを使用し、各種コート材を塗布した製品が多い。求める機能により、複層に渡りコートする製品もある。

半導体・実装分野で使用される機能フィルムはベースフィルム上に粘着層を設けたものが多い。半導体実装工程に使用され、耐熱性、粘着性と剥離性の相反する機能の両立など、要求特性に応じた粘着層が形成されている。

電池分野ではEVAやフッ素樹脂など、材料自体の特性を活かした製品が多い。太陽電池に使用される材料においては、他の用途向けの供給を抑えて太陽電池用に優先的に供給する樹脂メーカーもある。

電気・自動車・建材分野は有機材料のコート+無機材料蒸着、有機材料+無機フィラー添加といった有機材料と無機材料の組み合わせによる高機能化が主力である。材料コスト、加工コストなど比較的高価格な製品となっている。

バリア包材はハイ・バリア領域をカバーする製品としてハイグレード化が進み、蒸着加工後に有機系コート材を塗工したり、塗工材に有機無機ハイブリッド材料を使用するなど、有機と無機を組み合わせて高機能化が図られている。アルミ箔のバリアレベル実現が当面の目標で、工業用ハイ・バリアフィルムの開発・製品化を進めている例もある。

参考文献:「2011年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望」
(2011年03月02日:富士キメラ総研)


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