耐熱・透明ポリマー市場 注目市場

マーケット情報TOP
■LCP(液晶ポリマー)市場

  2009年 2010年見込 2013年予測 2009年比
市場規模 460億円 540億円 720億円 156.5%
LCPは、溶融時に液晶状態(溶融液晶性)となる熱可塑性樹脂で、サーモトロピック液晶とリオトロピック液晶に大別される。サーモトロピック液晶は溶融時に液晶状態になり、リオトロピック液晶は溶媒に溶かしたときに液晶状態になる。ここではサーモトロピック液晶を対象とした。特長として、耐熱性、高強度、難燃性、高流動性、成形性、寸法安定性、制振特性などが挙げられる。用途としてはコネクタを中心に、高耐熱性、制振特性が求められる光ピックアップ部品やLCD関連の部材など電気・電子分野で幅広く採用されている。

2009年のLCP市場は3万トン(前年比13%減)、460億円(同13%減)と推定した。薄肉・小型化、鉛フリー、難燃性などの特徴から拡大を続けてきたが、2008年10月頃より大きく需要が落ち込み、2009年3月頃までは前年比20~30%程度落ち込んだ。

LCPは各種材料の薄肉・小型化に対し、高流動性を有していることから採用が増加している。加えて、鉛フリーや難燃剤フリーなど、環境特性に優れた点も評価されている。これらを要因に、FPCやコネクタなどに幅広く利用され、2010年は2008年レベルまで回復するとみられる。今後もこれらの需要を中心に年率10%程度の成長が期待される。

■シリコーン樹脂市場

  2009年 2010年見込 2013年予測 2009年比
市場規模 8,900億円 9,100億円 1兆300億円 115.7%
シリコーンは、ケイ素と酸素からなるシロキサン結合を骨格とし、そのケイ素にメチルを主体とする有機基が結合したポリマーである(天然には存在しない)。無機質のシロキサン結合と有機基とが結び付くことで、炭素同士の結合を主骨格とする有機ポリマーなどと比較し、耐熱・耐寒性、耐候性、電気絶縁性、化学的安定性、撥水性、消泡性、離型性などの優れた特性を持っている。重合度などの違いによりオイル、エマルジョン、レジン、ワニス、ゴム、パウダー、シランなどの多くの形状を持ち、電気・電子分野、輸送機器、化学、機械、化粧品、食品、繊維、建築・土木、事務機器などの分野で使用されている。

シリコーンはLED封止材向けなど光学分野でも有望な材料として位置付けられている。2009年のシリコーン全体の世界市場は、89万トン、8,900億円と推定した。世界的な景気後退の影響により、2008年は大きく落ち込んだが、2009年は微増に転じ、中国などアジアでの需要が拡大しており、全体市場を牽引している。

電気・電子、自動車用など幅広い分野で回復基調となっている。LED封止材向けシリコーンは2009年に100トン、61億円の市場と推定される。白色LED向けに採用されているシリコーンは、液晶テレビのバックライトや一般照明向けなどで増加しており、今後も拡大していくとみられる。封止材以外にも、LEDのレンズやリフレクター向け、携帯電話の導光シートなどの需要が出てきている。

■放熱コンパウンド(熱伝導性)市場

  2009年 2010年見込 2013年予測 2009年比
市場規模 6.6億円 6.8億円 7.8億円 118.2%
一般的に樹脂素材は絶縁性能を示すため熱伝導率は低い。そのため熱ストレスに対して劣化などの影響を与える場合がある。また筐体として利用する場合、半導体などの発熱体から発する熱を逃がすことが難しい。

放熱コンパウンド樹脂は、間接的に熱を分散できるリフレクターや筐体などとして利用されている。放熱用として利用されているのは、PPSやLCP、PAなどの高温領域で使用可能なエンプラが中心であるが、耐熱やコストのバランスに優れたPPS樹脂の採用実績が最も高いとみられる。コンパウンドするフィラー材料として、最も有力なのは炭素繊維である。他のフィラー材料としては、金属フィラーの他、絶縁性能を示すセラミックスが利用されている。

市場規模は、2009年300トン(前年比3.4%増)、6.6億円(同3.1%増)と推定され、光ピックアップや電子部品筐体などを中心に採用されている。増加しているのはLED関連やビデオなどのアプリケーション向けとみられる。今後注目されるのは、自動車関連の放熱需要への対応であり、採用された場合市場は大きく拡大する可能性がある。

参考文献:「2010年 耐熱・光学ポリマー/特殊コンパウンドの将来展望」
(2010年04月15日:富士キメラ総研)


戻る
エンプラ関連情報サイト エンプラネット トップページ