耐熱・透明ポリマー市場 耐熱ポリマーの樹脂別動向

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耐熱ポリマーは電気・電子分野と自動車分野の2大分野でニーズが高まっている。自動車分野ではエンプラからスーパーエンプラへの切り替えもあるが、耐熱PAのように車体軽量化を目的として金属を代替する例もある。

自動車分野で使用される耐熱ポリマーは耐熱性のほか、各々が持つ諸物性(耐薬品性、寸法安定性、低温特性等)により使い分けられているとみられる。

電気・電子分野(車載電装品関連も含め)では、鉛フリーハンダ対応、SMT対応など、使用環境がより厳しいものになっており、樹脂に対して高耐熱性が求められるようになっている。そのため、従来エンプラを使用していた用途で、より耐熱性の高いスーパーエンプラに切り替える動きが強まっている。PA6やPA66、PBTなどから耐熱PA等へのシフトがその例として挙げられる。

電気・電子分野(電子部品)で使用される高耐熱ポリマーの代表がLCP、耐熱PA、PPSなどである。エンプラからの切り替えにより需要拡大する一方、耐熱ポリマー間の競合が激化している。以下に、LCP、耐熱PA、PPSを中心とした競合事例を示す。

LCP、耐熱PA、PPSを中心とした競合状況
  課題 選択ポイント 代替の方向性
耐熱PA 流動性up
低吸湿性改良
ノンハロ難燃化→難燃剤必要
LCPレベルの耐熱性は不要
PPSやエンプラでは耐熱性不足
ウエルド強度が必要
コストメリット(対LCP)
ノンハロゲン(塩素対PPS)
低コスト化、ウエルド強度、LCPではオーバースペック等から:LCP→耐熱PA
耐熱性向上、ノンハロ化:PPS→耐熱PA
LCP ウエルド強度up困難
→応力からない用途
高価格
高耐熱性
高流動性(成形性良)
難燃性(難燃剤不使用)
低吸水性
SMT実装温度上昇、高耐熱性、高流動性、難燃性、低吸水性等を求めて:耐熱PA→LCP
FPC用途で一部:PI→LCP
(LCPフィルムが採用され始めている)
コネクタ(特にファインピッチ)ではSMT実装温度上昇
PPS→LCP
PPS 耐熱性不足
SMT対応不可
塩素含む→ノンハロ化
(低ハロ化製品は有)
難燃性(難燃剤不使用)
コストメリット
長期耐熱性
難燃剤使用→不純物を混合させたくない用途
耐熱PA→PPS

材料変化を促す要素
鉛フリーハンダ対応 鉛ハンダよりも工程中の炉の温度が上昇→耐熱性が必要
炉の温度上昇によりブリスターが出やすくなる→出にくい材料
機器の小型化・高機能化・高性能化 SMT対応
低ソリ、寸法安定性、寸法精度、強度
ハロゲンフリー 非ハロゲン系難燃剤の使用
難燃剤を使用せずとも難燃性のある材料の選択(LCP、PPSなど)
ハロゲン系成分を含有しない材料への切り替え
参考文献:「2010年 耐熱・光学ポリマー/特殊コンパウンドの将来展望」
(2010年04月15日:富士キメラ総研)


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