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本編では非晶性樹脂など透明性を有する樹脂を対象とし、既存グレードを改質することで透明性を向上させているケースや、もともと光学樹脂として開発されたケースなどの経緯で製品化に至っている。
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透明ポリマー市場は、2009年で2,132万t、4兆8000億円程度の市場規模となっている。新興国向けの需要が堅調で、2008年比では微増、2010年以降は、年率4~5%程度の伸びが予想される。
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このうち、光線透過率、低複屈折率など、光学特性を活かした用途展開では、PC樹脂の光ディスクや光学フィルム、PMMA導光板、MS樹脂、PS樹脂の拡散板、環状ポリオレフィンの光学フィルムや光学レンズ、その他、LED封止材、輝度向上フィルムといった製品に使用されている。
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これらの用途は、光学特性のみならず、耐熱性、寸法安定性(低吸湿性)、強度等、他の物性にも高い要求がなされ、これに加えて成形性、生産性、コストなどの点からも評価を受け、競合が特に激しい分野として位置付けられる。
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なお、光学用途には適用さない汎用グレードが市場の大部分を占め、光学分野は透明ポリマー全体の4.3%(数量ベース)を占めるに過ぎない。
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透明ポリマーの中にも、耐熱性を特に重視した用途展開が行われている品目がある。ABSの自動車用途(難燃、安全面)、PMPのFPC用離型フィルム、LCD反射シートなど電気・電子用途、高圧ゴムホース用マンドルなど産業資材用途、電子レンジ対応など耐熱容器・包装資材用途、PENフィルムといった応用がある。しかし、耐熱分用途は透明ポリマー全体の2.4%(数量ベース)を占めるに過ぎない。
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ボリュームゾーンが大きいのは、PC、PMMA、PS、環状ポリオレフィン、MS樹脂、透明エラストマーなどである。もっとも需要が大きいのはPCであり、自動車用や電球カバー等ガラス代替により需要増加が期待される。また、PMMAはボリュームの多いポリマーの中で、伸びが最も大きい。性能面から、PCやポリオレフィン等への代替の動きはあるが、導光板としての需要増加により、市場拡大するとみられる。
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透明性が最も高いとみられる透明フッ素やPMPは、透明性、離型性、絶縁性、耐候性などを活かした用途開拓や研究が進められており、今後需要の拡大が期待されている。
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PEI、フルオレン系ポリエステル、PES、透明PAなどは、現在、需要が少量であるが、レンズ向けの用途開拓が進められている。ガラスレンズ代替、PMMAやPCからの代替、軽量化・小型化が可能なことから需要増加が考えられる。
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