熱可塑性エラストマーと主要合成ゴム製品市場 世界市場動向1

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本編では中国をはじめ新興国の旺盛な需要を牽引役に再成長する世界の熱可塑性エラストマーと合成ゴムの需要動向をレポートする。今回は、熱可塑性エラストマー16種と、競合あるいは棲み分け関係の合成ゴム12種についてまとめた(対象とした品目は巻末を参照)。

熱可塑性エラストマーと合成ゴムは、自動車を中心に電機、建築・土木資材、日用品、医療器具などあらゆる製品分野で用いられ、世界経済の成長とともに拡大してきた。リーマンショックに端を発した世界的な不況により2009年にかけて需要が大幅に減退したが、新興国の旺盛な需要、日本や欧米でも景気刺激策や前年の反動により自動車や電機製品を中心に回復し、2010年には2008年の需要水準を上回った。今後は各種産業の生産拠点集積や経済成長とともに需要が拡大する中国をはじめアジアの新興国が市場を牽引すると予測される。
またCO2排出による地球温暖化や世界経済の成長に伴う資源の枯渇問題から、省エネや省資源製品が求められ、自動車の低燃費タイヤ用S-SBRや、リサイクル性に優れた熱可塑性エラストマーのニーズが高まっている。

市場規模推移(世界市場 単位:万トン 億円 %)
  2008年実績 2009年実績 2015年予測 ‘15/’10年比
熱可塑性エラストマー 数量 293 309 397 128
金額 13,325 13,884 18,747 135
合成ゴム 数量 1,065 1,136 1,510 133
金額 36,989 41,412 55,753 135

2008年のリーマンショック以降、新興国を中心に経済が回復し始め、2010年には日本や欧米でも回復に転じて販売も2010年を上回る規模となった。中国やインド、東南アジアなどアジアの新興国の旺盛な需要が牽引し、2011年以降もこの需要は堅調に増加する見通しである。

最大の需要分野は自動車産業であり、2010年の世界の52%(数量実績)を占めた。また自動車向けの主要製品は、スチレン・ブタジエン・ゴムとポリブタジエン・ゴムの2種で供給量の約70%を占めた。スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマーは、土木分野で最も多く使用され、2010年の世界供給量の約52%がアスファルト改質に利用されている。

熱可塑性エラストマーは2010年から2015年に向けて数量ベースで年平均5%、金額ベースでも年平均6%の成長となる見通しである。

各製造業の生産拠点が集積し、経済成長による内需拡大が続いている中国を中心にアジア地域に旺盛な需要があり、スチレン系エラストマーやオレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマーなども中国や東南アジアで生産能力の増強が計画されている。

合成ゴムはタイヤをはじめチューブやホース、ガスケット、シール材など自動車分野の需要が多く、2009年は中国の自動車生産拡大が需要を支えた。中国などの旺盛な需要に供給能力が追い付かず需給がひっ迫しているが、供給能力は増強されつつあり、2011年以降2015年にかけては中国をはじめ新興国の需要が牽引し、年平均6%の市場拡大が続くと予測する。

■市場規模推移の数値に含まれる製品群
熱可塑性エラストマー 16種類
1.スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー(SBS)
2.スチレン・イソプレン・スチレンブロックコポリマー(SIS)
3.水添スチレン系エラストマー(水添TPSニートポリマー)
4.水添スチレン系エラストマーコンパウンド(水添TPSコンパウンド)
5.単純ブレンド型オレフィン系エラストマー(s-TPO)
6.架橋型オレフィン系エラストマー(架橋型TPO)
7.重合型オレフィン系エラストマー(RTPO)
8.塩ビ系エラストマー(TPVC)
9.塩素化ポリエチレン系エラストマー(CPE)
10.シンジオタクチック1,2-ポリブタジエン(RB)
11.ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)
12.ポリエステル系エラストマー(TPC)
13.ポリアミド系エラストマー(TPAE)
14.α-オレフィンコポリマー
15.アクリル系エラストマー
16.MNCS熱可塑性エラストマー(MNCS)

合成ゴム 12種類
1.スチレンブタジエンゴム(SBR)
2.ポリブタジエンゴム(BR)
3.ポリイソプレンゴム(IR)
4.クロロプレンゴム(CR)
5.アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)
6.ブチルゴム(IIR)
7.エチレンプロピレンゴム(EPDM)
8.フッ素ゴム(FKM・FEPM)
9.エピクロルヒドリンゴム(ECO)
10.アクリルゴム(ACM)
11.シリコーンゴム(Q)
12.ウレタンゴム(AU・EU)

参考文献:「2011年 高機能エラストマー&コンパウンドのグローバル展開」
(2011年07月01日:富士経済)


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