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ICカードを中心としたカードアプリケーション、国内NFC市場が立ち上がり注目されるモバイルアプリケーション、カードサービス/ソリューション、カード/カード関連機器、カード材料市場の最新動向およびNFC関連動向と今後の展望についてレポートする。
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■カードアプリケーション市場の概要 |
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カードのIC化は、ここ10年で急速に普及浸透し、特定カードを除き主要な業態・アプリケーションへの導入は一巡した感があり、総発行枚数は減少する方向にある。強いて、今後大きな需要が見込まれるアプリケーション分野としては「国民IDカード」が挙げられる。
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このような状況の中で注目されているのは、FeliCaを活用した非接触ICカードで、汎用的な利便性が高いことから順調に導入分野を広げている。
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ICカード関連ビジネスは、既存アプリケーションにおけるサービス/ソリューションなどの付加価値を強化したビジネスの拡大、そして、NFC(Near Field Communication::10数センチの近距離無線通信規格)の普及による新たなビジネスモデルの創出、更に新興国での導入など海外市場への関心が高まっている。
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特に、NFCを活用したビジネスが、市場立ち上がり期を迎えようとしている。今後、携帯電話端末とUIMカード(SIMカード)を活用し、FeliCaと共存しつつNFC対応が進められることで、NFCの普及が実現に近づきつつある。また、NFCの普及によって「Google Wallet」や「Apple×iPhone」と融合した利用シーンの構築も期待され、飽和に近づいたと言われるカード市場ではあるが、第二次成長期への新たな追い風となることも予想されている。
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摘要\年次 | 2010年(実績)数量(千枚) | 2011年(見込)数量(千枚) | 2011年/2010年比(%) | 2015年(予測)数量(千枚) | 2015年/2010年比(%) |
磁気プリペイドカード(流通系) | 95,000 | 96,000 | 101.1 | 96,000 | 101.1 |
鉄道、バス乗車券(IC/磁気) | 78,000 | 62,500 | 80.1 | 28,000 | 35.9 |
クレジットカード(IC/磁気) | 76,000 | 72,000 | 94.7 | 69,000 | 90.8 |
B-CAS、C-CASカード | 48,000 | 30,000 | 62.5 | 20,000 | 41.7 |
キャッシュカード(IC/磁気) | 43,500 | 44,500 | 102.3 | 39,000 | 89.7 |
会員カード、ポイントカード | 40,300 | 38,200 | 94.8 | 29,700 | 73.7 |
電子マネー | 24,500 | 23,500 | 95.9 | 18,000 | 73.5 |
IC運転免許証 | 22,500 | 25,000 | 111.1 | 22,000 | 97.8 |
ETCカード | 19,000 | 17,000 | 89.5 | 13,500 | 71.1 |
UIMカード | 18,300 | 18,500 | 101.1 | 26,000 | 142.1 |
社員証、学生証(IC/磁気) | 17,400 | 17,800 | 102.3 | 18,500 | 106.3 |
アミューズメント系ICカード | 16,300 | 16,100 | 98.8 | 16,800 | 103.1 |
プラスチックギフトカード | 15,000 | 25,000 | 166.7 | 40,000 | 266.7 |
テレホンカード、国際電話用プリペイドカード | 11,000 | 9,600 | 87.3 | 6,200 | 56.4 |
マイレージカード | 4,900 | 4,950 | 101 | 5,200 | 106.1 |
IC旅券 | 4,200 | 4,250 | 101.2 | 4,000 | 95.2 |
住民基本台帳カード | 1,100 | 1,200 | 109.1 | 1,400 | 127.3 |
商店街ICカード | 980 | 1,100 | 112.2 | 2,100 | 214.3 |
非接触ICカードキー | 420 | 450 | 107.1 | 700 | 166.7 |
ブランドデビットカード | 230 | 370 | 160.9 | 900 | 391.3 |
ブランドプリペイドカード | 45 | 50 | 111.1 | 120 | 266.7 |
※2010年実績の発行枚数の多い順に並べている
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上記で取り上げたアプリケーション分野のカード発行枚数は、2010年で5億1,868万枚、2015年予測では4億4,442万枚(2010年比85.7%)と減少する見込みである。2015年に向けて、流通/サービス分野(2010年の市場構成の約30%)は、拡大著しいプラスチックギフトカードが2010年比166.7%増と予測される。
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交通分野では鉄道/バス乗車券カードが、磁気プリペイドから書き換え可能なICカードに移行するため2010年比45.8%と大幅に減少する模様である。また、金融分野も安定した更新需要があるものの、微減が続くと予測される。
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通信・放送分野は2010年の地デジ特需でB-CASカード需要が大きく伸びたが、その反動で2011年は前年比75.2%に減少する見込みである。
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総需要量が減少するとみられる従来型ICカードも、携帯電話/スマートフォンとの融合や、2012年以降には普及が期待されるNFC対応UIMカードへのリプレイス需要により、あたらな付加価値市場へと移行していくだろう。次回は、モバイルアプリケーション、並びにNFC対応カードの市場動向を紹介する。
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参考文献:「カード関連ビジネスの現状と将来展望 2011」 (2011年09月08日:富士キメラ総研)
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